スイカ・ザ・マッスル！｜リアクション

スイカ・ザ・マッスル！

　八神はスイカたちに泳ぎを教える事にした。
「しかし君たち、本当にすごい筋肉だな。俺にももっと筋肉があればなあ」
「そうだろう？　畑の時から願い続けてたら、今日、夢がかなったんだぜ！」
「そうか！　それは凄いな！」
　八神はスイカ男たちの手を取り、一緒に喜びを分かち合った。
「ヤガミといったか？　今はもやしでも、人間は筋トレをすれば俺達みたいになれると聞いたぞ？　筋トレは裏切らないそうだ！」
「もやし言うな。体力は昔に比べたら付いたし、運動神経は悪くないんだ。それにしても、夏を満喫……ね。泳いだことない君たちにしては、筋が良くて驚いてるんだが」
「畑に居た頃からのイメトレの成果だ」
「イメトレって凄いんだな……」
　八神は感心しつつ、スイカ男たちに丁寧に泳ぎ方をレクチャーしていった。
　30分も経てば、八神のもとに集まったスイカ男たちは全員泳げるようになっていた。
「よし、折角だからシュノーケリングをしよう。海中に潜ろう」
「おお、海の中がどうなっているか、ワクワクだな！」
　スイカたちも呼吸が必要らしく、一体どういう原理でシュノーケルを装着しているか見当つかなかったが、八神たちは海中に潜りって岩場や海底の生物を観察。
「ウニやヒトデも初めてだろう？　おっと、その透明のやつはクラゲだ。触ると毒があるから気を付けろ」
「お、おう！　ヤガミは動物に詳しんだな？」
「動物が好きなんだ。自宅にも色々と動物を飼っている。みんな可愛い家族だ」
「家族、か……」
　スイカ男たちは互いを見詰め（？）合う。
　彼らにとっては、同じ畑出身の兄弟に当たるのかもしれない。
「よし、ヤガミ！　誰が一番早く到着するか競争だ！」
「おいおい、待てって。どこまで泳ぐつもりだ？」
「あの大きな岩までって言うのはどうだ？」
「ふむ、望むところだ。喰らい付いて泳ぎ切ってみせよう」
　こうして、八神とスイカたちは遠泳を満喫することになった。