森に蠢く死霊術師と死者の傭兵団｜リアクション

森に蠢く死霊術師と死者の傭兵団

　イアの消失と同時に、外で蠢いていた死霊の傭兵団はその姿を消し、それぞれ満ち足りた表情で光の粒子となって消えていった。
　身体が半分消えかけているナスデンは見送りに出てきた彼ら召喚者達の方を見る。

「随分と世話をかけた。最後にすまなかったな、尻ぬぐいをさせちまって」

　微笑を浮かべながら海斗は言う。

「いいんだべ、生きている者の……それも務めだっちゃな」

　親指を立て笑顔で轟は言葉を送る。

「そうそう、お前らは安心して逝けよ、あとは俺達に任せとけっ！」

　ナスデンはそんな召喚者達の姿を見て静かに笑った。

「ふっ……ありがとう」

　ナスデンを見送った頃、召喚者達の前にマスクをしたちーあが現れる。
　まだけほんけほんと咳をしているが高い熱はないように見えた。

「ごほっごほっ、みなさまお疲れさまでしたっ。寝子島に帰りますよーけほっけほっ」

　帰還用のゲートを開き、ちーあの案内でそれぞれが帰路につく。
　ちーあは最後までその体調を八神に心配され、常闇にはお子様用のど飴を貰っていた。

「子ども扱いはいいのですー！　ちーあは大人用のど飴も食べられるのですよっ！」
「はっはっは、わかったわかった」
「はい、次は大人用を用意しておきますねー」

　八神と常闇に頭を撫でられながらちーあはむくれる。

「むぅぅー……絶対わかってないのですーっ！」

　その様子を微笑ましく見ていた御剣は何者かによって草むらに引きずり込まれた。

「わっ！？」

　視界いっぱいに広がるいまにも半脱ぎの着物から零れ落ちそうなツクヨの胸と悪戯な笑みを浮かべた表情。

「あひゃはぁー、驚いてますねぇ？　そういう表情、イイですよぉ？」
「ツクヨ、ちょっと、色々まずいって……」
「まずくないですよぉ？　ツクヨはご褒美にマッサージしてあげるだけですからぁ？」

　ツクヨの手が押し倒した御剣の下腹部に伸びていく。

「ちょ、ま、ツクヨ！？　からかっている時のツクヨは楽しそうだし居心地いいし手を出してもＯＫしてくれそうだけど今の居心地の良さが無くなりそうで怖いんだよまた新しい居心地の良さが出来るかもしれないけどッ！」

　凄まじい早口で想いをぶちまけてしまった御剣を抱き締め、ツクヨは笑う。

「そういう真面目な所、とてもイイですよぉ？　ま、今はぁ……ご褒美を堪能してくださいね？」
「あぁ……あっ……」

　ツクヨの手つきは激しくなり、彼はそのマッサージの気持ちよさに耐えられず、気を失ってしまった。

「――はっ！　ツクヨッ！？」

　御剣が目を覚ますとそこはいつも通りの自分の部屋だった。
　ふと亮に電話を掛ける。

「どうした御剣、夜遅くに？　さっきの戦いで気になった事でも……？」
「いや、さっきの戦い……俺、どうやって帰った？」
「ああ、その事か。疲れて眠ってしまっていたとかで、ツクヨにかつがれてゲートに運ばれたぞ。そういや、やけに幸せそうな顔してたな。何かあったのか？」
「……何もない。ありがとう」
「そうか、ゆっくり眠れよ」

　電話を終了させた御剣は何かを発見する。
　それはツクヨが撮ったと思われる写真であった。写真にはマッサージ中のツクヨと自分が映っている。
　写真の裏には『ご褒美デスヨ？』という文字とキスマークがついていた。
　御剣は顔を真っ赤にしながらもそれを大切にアルバムにしまうのであった。

　一つの戦いの終わりは始まり。
　彼らの活躍は、遠き世界の者達にまでも轟く。
　それが幸か不幸か……それはまだ、彼らにはわからない。

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あとがき

担当マスター：ウケッキ
ファンレターはマスターページから！

この度は遅れてしまい誠に申し訳ございませんでした。

今回は謎の死霊術師イアと死霊の傭兵団というお話でした。
皆様のあついアクションのおかげで、見事にイアは討ち果たされ、傭兵団は解放されて天へと昇りました。

次回もまた、皆様の熱き思いをお待ちしておりますので
次回のガイドを見て、興味がでたお方は来ていただけると幸いです。

それでは次回のガイドでまたお会いしましょう！

さらばっ！

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