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FEAR THE FORCE:夢幻泡影
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迎えの公用車の窓から、朝鳥さゆるはふたりの寝子高生、鴻上彰尋と八神修が対峙し、別々の方向に立ち去るのを眺めていた。たまたま目にとまっただけの光景だ。
けれども得体の知れぬ寒気を感じ、さゆるは片篠藍人の肩に頭を預ける。
「どうした」
「いいえ何でも――」
間もなく車両は、校門の前に停車した。
普段なら短く「今日は早く帰るから」といった言葉を口にするだけの藍人が、今朝は珍しくさゆるの降り際に、彼女の手首をつかんで言った。
「気をつけて」
当然出るはずの「何に?」という問いは、このときさゆるの脳裏には浮かばなかった。
かわりに彼女は、
「わかった」
と返してうなずいたのだった。
校門の前で立ち尽くし、黒塗りの公用車を見送る。
後部シートに収まる藍人の頭が見えなくなるまで。
さっき登校したばっかりなのに、と桜庭円はいぶかしむのである。
「なんでもう、お昼休みになってるわけ?」
時計はすでに12時と15分、どの教室の前を通っても、みな弁当箱を開けたり、学食や購買に向け走り始めたりしている。
しかし円にはまったく午前中の授業に関する記憶がないのだ。小山内海にも。
校門をくぐって教室に入ったら、もう昼休みなのだ。何がなにやら。
時計が狂っているのでなければ、世界が狂っているのだろう。円が詠寛美の変貌に驚いたとたん、世界がつじつま合わせを放棄したように思う。
「おかしいよ、絶対」
『そんなに変かな?』
と返す海のほうはいたって落ち着いたものだ。
『ほら、光陰矢のごとし、って言うじゃない?』
「いや、なんか、そういうレベルじゃなくって」
そのとき円と海の前を、女子生徒の集団が横切っていった。
ちょっとした団体旅行客みたいな賑やかさだ。その中央には、例の白い制服を着た詠寛美の姿がある。やはりお嬢様然としていて、まるっきり別人としか思えない。
「ま、いいや。それより調査調査」
ちょっと待って、と円は大きな声を出した。
足を止めた寛美につかつかと近づいて、
「寛美ちゃん、おひさー!」
うんと元気に声をかける。
すると寛美はその3分の1にも満たない声で、
「ごきげんよう」
と春の木漏れ日のように返すのである。いささか不躾な円の挨拶だったが、まったく気にしていないらしい。
やっぱりおかしい! 円は声を上げた。
「気持ちわる! んんんん? なんか軟弱になってない?」
「ちょっとあなた、なんですのその暴言は! 聞き捨てなりませんわ!」
寛美と円の間に、ぐいと剣崎エレナが割って入った。彼女は眉のすべてを使って『私怒ってます』というメッセージを発している。
ところがそのエレナをやんわりととどめて、またもにこやかに寛美は応じた。
「軟弱ですか。ええ、わたくしも、もう少し強くありたいと思ってはいるのですけれども」
すごいなあ、と、はたで見ていて海は感心せざるを得なかった。ほぼ一方的に難癖をつけられている状態だというのに、寛美は嫌な顔ひとつしない。
それだよ、と円は言う。
「そこがおかしいんだよねえ……何その毒のない感じは! つまんないじゃんそんなん!」
「つまらない、ですか?」
「そうだよ」
円は腕組みした。
「僕の知ってる寛美ちゃんはちゃんはもっとエキサイトで、短気で愉快だったんだ! そんな人形っぽいのちゃうんやで!」
「だとしたら申し訳ありません」
と、寛美はすまなさそうな顔すらするではないか。
ええい、こんな問答続けてても意味ないな。
円は心を鬼にした。もはや訴えるべきは腕力のみ!
「おらぁ! 目を覚ませ!」
繰り出す拳は左フック! シャープに寛美の顎を狙いにいく。クリーンヒットすれば外傷を付けず気を失わせることくらいできるはずだ。
しかし拳は予想外の位置で止められた。
反射的に寛美が右腕を上げ、肘で攻撃をガードしたのだ。ほとんど空手の演武に近い。ほれぼれするほどしっかりと止めている。しかも即座に空いたほうの手で、円の腹部に突きを入れられる絶妙の角度ではないか。
驚いたのは円ばかりではなかった。
「えっ!」
寛美自身が、無意識のうちに出た動きに驚いている。
これって――。
海は振り向いた。窓の外に気配を感じる。
――いわゆる暴力行為、ってことだよね?
即座に海はスケッチブックを取り、
『円ちゃん!』
と大きく書いたページをめくってみせた。
外の陽射しが遮られた。
廊下の窓ガラスの向こう、黒い影がこちらをのぞき込んでいる。
気球だ。猫の顔をした。
円は飛び上がって叫ぶ。
「ぐあああ! テオバルーンさん違う、違うんですぅ! 戯れ、戯れただけじゃないですかぁ! 幸福、幸福ですよ!」
縄跳びの縄なしで『あやとび』をするように、バタバタと両腕を交差させぴょんぴょん跳ぶ。
海もスケッチブックを開いて弁明メッセージを殴り書きしはじめた。
このとき寛美が動いた。
彼女はテオに向かって深々と頭をさげたのである。
「ご迷惑をおかけしました、テオ様。なんら問題のないレクリエーションですから」
よかった、というように海は胸をなで下ろすゼスチャーをした。
寛美の説明に納得したのか、気球のテオはゆらりゆらりとその場を離れたからだ。
さすがに恐ろしかったようで、エレナも取り巻きたちも金縛りにあったように動けない。この隙に、とばかりに海は円の手を引いてそそくさと立ち去った。
そのまま海は、円を空き教室に引っ張り込む。
円に着席を身振りで命じると、海はこう書いたスケッチブックを突きつけたのである。
『円ちゃんが疑問をもっていたのはわかるけど、だからといって、殴りかかるのはダメだよ!』
「面目ない……でも、おかげで僕、正気に戻ったよ」
『正気?』
「そう。この世界がインチキだってことがわかったんだ。海ちゃんだってもう気付いてたでしょ?」
海はひとつため息をつき、筆を走らせた。
『実は、そう』
「面白いよね、みんな理想の自分になってる。夢をかなえたり、外見や性格を一変させたり……でも僕と海ちゃんはほとんど変化なかった。それって、僕らが元の状態で十分満足しているってことなのかな」
『かもね』
「変わらず僕ら、友達のままだし」
海はなにも書かず、ただ微笑みを返した。
「もしかしたら満足してる人もいるかもしれないけれど、やっぱりこれはおかしい。猫じゃなくて気球のテオに、始終見張られてる世界なんてまっぴらだよ……僕ら目が覚めちゃったからには、この気持ち悪い世界をなんとかしなきゃいけないよねえ」
「まったくだ」
と声がして、ガラッと引き戸が開いた。
「俺ももう、やってらんねえ」
詠寛美が立っていた。
「なんだよこれ、全部インチキじゃねーか!」
白い制服、黒いベルトという上品な制服姿なのに、彼女は両袖を強引に肩までまくり上げている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
FEAR THE FORCE:変異-METAMORPHOSE
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月09日
参加申し込みの期限
2018年08月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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