携帯戦記カプセルギア　ねずみ帝国の侵略者！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　ねずみ帝国の侵略者！

【潜入、ねずみ帝国！】

　まずは開口一番。漁良太と鈴島クミが、とっても当たり前で常識的なことを言いました。
「つーかさぁ。そんな危ないモン、携帯に入れちゃダメだろ」
「そうだよ！　簡単にネットに接続できる状態にしといたらダメだよ！」
「だってデータ取りとかに便利で……う、うるさいなー！　そのうち消そうと思ってたんだよぉ……！」
　事のはじまり、海堂洋子はタジタジです。まったくもって、ごもっともなのです。
　洋子ちゃんの幼なじみ、牧雪人も無表情に言いました。
「ヤーイ。オコられた」
「うるさい、MAKIYUKI！　へへん、今日はこれだけの戦力を揃えたんだ、キミの出番は無さそうだな！　大人しくお茶くみでもしていたまえよー！」
　ハイハイ、と雪人は肩をすくめて、部屋を出ていきました。
　ここは海堂家、二階にある洋子ちゃんのお部屋です。くちゃくちゃに物が散らかりまくった汚い部屋のなかには、彼女によって集められた十数名のギアマスターたちが集まっています。
「……ちょっときつくない？　大丈夫かな？」
　瀬名由枝が気づかわしげに言ったとおり、特別広くもないふつうのお部屋なものですから、そんなに人が入ってはきつきつのきゅうきゅうです。少し動いたらおしりや肩がふれあってしまい、由枝はちょっぴりどきどきしてしまうのです。
　そんな彼へ、仙藤蒼はにこりと笑いかけました。
「ま、大丈夫よきっと。皆の連絡も密にできるし、これも有効な戦術ってわけね」
　確かにこれなら、カプセルギアで家のあちこちを探索しながらも、すぐに作戦を確認しあうことができるでしょう。なにしろずうっと顔を突き合わせているのですから。
　そんなわけで……対A.I.C.O.用プロトタイプウィルスでパンパンな洋子のスマホを取り返し、家中に巣くうねずみたちをどうにかするべく、作戦開始です！
「喋るネズミ！　トワも見るマスー！」
「はいはい。では皆さん、まわりをご覧ください」
　はしゃぐトワ・E・ライトフェロゥの頭をぽむぽむしながら、猫屋敷姫がみんなに言いました。
「こんなところやあんなところのゴミをどけてみたら、ほら。部屋の壁のあちこちが、穴だらけ」
「うわっ本当だ、こんなに！？　おのれねずみどもめぇぇぇ……！」
「皆さんはきちんと部屋を掃除するか、猫でも飼いましょう。とはいえ今日のトコロは、これらの穴からカプギアを侵入させましょう。なにがあるか分からないので、３班くらいに別れて、固まっていくと良いんじゃないですかねー」
　憤慨する洋子ちゃんは置いといて、てきぱきと班分けを行い、主に床下を探索する班、壁を担当する班、天井裏を確認する班と分かれることになりました。
　源竜世は気合十分！　ぶおんと腕を振り上げて、
「よーし！　そんじゃ行くぜー、みんな！　がんばろうな！」
「待て竜世、なぜお前が仕切ろうとするんだ……！」
「まーまー、細かいことはいいじゃん」
　むすっとしたタイラ・トラントゥールにけろりとした顔を見せ、A.I.C.O.を起動。
　それぞれのカプセルギアが動き出し、みんなはギアマスターの顔へと変わってゆくのでした。いざ、潜入開始！

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