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風鈴の誘い
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水戸 健吾
は自宅のキッチンに立った。小学四年生とは思えない手際の良さで夕飯を作る。出来上がったおかずは食卓に運び、茶碗にご飯を盛り付けた。
自分の席に座ると静かに手を合わせる。
「いただきます」
テレビは点けず、独りで黙々と夕飯を食べた。
終わると速やかに席を立つ。一人分の食器を手早く洗って自室に向かう。
「あとは宿題か」
ドアの前で呟くと、中から音が聞こえてきた。目覚まし時計のような騒々しさではなかった。
「なんだろう?」
不審に思いながらも中に入っていった。
停電になったかのような暗さに足が竦む。左右と後ろには何もない。暗黒の世界が無限に広がっていた。
身体が震える。青いシャツの胸元のボタンを留めた。
――行くしかないか。
目の前の石段を見上げる。幾つもの赤い鳥居を潜って上っていく。
最上段は明るい。最後は駆け足となった。
健吾は目を見開いた。真っ直ぐに伸びる石畳の両側を屋台が占める。浴衣を着た人々が談笑の合間に立ち寄った。
健吾の硬い表情が柔らかくなる。長ズボンの後ろのポケットに手をやった。取り出した財布の中身には今月分の小遣いが入っていた。
年相応の笑顔になる。早速、目に付いた屋台で綿菓子を手に入れた。食べながら左右の屋台を見ていく。
人々にも目が及ぶ。若いカップルは身を寄せ合っていた。数人のグループは全員が一斉に喋っていて内容を聞き取れなかった。
――独りなら自分のペースで動ける。集団は大変だ。
健吾は軽い足取りで先へと進む。
射的屋が目に留まる。景品の数々に吸い寄せられた。
一体の人形に釘付けとなった。白い着物に黒い髪が印象的で目を引く。特に顔を注目した。
――顔が母さんに似ている。カプセルギアは一体も持っていない。狙ってみようかな。
ウルフカットの前髪に軽く手を加えた。視界をしっかりと確保して射的に挑んだ。
深夜に近い星ヶ丘の駅のホームに電車が滑り込んできた。開いた扉から疲れ切った人々を吐き出す。
その中に
八神 修
の姿があった。紺色のスーツ姿でクラッチバッグを持っていた。薄緑のネクタイを緩めようとした手は途中で止めた。
――政治家の父の名代であることを忘れてはいけない。作家の出版記念パーティを上手くこなした。しかし、油断は禁物だ。第一、俺の自意識がだらしない格好を許さない。
軽く息を吐いて改札を通り抜ける。星ヶ丘寮の方向を見て更に溜息を重ねた。
――余計な出費になるがタクシーに乗るか。
道路に向かって手を挙げようとした。
清らかな音が耳に流れ込む。足元がふらついた。修は目元を指で押さえて踏ん張った。
俯いた姿で軽く頭を振る。
「立ちくらみか」
顔を上げると祭りが催されていた。石畳を挟むようにして屋台が整然と並ぶ。香ばしい匂いと電球の明るさが浴衣姿の人々を照らしていた。
「俺も、そうか」
浅黄色の浴衣姿になっていた。バッグは同色の巾着で中には財布やスマートフォンが収められていた。
「あとは……」
冷静な目を周囲に向ける。
――店主は狐の面を被っている。例外はないようだ。別の世界なのか。
着物姿の人々は素顔を晒していた。会話と飲食を楽しんでいる。
――ここが死者の世界には思えない。食べ物を口にしても帰還することは出来るだろう。
張り詰めた気持ちが緩んだ。周囲に漂うソースの匂いを意識して息を吸い込んだ。
修は近場の屋台でたこ焼きを購入した。飲み物はウーロン茶を選択。よろよろと歩いて無人のベンチに腰掛けた。
たこ焼きに振り掛けられた鰹がゆるゆると躍っている。備え付けの爪楊枝で一つを突き刺して齧った。固そうな表面が抉られ、とろりとした中身が見える。残りは一口にした。
「良い焼き加減だ」
