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風鈴の誘い
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赤と黒が混じり合う黄昏時。道着を肩に引っ掛けた
添星 叡知
が寡黙に道をゆく。
身長は高く、引き締まった身体をしていた。汗で濡れた髪を適当に手で払って整えた。
道沿いに看板が見えてきた。二匹の猫が陽気に踊る姿が描かれている。コンビニエンスストア、通称
ネコンビ
である。表情を変えず、少し腹部を摩った。
躊躇うことなく叡知はネコンビに足を運んだ。自然にレジに目がいく。
四野辺 蘭月
の姿があった。ツインテールはリボンで結ばれている。赤いストライプのシャツに紺色のエプロンを着けて接客に当たっていた。
「あ、添星くん。いらっしゃーい。今日のバイト、はよ帰れることになってん」
「そうか」
叡知は飲食コーナーをちらりと見て、すぐに別の方向に歩き出す。マガジンラックにあった空手の雑誌を手に取った。
数頁を流し読みしていると横から声を掛けられた。
「添星くん、お待たせー。バイトは終わったで」
「そうか」
雑誌をラックに戻した。制服姿の蘭月と一緒に店を出た。
二人は同時に立ち尽くす。街の風景は縁日の賑わいに取って代わられた。石畳の両脇には屋台が整然と並んでいる。
「屋台やん! しかも夜やで! あたし、制服ちゃうやん!」
驚きを矢継ぎ早に口にした。蘭月の動きが忙しない。浴衣を着ているので踊っているようにも見える。
その様子を傍から見ていた叡知の頬が少し赤くなる。
「きれ、その、白地に紫の胡蝶蘭が、あれだ、四野辺によく合っている」
「え、そ、そうなん? 添星くんの黒地に流星の浴衣も、ええ感じやで」
「そうか。ありがとう。これからどうする?」
叡知の問いに蘭月は八重歯を見せて笑った。
「よーわからんけど、夏祭りを楽しんだらええんとちゃうかな」
「そうだな。四野辺、今日はよろしく頼む」
叡知は握手を求めた。差し出された手を蘭月が握った。
「よろしく頼むわ」
その時、蘭月の目が横へと流れた。仲睦まじいカップルが手を繋いで歩いていた。
意識した瞬間、手を離した。不思議そうな顔をする叡知に軽く手を振る。
「これはやな。デートとかいうもんやなくて、友達の付き合いで見て回るって話や」
「わかった。俺と付き合ってくれるのだな」
「まだ付き合っては、ちゃうちゃう、付き合うんやけど。でも、なんかその言い方が、もうええわ!」
手の甲で相手を叩く真似をした。切れのある蘭月のツッコミであった。
「行くで」
「そうだな」
ずんずんと歩く蘭月の横を叡知が難なく付いていった。
ソースの香りが漂う。蘭月の鼻がヒクヒクと動く。
「あれや!」
目にした、たこ焼き屋に目を輝かせる。
「関西人やったら、無視できんわー。せや、添星くん、今日はネコンビでなんも食べてないやん。お腹がめっちゃ減ってるんとちゃうん?」
「言われてみれば、そうだな」
「よっしゃ、たこ焼きで決まりや」
舟の形をした容器を各々が手に持つ。
叡知はポツリと口にした。
「意外と小さいな」
すると連続で舌打ちするような音が下から聞こえてきた。蘭月が人差し指を立てて左右に振っている。
「大玉はお得感があるんやけど、火の通りが悪いんや。粉っぽいたこ焼きは最悪やで。その点、中玉はええで。でもな、焼き過ぎると中身のしっとり感がなくなってまう。技術がいるんや。表面はカリッで中はトロリが最高なんやで」
「食べないのか?」
「せや、アツアツを逃すところやったわ」
蘭月は爪楊枝でたこ焼きを突き刺し、一口にした。白い息を吐き出しながら食べた。
「まさに、これや! これが最高のたこ焼きなんやで!」
「本当に美味いな。いつもは独りだから余計に、そう思うのかもな」
「ホ、ホンマか~。たこ焼きが美味いからやろ」
蘭月はたこ焼きに視線を落とし、懸命に食べる。耳朶が茹でた蛸のように赤くなっていた。
食べ終わると焼きそばの屋台に突っ込んだ。プラスチックの中身を見て蘭月は期待感を募らせる。
「関西風の中太麺やね。これは味に期待大やで」
蘭月が麺を啜る。眼鏡の奥の目が丸くなった。
「味も関西風や! この出汁の効いた甘さが麺と具の一体感を生み出すんやで!」
「四野辺、少し顔を上げて貰えるか」
「ええけど、どうかしたん?」
言われた通りに顔を上げた。頬に飛んだソースを叡知が親指で拭って舐め取る。何事もなかったかのように自身の焼きそばを啜り始めた。
「適度な甘さが良いな」
