this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆
<< もどる
1
…
34
35
36
37
38
…
84
つぎへ >>
本来提灯はペアで一つの物を持ち合うという体であるが、現在
伊崎 朔秀
は『何より姫の意向優先』ということで、提灯は私が持つわ、と言い出した
賀陽 霖花
が照らす後を一歩引いた、決して見失わぬ距離からついていく形となっている。
―― 本当は朔のご主人様って言ったらお金を払っているお父さん達の方でしょうけど
私だって朔の主だもの。
霖花の心中としては、しっかりしなきゃ、とこういった意図であったわけだが。
「はぐれないように気を付けてくださいね」
「……分かってるわよ」
灯かりを持って先導しているのは自分であるはずなのに、朔秀から時折かけられる言葉は相変わらずで。
―― やっぱりお守りされるのは私の方なのね……複雑。
それが朔秀にとっての務めなのだと、頭では理解していても霖花の心が望んでいる事はもっともっと別のベクトル。
どうすれば朔の意識を自分が望む方向へ向けられるのだろう。
全てをそうしたいわけではない。それでは朔が朔では無くなってしまうだろうから。
『姫』と、そう呼ばれている限りは恐らく決して叶わぬ淡い淡い望み。
暗い気持ちに飲まれそうになったのを、無意識に瞳に感じる灯かりへと足が吸い寄せられたのかもしれない。
竹燈籠かと思い霖花が、目先の揺らめく光へ近寄った。
その途端。
「……って、何、急に暗く……」
自分が持つ提灯までも消えていれば、縋る眼を後ろへ向けた。
が、すぐ傍にあったはずの彼の気配までも無くなっていた。
―― ……どうして?
「朔、何処……?」
一気に心細さに襲われれば、霖花の口から弱々しく声が響いた。
ふと、その呼び掛けに反応したように彼の声が返って来る。周囲のあらゆる方向の闇の中から。
『姫、はぐれてしまいましたか?』『危ないので姫は待っていてください』『姫、姫』
安堵したのも束の間で、いっぱい居過ぎる声たちにまた霖花の胸に不安が広がる。
好きな声に呼ばれていればそりゃ嬉しい、けど……
「もうっ! 姫じゃなくて名前で呼んでって言ってるのに!!」
不安と寂しさが、ずっと心に潜めていた願いに混ざって。
霖花は気付けば声たちへ叫んでいた。
―― どうすればいいの……朔……っ。
すぐ目の前を歩いていて、その姿をしっかり捉えていたはずの霖花の姿が突如消えたことに、朔秀もかなり動揺していた。
―― ……俺としたことが、姫とはぐれてしまったようですね……。
ご主人たちに自らの意向を伝えておいて、これでは向ける顔が無い。
「姫ー! どちらにいらっしゃいますかー?」
大きな声で呼びかけてみるのも、これで数度目。
しかしてその声に応えてくるのは、あちらこちらから姿を見せない彼女らしき声たちばかり。
『朔、早くきてよ』『私はここよ』『どうしてどこかへ行っちゃうの?』
―― おかしいですね。姫になりすましたナニモノかがいるということでしょうか。
伊達に幼いころから賀陽家に仕えているわけでは無いのだ。
自分が『姫』と呼ぶその人の声。偽物には違和感を感じる程に耳の奥に馴染んでいるのだから。
とはいえ、似たような方向の暗闇から聞こえてくるのでは、本物の居場所が分かりにくい。
ふむ……。
一呼吸思案した後、朔は声たちに向けて言葉を放った。
「俺の好きな食べ物、本物の姫ならわかりますよね?」
先程まではただ無闇やたらに姫と呼び掛けて来た声の中から、今度は質問が飛んで来れば霖花は目を丸くした。
「ほら、アレですよアレ」
「え……? そ、そんなの……」
一瞬、本物の霖花と朔秀の声が邂逅した。
けれどすぐに、偽物たちがその中に混じり合う。
あれこれと食べ物の名を挙げて来る霖花らしき声たち。
その中に、戸惑うように、どこか怒ってすらいるように、囁かれた声音があるのを朔秀は見逃さなかった。
「朔、何度訊いても教えてくれないじゃない。知らないわよ……」
「……見つけましたよ」
優しい彼の言葉が鳴ったのには、霖花は気付かなかった。
―― こんな見分け方ずるいわ。
自分を見つけようとしてくれてるのだと、そのための手段だとは理解したけれど。
腑に落ちない。
だってこれは、自分がどれだけ朔の事を知らないか、思い知らされてる気しかしなくて。
納得できない……!
「ああ、姫。ここにいたんですね、よかった。お迎えにあがりましたよ」
「……朔……」
主人の前では食事をしない、そもそも食べる事は好きでは無い。
本物の姫は自分の好きな食べ物なんて知らないのだと、確信犯で質問を投げた朔秀が、『知らないわよ』と声のした闇の中へ一目散に駆け出して、ようやく本物の姿を見つければ。
当の霖花は、嬉しそうな表情をするどころか、拗ねているような目でこちらを見つめてきた。
その心中を察すればまぁ無理もないかと思いつつも、朔秀はどこか笑みを浮かべながらそんな彼女へと手を差し伸べた。
そうすることが当然かのように。
「次はしっかり手をつないで歩きましょうか。あなたがどこにもいかないように」
いつだって自分を守ってくれる、温かな手。レイクブルーの瞳がじっとその掌を見つめた後、ゆるゆると華奢な手が添えられた。
―― ……でも私は結局この手をとってしまうんだわ。
それが今は私だけに許された特権だって知ってしまっているから。
とはいえ、この納得のいかない気持ちは早々消化出来そうには無い。
「……朔、射的にあったぬいぐるみとって。やってる間、ちゃんと傍に居るから」
これが霖花なりの精いっぱいの譲歩。
付け足された彼女らしい言の葉もしっかり受け止めれば、朔秀はとったその手の甲へと軽く口づける。
「仰せのままに」
本当のお姫様を扱うように、恭しく、どこまでも優しく。
先程のずるい質問をした朔も、この朔も、全て朔という人なのだと改めて理解させられた気がすれば、
拗ねる気持ち通り越して、諦めるように笑みがこぼれた。
いつの間にか光が戻っていた提灯を掲げて歩き出す。
凛と姿勢伸ばされたその佇まいへ、傅くように朔秀が続いた。
シチダンカ、小さな星が幾段も重なったような花弁の花たちが、どこか喜ぶように浴衣の上で揺れていた気がした。
<< もどる
1
…
34
35
36
37
38
…
84
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
102人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月22日
参加申し込みの期限
2018年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!