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仮のちぎりを いかで結ばん
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思いを同じくする生徒たちがまとまり、代表者が決まったところで、ついに会議は本格的に進み始める。用務員室を預かる
長南 武治
は忙しい時間で不在。
森 蓮
が議事進行、唯一の成人である獣医の
日月 透
が監督を務める形となった。
おさげの少女が最初に立ち上がる。生物部部長の
屋敷野 梢
だった。梢が口を開くと、ふんわりとした雰囲気を裏切る、はきはきとした言葉が飛び出した。
「生物部です。まずは、保護の場所を移すのはどうでしょう。私たちは部の飼育小屋の一部を提供します」
(水があふれる不思議な鳥、時間が許せばじっくりと研究してみたい気もするけど……)
少しマッドな美野梨の想像をよそに梢の発言は続く。
「餌の管理など、飼育については部が担当しますが、お世話を希望する方がいればどなたでも! 鍵はナンバーロックに交換しようと思います。世話係にだけその番号を周知する感じにします」
口を挟んではならない、と言うルールを守り、誰も梢の話に割って入ることはない。梢は生物部の総意として、以下のことを伝える。用務員室より野外にある飼育小屋の方が広く、自然に近いこと。万一ちぎりが騒いでも授業を妨げる可能性は少ないこと。人目があれば、ちぎりの異変に気づきやすいこと。
「万が一の場合を考えて、人の出入りは厳しく管理します。出入り口にはノートを設置して、氏名と所属、その本人の出入りと、ちぎりの連れ出しの日時もはっきりとさせます。『ひと』にはちぎりは腕をケガしてるってことで通しましょう!」
よくもこの短時間でまとめ上げたものだ。梢のプランは設備の準備さえ整えば、すぐに採用可能なものとなるだろう。
「最後に私個人の意見を。可能な限り、早く野外に戻してあげたいです」
発言を終えた梢は振り向き、美野梨にうなずく。美野梨は補足として自分の意見を述べた。
「鶏とは違う、飛べる羽を持って生まれてきたカラスだから、カラスらしく生きてほしい。あふれる水については、紙の使用を控え、雨樋みたいなものを設置するのはどうかしら」
「ラッセルは? 何も発言しないのか?」
「ああ。生物部の意見は部長が言う通りだ。全員でしゃべったら時間が延びるだけだろ」
ラッセルは
逆巻 天野
の問いをさらりと交わす。彼のやりたいことは、意見の発表ではなくて行動にある。代わりに再度梢が発表を行った。
「ええと、この案はもちろん、一週間が限界です。どっちみち学校の敷地内ですから……。それ以上の期間続ける場合は、保護の許可が出ていればの場合になるのですが」
「許可、出ない、と、思い、ます」
おずおずと手を挙げた
緋紅朱 赫乃
の細い声。身を縮めながらも精一杯発言する。
「市役所、行って、みました。県にも、保健所、にも、問い合わせ、ました。で、でも、」
赫乃の頬が緋の髪のように高潮する。恥ずかしさのためではない。昨日のことを思い出すと、あまりに辛く、悲しいからだ。
「野鳥は、保護、しては、いけないって。カラスだって、言うと、どこも、なんだ、カラスかって、態度で」
発言を押しとどめようとするものもいたが、蓮は首を振って制する。ルールからは外れているが、赫乃が大切な発言をしようとしていることは理解できたからだ。ここで止めてしまえば、彼女はこの会議で二度と意思表示をしないだろう。
「カラスは、害鳥、だからって、放って、おけって……見殺しに、」
「赫乃殿」
一人の女生徒が立ち上がった。
「見殺しに、するのが、法律、だって……!」
涙で前が見えなくなる。息ができない。
「赫乃殿!」
赫乃は
大田原 いいな
に抱きしめられていた。あたたかな腕になぐさめられて、赫乃ははらはらと涙を流す。
「よくわかった。赫乃殿はひとりで、そこまで心を痛め、心を砕いてくれていたのじゃな……」
バラの香りのする髪をひとなでして、いいなは聴衆をきっと見据えた。決意に満ちた言葉がその場を打つ。
「……学校で飼うのは断じて許さん」
「大田原さん。同じ意見の方とお話をまとめてから」
「いいや言わせてもらう。これが『ろっこん』かどうかは知らぬが、神魂のしわざであることは瞭然であろう。このまま人の世話を受けてみよ。ちぎりは餌の取り方すら忘れてしまうじゃろう。万一今の状態が治ったとして、野性に返されて生きていけると思うのか? 飢えて死ぬか、思い余って人を襲うようになるやも知れん」
だからそうならないために……と誰かが言うが、その声すらいいなの怒りを殺すことはできない。
「カラスの寿命は10年余り。知能も高いと聞くぞ、犬や猫とも同等じゃ。飼うとなったら、生をまっとうするまで面倒を見切ることが絶対じゃぞ。……儂らが卒業したら誰が面倒を見るのじゃ! 先々の後輩が、己の時間を犠牲にしてまでちぎりを見ると断言できるか? 無責任じゃとは思わぬか!」
凛とした叫びは、どこか嗚咽のように聞こえる。答える者はなかった。
「……すまぬな。ルール違反をしてしもうた。退場させてもらう」
うつむき、出て行こうとするいいなの手がぎゅっと握られ、その場に引き戻された。先ほどまでか弱く涙を流していた赫乃が、すがるようにいいなを見つめている。
「大田原、さん。……だめ。行か、ないで」
赫乃は保護を願い、いいなは強く野生への回帰を唱えた。だが、意見の向く先は異なっていても、二人の傷ついた鳥を思う気持ちは同じだった。誰も間違ってはいないのだから、一人で行かないで。赫乃は少ない言葉とまなざしで必死に伝える。
(まこと不思議な娘子じゃ。かなわぬな……)
いいなは以後一切、発言者を妨害しないことを約束にその場に残った。隣に座る赫乃はしばらく、その手を話そうとはしなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月25日
参加申し込みの期限
2013年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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