「まあ、そうなんやけど。撥ねたソースは麺からや。だから、別にええねんけど……」
だんだんと声が小さくなる。途切れた言葉を補うように蘭月は麺を勢いよく啜った。
その直後、二人はかき氷を食べた。口の中に残った味は洗い流された。
「ふぅ~、さっぱりしたで」
「次はどうする?」
「軽い運動で金魚すくいはどうやろか」
「俺は四野辺がやるのを見ることにする。小さい金魚の相手は性に合わない」
蘭月は叡知を見上げて朗らかに笑った。
「ほな、あたしの華麗なとこ、見せたろか」
「楽しみにしている」
背の高さを活かし、叡知が金魚すくいの屋台を見つけた。
「さすがやね」
蘭月は喜び勇んで飛び出した。微かな笑みを浮かべた叡知が付いていく。
「狐のおっちゃん、ええポイを頼むで!」
「どうぞ、四百万円のポイですよ」
狐面を被った主人は四百円を受け取り、何の変哲もない紙製のポイを渡した。
にやりと笑った蘭月は水槽の前にしゃがんだ。水に浮いた容器の位置を確認してポイを構える。
「忘れとった」
ポイを持った方の袖を上げて手で押さえた。
「最初は赤くて小さいのから」
集まっていた赤い金魚の真上にポイを近づける。気付いた何匹かが尾びれを動かして離れていく。
「見えとるんやな」
ポイは迷うような動きを見せる。その中、水面の近くにいた一匹に狙いを付けた。斜めに差し込んで僅かな水と一緒に掬い上げた。しかし、容器に運ぶ途中で滑るようにして落ちてしまった。
「もう少しやったのに。次はあれやな」
別の一匹に狙いを定めてポイを構える。
叡知は中腰で見ていた。袖から覗いた白い腕には染み一つない。濡れないようにして金魚すくいに興じる姿に女性らしさを感じた。
奮闘の結果、蘭月は二匹の金魚を手に入れた。巾着のビニール袋を嬉しそうに掲げて見せる。
「二匹ゲットしたで。添星くん、あたしもやるもんやろ。あ、その顔はちゃんと見てなかったんとちゃうか」
「いや、そんなことはない。しっかりと四野辺を見ていた」
「ほ、ほな、ええわ。なんか照れるもんやな」
二人はどこか恥ずかしそうにして人の流れに加わった。
「今度はあれや! あれやで!」
声を張り上げて蘭月は輪投げの屋台に突っ込んだ。並んだ景品を見て少し考えるような顔になった。
「何か気になることでも」
「景品が台に載せてあるやろ。あれはな、台の下まで輪が入らんとゲットできんタイプのもんや」
「小さい景品が狙い目ではないのか」
「その通りや。一回が五百円で輪は三つ。よく考えんと痛い目に合うで」
蘭月は全ての景品を眺める。奥の端の方にあった物に目が留まった。
「あのヘアアクセ、大人っぽいな。リボンもええんやけど、たまには付けてみたい、と思ってもやな。奥で端っこや。あの位置はかなりの難易度やで」
「俺が試してみよう」
「ホンマに? 屋台の景品やから高価なもんとはちゃうと思う。せやから無理はせんといてな」
上目遣いで頼む蘭月に叡知は身震いを起こした。
「絶対に取る」
決意を込めた一言で輪投げに挑戦した。
最初の輪は思いの強さが表れ、最奥の景品に当たった。
大きな深呼吸を挟んだ。しっかりと景品を目に入れて輪を投げた。飛んでいく方向は合っている。
蘭月は上体を傾けた。カツンと乾いた音と共に顔を空に向けた。
「あー、もう少しやったのに。今度は距離が足りんとは」
「まだ輪は残っている」
叡知の目が鋭くなる。
柔らかい投げ方で輪は放たれた。ぶれることなく飛んで、ふわりと舞い降りる。真上から落としたように台を抜けて下に落ちた。
「添星くん、凄いやん! ヘアアクセ、ゲットやで!」
「上手くいって良かった」
狐面を被った店主は酷い悲しみ方で景品を叡知に渡した。
「月と星がモチーフになっているようだ。蘭月と添星の一字を合わせたみたいで悪くない。受け取ってくれるか?」
「もちろん、その気持ちが嬉しいんやで」
蘭月は自らの手で髪にアクセサリーを取り付けた。少し恥ずかしそうな顔で笑った。
「えへへ、似合ってる?」
「ああ、よく似合っている。綺麗だ、蘭月」
「……添星くん、ありがとう」
どちらともなく手を伸ばす。遠慮がちに触れた指先を互いが求めた。
二人は手を繋いで夏祭りを楽しんだ。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月22日
参加申し込みの期限
2018年08月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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