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【創立記念】B☆Iトリエンナーレ!
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金ぴかカードの届いた剣道部トリエンナーレ出場者は、くじびきによって決められた。
――え~!? なんであたしなの?
出場権を引き当てたのは、人の注目を浴びることが何より恥ずかしい
伊藤 佳奈
。
――やり直しを要求するよ!
何度言っても、要求は通らなかった。がんばれがんばれと剣道部の皆に送り出された佳奈は、青い瞳をどんよりと伏せて講堂へ重たい足を進める。
(こういうのはお母さんの専門分野だよ~)
思い浮かぶのは、関西出身で明るくノリよく、時々自分の姉妹に間違われるほど若々しい母親の笑顔。コスプレイヤーでもあり、去年のトリエンナーレでアダルトパート女性部門だって受賞した母であれば、今回の出場だってきっとふたつ返事で張り切って衣装を用意したに違いない。
(あたしは、……)
部室で着替えて来た剣道着を見下ろす。部の仲間に持たされた竹刀を見遣る。
(お母さんみたいにはなれないよ)
それでも、部の皆に任されたからには出場しなければ。衆目を集めることはとんでもなく恥ずかしいけれど、考えただけで頭から火が吹きそうだけど、
(仕方ないよねぇ)
部室棟から離れ、お祭りに賑わう校舎をとぼとぼと歩いて会場である講堂に向かう最中、
「佳奈?」
ひとつ年下の遠縁、
伊藤 美緒
の声を聞いた。
「あ、美緒ちゃん……」
「どうしたの道着なんか着て」
ツインテールに結った黒髪をぱたぱたと揺らして駆け寄ってくる遠い親戚の女の子に、佳奈はたれ目なまなじりをますます下げて弱々しく微笑む。
「剣道部に金色カードが届いちゃって」
「もしかして出場するの? 上がり症の佳奈が出たってしょうがないのに」
弱いところを的確に突かれ、佳奈はうっかりその場に座り込みたくなる。
「どうしよう、美緒ちゃん」
「ま、せいぜい笑いをとりなさいな」
「少しは励ましてよ~」
「仕方ないわね」
背中を丸める佳奈の背を、美緒は力いっぱい叩く。
「美緒が応援してあげるから頑張りなさい!」
ほら行った行った、と何度も背を叩けば、佳奈はしょぼくれた顔で講堂へと足を向けた。
「ノロノロしない! さっさと行く!」
「ひゃい!」
肩を震わせ道着姿で駆けて行く佳奈を見送り、美緒は今の今まで堪えていた笑みを満面に浮かべる。
(お姉ちゃんが出場!?)
興奮に頬を上気させつつ、実は大好きな佳奈お姉ちゃんの後を追うように講堂へと向ける。
(そう言えば去年は佳奈のお母様が制服で入賞したって言ってたっけ)
トリエンナーレの話を聞いたときは、この学校は変わった行事が多いわよね、くらいにしか考えていなかった。面白ければそれでいいんだけど、と軽く思っていた。一応見ておくくらいはしておこうかしら、と。
けれど佳奈が出場するとなれば話は別。
(これは応援するしかないわね!)
「続きましては剣道部、伊藤佳奈さん! どうぞ!」
「ひゃい!」
バニーガールな姿した進行役の呼び出しに、舞台の表まで響く佳奈の声が応じた。客席に満ちるざわめきの中にも佳奈お姉ちゃんの聞き分け、美緒は頬を緩める。呼ばれた途端にきっと飛び上がっているに違いない、緊張しきった佳奈の姿を思い浮かべつつ、美緒は潜り込んだ客席最前列でスマートフォンのカメラアプリを起動させる。
滅多とない佳奈の晴れ姿、たくさん写真に収めよう。動画もできるだけ長く撮っておこう。
(きゃー!)
待ちに待った佳奈お姉ちゃんの出番だというのに、佳奈の姿はなかなかステージに現れない。
「緊張してる? 大丈夫、ステージに立ってしまえばこちらのもの! さあ、どうぞー!」
進行役のバニーに呼ばれ引っ張り出され、舞台に否応なく出て来させられた佳奈は、
うつむけた顔は真っ赤、手にした竹刀は胸の前に心許なげにぎゅっと抱き、猫背でもじもじいじいじ、晴れ舞台に情けない姿をさらす始末。
(ちょ、)
佳奈お姉ちゃんの姿に、美緒は焦る。
(いつもの見事な姿勢はどうしたのよ!)
練習試合のときに対峙する佳奈はあんな姿勢はしない。もっと真直ぐ背筋を伸ばし、凛々しい瞳で見据えて来る。それがどんなに格好いいか、皆に見せてあげられると思っていたのに。
――うう、恥ずかしいよ~
佳奈の心の声を聞いた気がして、美緒は歯噛みする。
(恥ずかしがってる場合じゃないでしょ!)
