猫もいいけど、ペンギンもね？｜リアクション

猫もいいけど、ペンギンもね？

【水浴びをしよう】

　白真白はマンボウくんの放送後、寝子島中のペンギンたちを眺めて愛でていた。
「ペンギンさん可愛いなー。最初、マンボウくんの放送を聞いたときはどうしたことかと思ったけど、ペンギンさんだっておもいっきり町で遊びたいときくらいあるもんね。よーし、私も一緒に遊ぶぞー」
　決意を新たにした白の元に、数羽のペンギンたちが駆け寄ってきた。
「おや、君たち、私と遊びたいのかな？」
　数羽は一斉に鳴き声を上げる。
　白の言葉を肯定するコウテイペンギンであった。
「そーかそーか、よーし一緒に遊ぼうか」
　再びコウテイペンギンたちが肯定する。
　白は両手にペンギンたちのヒレを握って仲良くお散歩を開始。
「さてまずはどこに行こうか？　やっぱりペンギンだから好きなのは魚なのかな？　それともこう暑いし、冷たい水のある所がいいのかな？　君はどっちに行きたい？」
　先頭をゆくペンギンに白が尋ねると、水を浴びるような仕草をしだした。
「そっか、涼む方がいいかー。よし、それじゃ涼みにいこっか？　海とかプールでもいいけど、人多そうだよねぇ」
　うーむ、と白は数秒考え込んだのち、名案を閃いた。
「そうなると、ここは水風呂にしよっか！　うちに案内するよ」
　こうして、白はペンギンたちを自宅に招待する事にしたのだった。

「ここ。とーちゃっくっと！」
　既に汗だくの白は、そのまま風呂場へ直行。
　湯船に水を張り、準備万端。
「ちょっと待っててね、服脱ぐから」
　来ているワンピースを脱ぎ去り、豊満な胸を支えるブラジャーも取り去った。
「あとはオムツも外して～っと」
　過去に遭った事故の後遺症により、彼女は常にテープタイプの紙おむつをあてている。
「歩いてる間に結構しちゃったし、これはもう限界だね。歩いてる間もぐしょぐしょで蒸れて気持ち悪かったし。出たら新しいのにしないと」
　オムツを器用に丸めてゴミ箱へ捨て、一糸まとわぬ姿でペンギンたちの前へ白が戻ってくる。
「よし、お待たせ。それじゃ、はいろっか」
　ペンギンたちが白の豊満な胸に抱き寄せられながら水を張った湯船の中へ。
　ひんやりとした水の感触に、ペンギンたちはもちろん、白も思わず声が漏れてしまう。
「あぁ……、冷たくて気持ちいいねぇ～。君たちも気持ちいい？」
　ペンギンたちはまるで歌うように水の中で鳴き声を上げる。
「そっか、それならよかったよぉ～」
　すいすいと水の中を羽ばたくように動き回り、白の肌を掠めてれば「くすぐったい～」と彼女が身じろぐ。
「涼んだらまた出かけよっか。今日は楽しくなりそうだよ～」
　６月某日。
　寝子島は本日、ペンギンデー。
　まだまだ、ペンギンたちとの思い出はいっぱい増えそうな予感だ。

＜了＞

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