this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
FEAR THE FORCE:夢幻泡影
<< もどる
1
…
19
20
21
22
23
…
49
つぎへ >>
藤堂 静
が姿を見せるや、黒い軍楽隊のような制服を着た左右の兵は素早く正式の敬礼をした。そして道を空ける。
廊下の突き当たりは一枚のドアだ。壮麗な扉だがノブはついていない。
ようこその一言もなく、扉は目の前から消失した。非実体化したというのが正しい解釈らしいが、静はその詳しい原理を知らないし、興味もない。
この無愛想さにも、慣れた。
むしろ、いちいち執事みたいなのが出てきて、格式張った出迎えをしてくれるほうが迷惑というものだ。
夏の宮殿。公王が設けたこの一室は、先端科学の粋を集めた謁見室や会議室とは正反対ともいえる、古典趣味(オールドファション)の極みにある。
年代物のステレオに、マホガニーのバーカウンター、スツールもまたグッドオールドな米国製で、カウンター裏の棚に並ぶボトルも、古き良き時代をしのばせるものばかりだった。
「お待たせしました」
黒い蝶ネクタイの位置を直し、静はカウンターの向こう側に回った。
「待っていた」
背を丸め気味にした男が、よじ登るようにしてスツールに腰を下ろす。
回転するビニール盤にレコード針が乗ると、ぶつっという心地好いノイズにつづいて、丸みを帯びた音楽が流れ出す。うんと古いジャズだ。今ではとうにパブリックドメインになっているような。
しかしその軽妙にしてスリリングな演奏、とりわけピアノの心地よさは、録音された当時からいささかも古びてはいないのだった。
香川王堂、寝子島の公王である。
年齢(とし)はまだ四十に達していないだろうに、王のたたずまいはまるで老人だ。目の下には黒い熊があり、肌は土色をしている。昨年ごろのニュース映像と比べても、髪に白いものが目立っていた。
「このレコード、好きだな。アーティスト名を忘れていて、先日は見つけられなかった」
「『デューク』とあだ名されるミュージシャンです」
「Duke(公王)か」
王堂は唇を歪めた。皮肉めいた笑みだが、気に入ったようだ。
静は薄笑みを浮かべシェイカーを取り出す。
「今日は何を作りましょうか」
「任せるよ」
とだけ王堂は言い、あとは黙って、『デューク』の音楽に耳を傾けた。
バーテンダーとしての静のキャリアは、小さな店を開業したところから始まっている。
やがて静の技量は評判を呼び、公国一のバーテンダーと呼ばれるようになって久しい。いつしか自分の店だけではなく、大きなパーティなどから出張バーテンダーの依頼を受けるようになった。その規模も企業の新製品発表会程度だったものが、国賓の歓迎会に至るまでそれほど時間はかかっていない。
そんな静が奇妙な依頼を受けたのは、二ヶ月前のことだ。
ある政府高官の私邸で一夜のバーテンを務められないか、という話である。
しかもその高官はたった一人なのだという。
不審より好奇心が勝った静が、案内された『私邸』こそ夏の宮殿だったというわけだ。
前任者は心を病んでこの役目を辞したという。どれほどの暴君、専制君主や独裁者のたぐいがあらわれるかと思いきや、王堂は物静かな、言葉少ない男だった。ひどく疲れているように見えた。身体は健康だと言っていたが、実際のところはわからない。
静も多弁ではないため、むしろやりやすいと思ったほどだ。
以来静は、週に一度のほどのペースで、孤独な王と相対している。
「それでは、初披露のオリジナルカクテルをお作りします」
王はうなずいた。
静は手早く、むらのない動きでシェイカーを振った。
ショートグラスに注ぐ。
透明度の低い乳白色のカクテル、ココナッツの甘い香りがする。
「ありがとう」
公王は一口した、うまい、と言って飲みすすめる。
見た目通り口当たりは柔らかく、しかし意外なほどにしつこさはない。ココナッツ系のさわやかな甘みの中に隠された、微かなハーブの苦みが忘れがたい後味となった。舌の上で転がせば、記憶にはあれど名を思い出せぬ花の香りが、すうっと鼻を抜けていく。
タールの海に漬かっていたような王の顔に、笑みに似たものが姿を見せた。
「おかわりをお願いするよ」
思い出したように付け加える。
「カクテルの名は?」
静は告げた。
「『アムリタ』です。陛下」
リズムを取るようにテーブルを打っていた香川の指が止まった。
上目遣いで静を見る。
「失礼。よく聞こえなかった。いま、何と言ったかな?」
今まで静が聞いたことのないような口調だった。
<< もどる
1
…
19
20
21
22
23
…
49
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
FEAR THE FORCE:夢幻泡影
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
前回シナリオ
FEAR THE FORCE:変異-METAMORPHOSE
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
21人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月09日
参加申し込みの期限
2018年08月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!