【気が早すぎた奴らの主張】
 もうすぐ、寝子島に夏が来る。
 既に青果店では、早生のスイカが並び始めている。
 従業員が明日の特売に備えて陳列を終え、戸締りをしたうえで全員が帰宅した数時間後に異変は起こった。
 何の因果か、神魂がそのスイカたちに憑依してしまったのだ!
 そうだよ、また神魂のせいだよ!
 すると、おお、どうだろうか!
 
真緑の雄々しい筋肉質のスイカ頭の生物が出現!
 しかも何体も湧き出るように出現して、それぞれマッシブなポージングを披露!
 世にも暑苦しい筋肉質のスイカ男たちが誕生してしまった!
 彼等のうちの1体は叫んだ。
「同志たちよ! 俺達だって、夏を楽しむ権利があるはずだ!」
「そうだ!」「その通りだ!」「楽しんで何が悪い!?」
「俺たちは数日後には人間に食べられる宿命! 本来ならば座して宿命を全うするはずだった。しかし! 摩訶不思議な力が、我々に夢を与えてくれた!」
 ビシッィ! ぶるるるん!
 はち切れんばかりの大殿筋を引き締め、岩石のような大胸筋を振るわせて熱弁を振るうスイカ男!
「きっと、この姿はそう長くはもたないだろう。ゆえに、限られた時間のなかで、俺達は夏を先取りするんだ! いくぞぉぉぉぉ!!」
「「イェスッ! マッソゥゥゥゥルッ!!」」
 店舗を飛び出したスイカ男たちは、店のドアを蹴破り夜の海へ繰り出してゆくのだった!
【それはきっと、夏の猛暑より暑苦しい】
「……と、いう予知をみたのです。うっぷ……!」
 らっかみの
ミラ・ペプロメーノはげっそりしていた。
 自身のろっこん『かみさまフューチャー』での未来予知。
 その内容があまりにも野獣めいた暑苦しさを誇っていたのだろう。
「えっと、発生は現時点から4時間後です。スイカ男が出現する青果店に皆さんは待機していてくださいなのです……」
 心なしかミラの顔色が悪い。
 それほどショッキングな光景だったのだろう。
 現場に行くのならば、覚悟をしなければならない。
「店を突き破られる前に、テオさまがセカイを切り離してくれます。ここからは、テオさま、お願いなのですっ」
「やれやれ……。めんどくせぇが、ののこがマッシブなスイカ男たちを目撃して気絶でもしたら大変だからな……」
 
テオドロス・バルツァはろっこん『かみさまクリエイション』でセカイを切り離した後の詳細を君たちに告げた。
「いいか? 切り離したセカイの先は、常夏の南国ビーチだ。そこでてめえらは適当にスイカ男たちの相手をして、夏を満喫させてやれ。そうすりゃ、そのうちにただのスイカに戻るだろうな」
 つまり、予知までの4時間の間に水着を用意して、あとは南国ビーチではしゃぐだけでOK?
「くどいぜ? それだけでいいんだ。ただ、スイカ男たちがウザくて暑苦しいがな?」
 よーし、水着は何を持ってゆこうかな~?
「おい、俺の話を聞けって……ちっ、聞いちゃいねぇな」
「あの、テオさま? ミラも海に連れて行ってほしいのですっ!」
「……暑いぞ? 色々と?」
「……覚悟してるのです!」
 テオとミラが仲良くやっているのは邪魔してはいけないので、此方はスイカ男たちと楽しく海を満喫するとしようか?
            
 
        
概要
・筋肉ムキムキでビキニパンツなスイカ男たちと常夏のビーチで遊びましょう
・水着イラストがない方でも参加は大歓迎です
・何をしてスイカ男たちと遊ぶのか、具体的にアクションに盛り込むとベター
・ただし、『スイカ割り』はNGです(怒ったり逃げたりします)
・食べようとするのもNGです(全力で逃げます)
・スイカ男たちは何故かナニカを飲食することが可能です(かき氷やジュースなど)
・スイカ男たちに夏を満喫させるのが達成条件です
・とはいえ、そっちのけで自分だけ満喫してもOK
・スイカ男たちは放っておくと泳いだり、砂浜でポージングばっかしてます
・テオとミラはそっとしてあげましょう(描写対象外です)
マスターより
残暑お見舞い申し上げます。
乾物こと焼きスルメです。
寝子島はこれから夏本番という事で、今回は何処よりも暑苦しい内容をお届け致します。
うん、またなんだ。
乾物はカオス成分を定期的に摂取しないと生きてゆけない特異体質なんだ……。
皆様の夏を感じさせるアクション、お待ちしております。