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【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆
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受付にて提灯を受け取っている最中、
神嶋 綾瀬
は先をゆく他の参加者たちの中にとても見覚えのある後ろ姿を捉えた。
―― ……あら? あれ、征一郎かしら……隣にいるのは……そう、あいつも年頃だものね。
誰かと居るどころか、女の子と二人きりで並ぶ姿が少々意外に思えたけれど、姉として見守ってあげたい気持ちが正直に湧けばそんな自身に少し安堵した。
決して嫌ってはいないのだ。
ただ、音楽への道を託した気持ちに相反するモノがいつまでもくすぶっているだけで。
綾瀬の視線を辿った
樹雨 蓮太朗
も、すぐそれが綾瀬の弟である彼だと気付いた。
「征一郎君が女性と一緒にいる所を見たのは久しぶりだよ。青春だね」
「ええ、本当に」
……あいつも、年相応のことしてるのに。年甲斐もないのは私の方ね、これじゃ。
微笑む蓮太朗へ返してから、そっと自嘲するように綾瀬は心の中で呟く。
そのまま、前ゆく他の参加者とある程度距離が出来た後、綾瀬と蓮太朗も散策へと出発した。
「あれだけ人がいたのに夜だからか……静かですね、店長」
「そうだね。怖かったりするかい?」
「……こういう静かな散歩、好きです」
「よかった、僕もだよ」
共に一つの提灯を持ち合う距離、鼓動が聞こえたりしませんようにと願いながら、星降るようにぽつぽつと言葉を紡げば、穏やかな言の葉を返してくれる。
自分が転びそうになる度、支えるように手を貸してさえくれる彼らしい優しさに、綾瀬の鼓動は収まるどころか高鳴るばかり。
星が見えればまた違う景色になりそうだね、と曇り空へ囁く横顔へ無意識に視線を注ぎそうになっては、また慌てて言葉を発した。
「あれが次の竹燈籠でしょうか? ほら、あそこ。灯かりが見えます」
蓮太朗が頷いて足を進めた時、ふ、と二人を黒一色が覆った。
手元の提灯が消えたのだと見て取れば、蓮太朗は綾瀬を安心させようとその肩へ手を伸ばし、……彼女が居ない事に目を見開いた。
「綾お嬢さん大丈夫ですか……!」
「店長、大丈夫ですか!?」
互いを心配する声が同時に重なった。
思ったよりは近くにいそうな聞こえ具合。しかしつい先程までは真横にいたはずなのに……とまた同時に首を傾げる。
「どこにいるかな、向かうから」
「待ってください、今ケータイの明かりを……え? 点かない……電池切れ?
すみません、店長。そちらに明かりになるものは……」
『……僕のも駄目だ』
『とりあえず綾お嬢さんは転んで怪我しては大変だから、動かないでね』
「……? おや、僕の声が……?」
『ここです、店長』『私も出来ることをしたい』
「え、え……私の声……っ?」
蓮太朗の声、綾瀬の声、それぞれがしていた方向とは、また違う方向から同じ声色たちが響いてきて、両人を困惑が襲う。
―― どうやら僕でない僕も喋っているみたいだ。
驚いたものの、人生経験値からか寝子島のあれこれを見てきているからか、先に思考を働かせ始めた蓮太朗は考えを巡らせる。
早くなんとかしないと、綾お嬢さんが不安になってしまう。
どうしたら本物が僕だと分かってもらえるだろうか。
暫し逡巡した後、意を決したように口を開いた。
「『綾お嬢さんは今でもフルートが好き』なのは僕だけがそう思ってるのかな」
「え?」
突然紡がれた言葉に、一気に戸惑いの色を浮かべる綾瀬。
一瞬、その言葉が聞こえて来た方の闇を見つめたが、偽物たちもすぐに順応するよう別方向から声を発する。
『やめてしまったのが本当に惜しい』
『君の音色は僕も好きだよ』
「征一郎君も恐らく……」
僕以上に君の音に惚れてる、そう本物の蓮太朗が続けようとした言葉は我に返ったように、喉へと仕舞われてしまったが。
蓮太朗の心を読んだかのような偽物の声も響く中に、自身の弟の名を伝えてきたものがあれば綾瀬もようやく意図を察した。
しかし、あまりにも似すぎた声と雰囲気、まだ確信が持てず足は動かない。
―― あとは僕へ向けられている……綾瀬さんの感情を知りうるのはきっと僕だけな筈だから。
蓮太朗は真っ直ぐ綾瀬がいる方向を見つめる。
これから伝える言の葉が、どれほどに彼女を傷つけるか理解した覚悟を抱いて。今、彼女を独りにしてしまうことが耐えられないから。
「好意を抱かれてるのは、何となく察しはついているよ。
分かった上で僕が受け止めてあげられないのも……分かっているんだよね」
……これは、何……?
恐らく、自分たちと偽物とが存在していて。これは……樹雨さんの偽物? それとも……――
青が揺らぐ。軋むように。
それでも彼の言葉は止まらない。
「綾瀬さん、君が言ったとおり僕には勿体ないほど素敵な人なんだよ。
幸せになって欲しい。心からそう願う。だから………」
―― 僕が幸せにする、と言えない意気地の無い自分より、
もっと君を大事にしてくれる相手の方がきっと─……。
儚い想いだけはひた隠して。蓮太朗は息を吐いて、耳を澄ませた。
偽物たちも知りえない事に動揺したのだろう。大分間が空いてから、『もしも僕がもう少し若ければ……』などが響いて来る。
あとは、彼女に託すしかない。
……でも、私は……。
本物か偽物か、区別できなくともその内容は綾瀬の心をえぐるのだ。
痛む胸を必死に抑えながら、込み上げそうになる心の叫びごと抱え込むように一度虚ろな瞳を閉じた。
分かっていた。分かっていたでしょう。どこまでも優しい人だから。
再び開かれた青は、まだ陰りがあるも真っ直ぐに本当の彼の居る方向を見据えて。
「……はい。分かっています。きっと、ずっと前から……」
彼女の偽物の声が続くより早く、蓮太朗は綾瀬の下へと駆け寄っていた。
闇の中へ手を伸ばすと、そこには潤む瞳で必死に前を向いている女性が居た。
見つけた、本物の綾お嬢さんだ。
「無事で良かった……!」
「樹……、店長……」
両肩に温もりが与えられれば、おずおずとした小さな声が綾瀬の口から洩れる。
勇気づけるように、蓮太朗は精一杯の笑顔を向けた。傷ついた彼女を見て己が傷つくのを決して厭わずに。
それは罪と罰でもあるから。他ならぬ、彼女を傷つけたのは己自身なのだから。
―― あの声は……なんだったの……?
今自分の目の前の彼は、本物なのだとそう心が言っている。
では、先程の言葉たちは………やはり彼の本心なのだろうか。
綾瀬の心に、癒えることのない空洞という痛みがぽっかり空いたようだった。
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担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
102人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月22日
参加申し込みの期限
2018年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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