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あなたの財布に10万円!
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ミラ
の話を聞き終えて、
柏村 文也
は「ふむ」と顎に手を宛がう。
「さてと、増えた10万円はどうやって使い切ろうかな」
最初に頭に浮かんだのは、古書の仕入れだ。
古書を買うのに充てれば10万円なんてあっという間に吹き飛ぶし、どころか、
(むしろ、ものによっては足りないくらいだが……)
考えながら、手近の本の表紙をそっと撫でる。
その手触りを心地良く感じる中で、あることを思い決める文也。
(神魂の影響で増えたお金だし、形の残るものに使うのはやめておこう)
となれば、と、首を巡らせたところで、具合良く、
津島 直治
が顔を出した。
「お、タイミングがいいな」
「? 何の話? それより、家の食材がなくなってきたから、代わりに買い物にでも行ってこようか?」
直治の言葉を耳に、文也は「良いことを聞いた」とばかりに口の端を上げる。
「食材がない? それは益々タイミングがいい」
「……叔父さん、何言ってるの?」
「そのまんまの意味だよ。ナオ、今日は外に美味しいものでも食べに行こう」
敢えて大袈裟な感じに両手を広げて文也が宣言すれば、
「……へ?」
と、突然のことに、直治は目をぱちくり。そんな直治の驚きを他所に、
「うーん、肉か魚か……和食か洋食か……」
なんて、文也はどこか楽しげに首を傾げて思案に浸る。
「……よし、決まった! ナオ、早速行こう!」
「え、ええ……?」
言うや、そのまま出掛ける準備を始めた叔父を前に、ぐるぐると考える直治。
(そんなお金どこから……って気にするの、子どもらしくないんでしょうか)
そのまま思考の渦にはまり込んでしまいそうな自分に気付いて、緩く首を横に振る。
(きっと、その辺のお店でしょう。安くて美味しいお店でも、見つけたのかも)
だがしかし、直治のあては見事に外れた。
文也が直治を誘ったのは、いかにも高級そうな構えの店だったのだ。
ここだよ、と叔父に言われた店を見上げて、それから店の前の料金表を見て、
「叔父さん、どこまでが本気?」
なんて、直治は文也へ訝しむような眼差しを遣った。
文也が、軽く肩を竦める。
「勿論、全部本気さ」
「でも、バイキングのこの値段……。叔父さん、そんなお金あるの……?」
探るような視線の中には、当然のような顔をして、文也を案じる色も居座っている。
(お子様が心配することかね)
とは内心に思いながらも口には出さず、文也は、
「俺は錬金術師だからね」
なんて、冗談めかしてからりと笑った。
見え透いた嘘を受けて、直治の表情が、益々複雑なものになる。
(錬金術……いや、そんなわけ……)
何やら真剣に考え込んでいる様子の甥っこを目に、文也は「降参だ」とばかりに小さく両手を上げた。
「悪い悪い、錬金術師の仕事は今日は休みだよ。神魂の影響でね、財布の中身が増えたんだ」
「あ、なるほど、神魂の影響で……そういうこともあるんだね」
「うん、あるみたいだね」
直治が納得したように頷くのに、文也は内心に小さく息を吐く。
(下手をすれば世界の経済が破綻してしまう、なんて聞いたら、食事の味がしないだろうからね)
尤も、詳しく追及されてものらりくらりと誤魔化すつもりだったのだが。
「さてさて、謎が解けたところで中に入ろうか。ここは、パーッと使っちゃおう!」
店内には、きらきらしいような料理の数々が、澄ました顔をして並んでいる。
(バイキングなんて滅多にこないので、何を食べたらいいのか迷ってしまいます)
肉か魚か、なんて次元ではない。
肉料理だけ、魚料理だけで何種類ともなく用意されているのだ。
悩んで悩んで悩み切って、直治は「えいっ!」という気持ちで皿を埋め、文也の向かいの席に腰を下ろした。
「何を取ってきたんだい?」
「……とりあえず、目についたお肉とお魚と……デザートを一通り」
「お、そのローストビーフ、目の前で切り分けてくれるやつだな。どうだった?」
「なんか、すごく緊張した……」
「そっちは……サーモンのマリネか。彩りが綺麗だね」
「うん。デザートも、こんなに種類があるとは思わなかった」
「俺も後で取ってこよう。あ、そのメロンのショートケーキ、覚えておかないと」
言って、文也はころころと笑う。
笑いながら――直治がサーモンのマリネを口に運ぶのを見遣って、そっと目を細めた。
(普段は、俺が手の込んだものを作るのが面倒だから、簡単な料理しか作ってないんだよな)
直治が、その大きさにちょっぴり悪戦苦闘しながら、ローストビーフを頬張る。
文也は、そんな甥っこの様子を、柔らかな眼差しをして見守った。
文也の視線に気付いた直治が、「何?」と目だけで問う。
「いや何、いつも俺の料理だと飽きるだろ。ナオは育ち盛りなんだからたくさん食べな」
ふと、直治の手が止まった。
少しだけ俯いて、直治は、ぽつりぽつりと音を紡ぐ。
「叔父さん、料理、どれも美味しい」
「うん、それは良かった」
「……けど……叔父さんの料理のほうが、俺は好きです」
「……へ?」
今度は、文也の方が瞳を瞬かせる番だった。
ふと顔を上げた直治は、鳩が豆鉄砲を食らったような顔になっている叔父を見て、
(私、何かおかしなこと言ったでしょうか……?)
なんて、きょとんとして首を傾ける。
直治の反応に気付いて、文也はかんばせに、ころりと常の笑みを乗せた。
けれど、胸の内には、くすぐったいような温もりが溢れている。
(俺の料理の方がいいだなんて、直治にそんなことを言われるとは思わなかったな)
意外な言葉が、ちょっと、いや、結構嬉しい。
「さーて、小海老のカクテルのおかわりでも取ってこようかな」
ナオにも持ってきてあげよう、と、文也はいつもの調子で立ち上がった。
「あー、まだお金あまってるな」
支払いを終えた文也の言葉に、直治は思わず「えっ」と声を漏らした。
「うん? ナオ、どうした?」
「まだあまってるって……叔父さん、財布の中身、どれだけ増えたの……?」
「そうだな……このあと、食材の買い出しに行けるくらい?」
「あ、そうだ。食材がなくなってきてたんだった」
言って、少し早足で歩き出した直治の後ろを、文也はゆるりと歩く。
(……残りの分は珈琲豆と、)
――あとは、直治にうまいもの作ってあげられるように、ちょっといい食材でも買おう。
そう思えば、自然、足取りが弾むような心地がした。
一方の直治もまた、このあと向かう食料品店で、
(……たまには私も、叔父さんに料理を作ってあげようかな)
なんて、食材を吟味しながら、ぼんやりと考えることになる。
「ナオ、何が足りなくなってたんだったっけ?」
「色々。俺が覚えてるから、心配しないで」
「それは頼もしいな」
何気ない言葉を交わしながら、2人は、それぞれの歩幅で同じ道をてくてくと辿った。
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あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
10万円の使い方にPC様方の個性が素敵に滲んでいて、
執筆に当たりながら、私だったらどう使うかな? なんて考えてしまいました。
皆様の個性に溢れる時間が、心に残るものになっておりましたら幸いです。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました!
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担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年07月23日
参加申し込みの期限
2018年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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