【七夕】ミルキーウェイに愛を叫べ　屋台も楽し～い♪｜リアクション

【七夕】ミルキーウェイに愛を叫べ　屋台も楽し～い♪

「これにお願いごとを書くんだ。そしたら織姫と彦星がかなえてくれるんだぜ」
　鳥居前の人混みの中、源竜世は得意げに横を見上げた。隣にいるのはスターライトナイトだ。

　スターライトナイト。竜世のカプセルギア。けれども今は目つきの悪い若者士星ナイト。竜世のろっこんによって人間になっているのだ。せっかくのお祭り、竜世はナイトと楽しもうと連れだって出掛けていた。
　竜世の言葉にナイトはへえと片眉を上げた。
「ソイツ等は神様かなんかなのか？」
「違うけど……なんかかなえてくれる！」
「そういうもんか」
　分かったような分かってないような顔でピラピラと短冊を遊ばせるナイト。その横で竜世は大真面目に願い事を考えていた。
　真面目も真面目。鳥居前にまで流れてくる屋台の美味しそうな匂いもぐっと我慢して、竜世は短冊と向き合っている。―――だって七夕なんだから、まずはお願いごと！
（やっぱスターライトナイトに関係ある願いごとがいいな）
　それは竜世の中でぶれない。で、具体的にどう書くか。
（『スターライトナイトに使えるパーツが引けますように』……？）
　そう考えはしたが、竜世は腕を組み、眉を八の字にしたままうーんと横に傾いてしまう。こう、なんかバッチシこれ！　ってカンジじゃねえんだよなあ……。
　だいぶあり得ない角度まで傾いていた竜世が、ハッと体を起こし叫んだ。
「そうだ！」
　竜世はきゅっきゅと勢いよくペンを動かす。そして出来上がった短冊を見てにんまりした。
「……ナイトは何書いたんだ？　見せっこしようぜ」
　満足そうに口の端を上げながら竜世は隣を見る。そのナイトも余裕の表情。２人はせーのでバッと短冊を見せ合った。

『つよくなる！』

　竜世の短冊には太く大きく勢いのある文字。そしてナイトの短冊には。

『負けねえ』

　やっぱり短冊からはみ出すくらい大きな文字が書かれていた。

　竜世はアンバーの瞳を大きく大きく見開いた。
（オレとナイト、同じ気持ちでいる！）
　瞳を輝かす流星に、ナイトがニッと笑って彼の短冊を指さした。
「願う先を間違えてんじゃねえか？　マスター」
　不敵な笑い。竜世も負けじと言い返した。
「そういうナイトもだろ！」
　笑ってしまう。嬉しいんだ。ナイトと同じところを見ているのが。わくわくする。これからどれだけ強い相手とバトルが出来るのだろう。そのたんびにオレ達はきっと強くなっていくんだ。
　竜世は笑顔でナイトに向き合うと、すっと短冊を差し出した。ナイトもふっと笑って自分の短冊を差し出す。そして短冊を交換すると、２人は互いの拳を突き合わせた。
　―――ホントは笹に結ばなきゃいけないのかもしれないけど、これでいい。この方が願いがかないそうだ……いや、かなえてみせる！

「よーし！」
　気持ち良くすーっと息を吸い込むと、竜世はニカッと笑った。
「短冊も書いたし、こっからは屋台せーはだ。行くぞナイト！」
　手始めに、と竜世とナイトは短冊と一緒に貰った白い金平糖を口に入れ、がりっと噛み砕いた。すると。
「「！」」
　互いが目を合わせた。湧き上がるような叫び出したい気持ち。目の前の、君に。
「竜世！！！」
　大きな声でナイトに呼ばれた。その瞳には、強い光。分かってる、スターライトナイト。オレも今、お前と同じ気持ち。
　竜世は負けないくらい大きな声で彼に応えた。

「スターライトナイト、バトルしようぜ！」

　これからも一緒に。ずっと！