ウーロン茶を開けて喉に流し込む。目を細めて大袈裟に息を吐き出した。
再び、たこ焼きを口に入れる。白い湯気が口から零れた。
目の前を浴衣姿の人々が笑顔で通り過ぎる。女の子は水風船を嬉しそうに弾ませた。父親に肩車をして貰っていた男の子は興奮した様子で先の方を指差す。
「なんか、良いな」
修は穏やかな顔になった。のんびりとした時間を過ごし、目に活気が満ちてくる。
「行くか」
修は立ち上がった。近くのゴミ箱を経由して人の流れに乗った。
何かが弾けるような音がした。視線が斜め前に向かう。ライフルを構える健吾の姿があった。銃口が少しふらふらしている。
修は近づいて声を掛けた。
「アドバイスを聞く気はあるかな」
「どんなのですか」
健吾は構えを解いて聞き返す。修は相手を安心させるような笑みを作った。
「ライフルはしっかりと両手で持った方がいい。銃口が安定しないと、狙い通りに弾が飛ばないからね」
修は健吾の背に付いてライフルの持ち方を教えた。
「あと、景品を狙う時は上を意識することだ。弾は水平には飛ばないからね。わかったかな」
「よくわかったよ。教えてくれてありがとう。お兄さん、詳しいんだね」
「高校では射撃部の部長をしているからね」
にこやかに笑うと修も射的に加わった。
コルクの弾を仕込んだライフルを構える。
――大物は当たっただけでは倒れない。何発か当てて落とすことになるだろう。
銃口は左右に動いた。縫い包みが隣り合っていた。
――猫の縫い包みの隣がゼリンか。丸いゼリンを落とすのは難しい。そうなると狙い目は猫になるか。
猫の縫い包みに標準を合わせる。
トリガーを引いた。猫の後ろ脚に当たって身体がずれる。
「ごめん」
猫に謝って眉間に当てた。台の奥に下がらせる。奥側の一本の脚が浮いた状態になった。
修は残りの弾の全てを胴体に集中した。結果、猫の縫い包みは台から転げ落ちた。
「成功だ」
景品を胸に抱く。
「僕も獲れたよ!」
隣に目をやると健吾がカプセルギアを両手で掲げていた。修に一礼して駆け出し、人波に消えていった。
「俺は屋台を巡るかな」
修は猫の縫い包みの頭を撫でながら歩き出した。
「ここは?」
健吾は自室にいた。挙げていた手を下ろす。カプセルギアが握られていた。
「夢ではないのか」
思わず笑みが零れる。健吾は机に人形を置いて椅子に座った。容姿を飽きるまで見詰めていた。
「そうだ」
思い出したようにスマートフォンを手に取った。辞書を使って色々な漢字を表示させる。
――このカプギアの名前に白は入れたい。白い着物が印象的だし。
「白に続くイメージは……」
多くの漢字が頭を悩ませる。
「白は雪……高いイメージで……頂は漢字だと……」
指で入力する。一つの漢字が表示された。
見た瞬間、健吾の笑顔が弾けた。
「白い頂の意味で、君は今日から白峯(しらみね)だ! よろしく!」
人形の手を摘まんで握手を交わした。
修は真顔となった。
「戻ってきたのか」
振り返ると星ヶ丘駅が見えた。服装は堅苦しいスーツであった。手にはクラッチバッグを持っていた。中身の詰まった餃子のように膨らんでいた。
中身を見て少し笑った。猫の縫い包みが顔を出す。懐かしい駄菓子に溢れ、底の方にはひしゃげた水風船が出てきた。
「疲れが吹き飛んだようだ」
修は道路を渡った。疲れを感じさせない足取りで夜道をゆく。バッグの中にあったソーダ飴を口に放り込み、星空を見上げた。
「明日も頑張ろう」
背筋を伸ばし、爽やかな笑顔を見せた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月22日
参加申し込みの期限
2018年08月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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