上がり症なのは知っていたが、まさかこれ程ひどいとは知らなかった。
(これはもう)
発破をかけるしかない。
スマホを握りしめ、美緒は舞台の端から一向に進んで来ず、下手すれば立ち竦んでしまいかねない佳奈を見据える。
「ちょっと佳奈!」
なるべく生意気に聞こえるよう、緊張しきった佳奈の耳にも届くよう、出来る限り声を張る。
「何よそのへっぴり腰は! シャキッとしないと小さい頃の恥ずかしいエピソード全部ぶちまけるわよ!」
叫ぶ美緒の声は、
(え~!? 恥ずかしいエピソードって何!?)
緊張でガチガチになっていた佳奈の耳に、きちんと届いた。
(美緒ちゃんとの思い出に特にそういうのは無かった筈)
美緒から掛けられた衝撃の言葉に、佳奈は舞台に上がっていることも咄嗟に忘れて記憶を辿る。
(でもあたしが忘れてるだけ?)
そうかもしれない、と思った途端、人目の多さにのぼせ切っていた心が逆にスッと冷えた。こんなところで、そんな話をされて堪るものか。
(もう! こうなりゃヤケだ!)
胸に熱く溜まっていた息を吐き出す。涙が滲むほど見開いてしまっていた瞼を思い切って閉ざす。見なければ視線を気にする必要はない、
(筈!)
ひとつ、深呼吸をする。瞼の暗闇の中、歩き始める。
胸の轟きが鎮まれば、混乱気味の心を凪がせることができれば、
(自分の歩幅で端まで何歩かは、分かる)
それは、幼い頃から身体に叩きこんできた剣道の足捌き。
正しい姿勢は、正しい故にそれだけで美しい。佳奈はそう信じている。だから他に何をする必要もない。
子どもの頃から培った『正しい姿勢』があれば、目を閉じていても真っ直ぐ歩ける。
(ここ)
キャットウォークの端と見なした箇所で、佳奈は鍛えた体幹を揺らがせることもなくくるりと一回転しつつ竹刀で空を切る。竹刀を構えた格好で違えることなく正面を向き、瞼をそっと開く。
視線の先には、勝ち誇ったような笑顔の美緒の姿があった。
他の客席を見ないよう、美緒の笑顔だけを見つめれば、
「剣道部、部員募集中だよ!」
弾んだ大きな声も出た。
あとは袴の裾を翻して回れ右、駆け足で舞台袖まで一直線。
(……終わったぁ)
客席からの視線から逃れ、佳奈は盛大に息を吐き出す。
(まぁ結果的に美緒ちゃんのおかげで何とかなったし、後でジュースでも奢ってあげるかな?)
そのついでに、『恥ずかしいエピソード』が何なのかも聞いておこう。
(そうよ! あれが佳奈よ!)
最後に逃げるように駆け戻ってしまったのはちょっといただけないけれど、それでも静かに瞼を閉ざしてキャットウォークを歩いてくる姿は十分に美しかった。
子供の頃からずっと憧れ続けている佳奈の姿がそこにはあった。
(美緒も姿勢は美しいと自負してるけど)
それでも、まだ佳奈お姉ちゃんには敵わない。
「フン、やれば出来るじゃない」
心の中で客席の人達に向けて自慢するその癖、口からはそんな言葉しか発さない美緒の手は、大好きなお姉ちゃんの晴れ姿をばっちり大量に記録させたスマホが握りしめられている。
(これは美緒のコレクションとして保存しておかないとね!)
「よっしゃ、じゃ、これで一丁優勝して甲子園行くか」
「いや野球じゃないから」
ホームズ姿で円陣を組もうとする
高杉 かよう
の手を、ドラキュラ姿の
響 蒼留人
がぺちんと叩く。
(ツンデレ……! ツンデレというやつですね……!)
そのふたりの姿を舞台裏の少し離れたところでこっそり熱く見つめるは、今回『BL同好会(仮)』の会長としてトリエンナーレ出場する
マーガレット・ライカー
。
「あ、私のことはお構いなく」
男子ふたりの不思議そうな視線に慌てて言い訳して、隠れ腐女子なマーガレットは引き続き熱血野球少年とクールな剣道少年の観察に戻る。
「そんじゃ、女王陛下からサーの称号と勲章&キッスを貰おうぜ」
「……役柄としてはそっちの台詞の方がマシか」
大汗を掻きながら戻って来た剣道部の少女に目礼しつつ、蒼留人は次の出番を待って舞台袖に立つ。
「お次はびーえる同好会……ブリティッシュライフ同好会です!」
バニーな進行役に呼ばれ、BL同好会の三人はそれぞれの衣装の裾をなびかせながら舞台へと躍り出る。
「――舞踏会の始まりだ、お嬢さま方」
ドラキュラのマントを翻し、マーガレットに指定された通りのセリフを口にした途端、蒼留人はうっかりBL好きな姉を思い出してしまった。
「……まるでBLだな」
仏頂面な素の口調で呻いてしまったのは、ご愛敬。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
92人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月09日
参加申し込みの期限
2018年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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