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FEAR THE FORCE:夢幻泡影
FEAR THE FORCE:夢幻泡影
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「お茶でも淹れようか?」
と志波武道が問いかけるも、呉井陽太は黙って首を振った。
「俺も……必要ないです」
鴻上彰尋の表情は沈んでいる。
無理もない、と武道は思う。
これまで人生だと思っていたものが、すべて嘘だと知らされたのだ。
陽太はまだ、どこかサバサバとした風だったが、彰尋たるや、死刑宣告でも受けたかのように悄然としている。
かくいう武道とて、とても心穏やかではいられない。
どうやら自分たちは、偽りのなかに生きていると知ったのだ。無理もないだろう。
ここは武道の現在の住居、いわばアジトだ。
三人は合流し、ここで互いの知識と記憶、情報を交換した。じっくり話し合うことで、かなりの部分を明らかにすることができたと思う。土の中に埋もれていた恐竜の化石が、ほぼ全体像を見せたといったところだろうか。
だがこの化石には肝心の頭部がない――そんな状態だった。
「なんというか元の世界のキーみたいなものが、足りてない気がするんだよな」
「わかるよ」
と陽太は眼鏡の弦を押し上げてつづける。
「この世界と本来の世界との決定的な差、いわばここに欠けているものがあると言うんだねぃ?」
「そういうこと。それさえ割り出せたら、この理想的すぎる世界は崩壊に向かうと思うんだ」
「元の世界にあったものであれば、俺たちは覚えていていいはずだわなぁ」
「そのはずなんだけど……」
このとき彰尋が片手を挙げた。
「そろそろ時間ですよ」
「おっと、そうだな」
武道はテレビのリモコンに手を伸ばした。
二三度電源ボタンを押したが何も起こらず、武道がリモコンをテーブルの端にコンコンと当ててボタンを押し直すと、点いた。
歌番組が始まったところだ。
陽太と武道はこの日の出演者――獅子目悠月からメールを受け取っているのだった。
そこに記されていたのは、
『今日の番組を見ろ』
という短いメッセージだった。
しかしそれが、単なる番組の宣伝ではないことは明白だろう。
悠月も感じ取っている。今生きているこの場所が、空虚な架空の世界だということを。武道と話してから、その確信はますます強くなったようだ。
生放送の歌番組、まずはトークのコーナーとなる。進行役であるお笑いタレントと、Reの二人は丁々発止のやりとりを交わしはじめた。
武道と陽太、彰尋は固唾を呑んで見守るが、悠月はとりたてて特別なことを口にしなかった。おもしろおかしく尾ヒレをつけてはいるが、基本はいわゆる営業用のさしさわりのない話ばかりだ。とはいっても語り口が軽妙で、洒脱なジョークもまじえているため場は湧いている。
やがて、
「今、作詞してるらしいけど、どんなイメージの曲なん?」
というありがちな質問が発せられた。
このとき悠月の眼に刹那、きらっと宝石のような光が宿った。
進行役はもちろん、番組スタッフも、それどころか大半の視聴者もこれには気がつかなかっただろう。
「ある女の子の話なんだ」
それはどんな? という問いに答えて、
「実在の人間をモデルにしてる」
悠月は意図的にカメラを正面から見据えた。軽めの笑みを消し、真剣な眼を向けた。
「その子は……空から落ちてきたんだ。彼女は大事なものを落としながらもとても楽しそうで、フツウを、学校生活を楽しみたいと言った。きっかけはその一言、そこから始まる色々な出会いがあったから、俺は、ここにいる」
茶化すでもなく、笑い飛ばすでもなく、しみじみとした口調で進行役が言った。
「詩的やねえ」
「かもしれないね、歌詞だし」
と言ったときにはもう、悠月の表情は元に復している。
やがてトークは終了となり、ステージに向かう道すがら、悠月はそっとパートナーに告げた。
「この続きは、いつか未来で」
まだ彼は目覚めていないのだろう、不思議そうな顔をするばかりだった。あるいは彼も、幻影の一部なのかもしれない。
悠月は薄笑みを浮かべた。思えば短い夢だった。
すでに悠月の記憶はほぼ戻っている。『彼女』のことを話すと同時に、どんどん記憶が流れ込んできたのだった。
だから理解していた。この世界が偽りで、偽りに取り込まれた人間は皆、願ったモノを都合よく手に入れたという幻想を見ているのだということを。ただしこの偽りは脆弱で、あっさりと崩れ去るたぐいのものでしかないとうことも。そればかりかすでに、崩壊を開始しているということすら。
いつか本当に、音楽で成功する日が来ることを悠月は願う。来るはずだと信じる。
けれどそこに至る道のりは、決して平坦ではないはずだ。
少なくともこんな風ではない。誰かに用意された天下じゃ意味がない。あってたまるか。
ステージ中央に立つ。脚光が当たる。眩しいほどだ。
スタジオの客席には、熱心なファンが詰めかけており、Reの姿を見るや爆発的な歓声を上げた。
悠月は静かに息を吸った。イントロが流れ出す。荘厳なその音に、髪の毛の先まで震える気がする。
このとき、進行役がマイクを捨てて逃げ出した。撮影スタッフも続く。
――もう来たのか。
監視ロボット『テオ』が現れたのだ。壁を砕いてまっすぐに向かってくる。そうして、前面についたスピーカーより、見た目の愛らしさとはほど遠い無機質な音声を発した。
「警告。獅子目悠月サン、コレヨリ、アナタノ身柄ヲ拘束シマス。抵抗セズ速ヤカニ指示ニ従ッテ下サイ」
攻撃準備に入ったのだろう、電光のようなものが目の部分にまたたいている。
音響係も逃げたのだろうか。それとも、こんな状況でも歌を流そうという意地があるのだろうか。音楽は止まない。
好都合だ。
悠月はテオを無視し、普段と変わらぬ、いや、普段以上に魂を乗せた歌を唇に宿した。
「音楽活動ヲ中止シ、指示ニ従ッテ下サイ。公王令第1217号ニヨリ、本機ニハ発砲ノ自由ガ認メラレテイマス」
構うものか。
胸に手をあて、腹の底から悠月は歌う。歌い続ける。
ここは既にフツウの外だ
そして、ここにはReの……俺の味方(ファン)が沢山いる。
悠月の脳裏には高潔な騎士が浮かんでいる。甲冑をまとい騎乗で、巨大なランスをかざす姿だ。
テオが電光を発した。しかし攻撃は、見えない障壁によって弾かれた。
悠月だけではない。客席のファンたちも、歌を分かち合う相棒も障壁に守られている。
悠月は内心、舌を巻いた。相棒はまったく動じず、悠月の声にあわせ繊細なハーモニーを聞かせてくれるのだった。ちらと彼を見ると、「わかってるよ」というような目線が返ってきた。
さすがは、と悠月は思う。
俺のパートナーだけある。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
FEAR THE FORCE:変異-METAMORPHOSE
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月09日
参加申し込みの期限
2018年08月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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