まるで探偵が謎解きを始める時のように――恐らくはまったくそのつもりで紡がれたすばるの言葉に、ブリジット・アーチャーはひょいと肩を竦めて見せる。こちらはどちらかと言えば、相槌を打ってあげている風情。
そんなブリジットと、相変わらず辺りを興味の赴くままに撮影しながら目顔で先を促してくる神野 美野梨に、どうだろうね、とすばる曖昧な返事をした。それは『I have no idea.』ではない。
何となく、予感はある。けれどもそれは俄かには言葉にならないし、言葉にしてしまっては無粋という気もする。
そのまま何かの始まる予感を孕んで進んでいけば、やがて『その場所』へと辿り着くのは必然だった。終着地点、この『冒険』の終わる場所。