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【創立記念】B☆Iトリエンナーレ!
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舞台の央に引き裂かれた赤い布が散らばっている。
それは死者の血を表すしるし。
跡形もなく食い散らかされた死者の血を囲むは、『ネココウ村』の村人たち。
『神父』のスオウ。
『宿屋の娘』のアカリ。
『村人』のアキヒロ。
『羊飼い』のマモル。
『パン屋』のユキナ。
『樵』のテンケン。
『花売り』のトワ。
『鍛冶屋』のハルヒコ。
「人狼だ」
呟いたのは、誰であったのか。
「速やかに人狼を排除しなければいけない」
言葉を継いだのは誰であったのか。
「人狼らしき人を拘束しよう」
「幸いにも特殊な能力者がこの村にはいる」
「暴力はいけない。たとえそこに至るとしても、その道筋は話し合いと多数決に拠るべきだ」
人狼が現れ犠牲者が出た恐怖と興奮のうち、瞬く間に恐ろしい掟が『ネココウ村』を支配する。
「平和な村だと思ってたのに、こんなことが起こるなんてねぇ……」
焼き立てパンの入った籠を大事に抱え、ユキナは恐ろし気に声を潜める。恋人であるマモルと肩を寄せ合う。
「森の中に熊とは違う爪痕があった。それが人狼?」
斧を逞しい肩に担ぎ、テンケンが雄々しく声を張る。
「半信半疑だぜ俺はよ」
吐き捨てるように言い、不満げにその場にどかりとあぐらをかく。
「森の中にも爪痕があったんデス?」
テンケンの背中に隠れるようにしていたトワが花籠を持ってひょこりと顔を出した。ぷー、と可愛らしい仕草で頬を膨らませる。
「危ないデスカラー、お花を摘みに行くことも出来なくなるマス。場所を教えてほしいのデス!」
「おうよ、森の奥の三俣の木の幹だ」
テンケンの言葉にひとつ大きく頷いてから、トワは小走りに舞台の前へと出た。舞台に集う『村人』たちに背を向け、客席と向かい合う。客席の人々が持つ赤と白の花を空色の瞳に見渡し、花園に咲く花々にするように囁きかける。
「ヌヌ。教えてもらった場所には何もなかったような。注意はした方がいい気がするデス」
抱えた花籠に残る花を揺らし、トワは皆のいる舞台の央へと戻る。
代わって一歩進み出るのは、黒ずくめの神父服を長身に纏ったスオウ。
「私は、」
穏やかな、けれど客席の誰もに届くよく通る声で神父スオウは宣言する。
「占いの能力を持っています」
赤い瞳を神秘的に煌かせ、スオウは柔らかな物腰で村人のひとりを示す。
「占ったのはマモル」
きょとんと眼を瞬かせるマモルと、その傍らでマモルを庇うようにマモルの肩に縋りつくユキナを慈愛に満ちた表情で見つめ、神父は微笑んだ。
「神に誓って、彼は人でした」
当然だとばかり頷くマモルと、安堵したようにマモルの手を取るユキナにもう一度微笑みかけてから、スオウはちらりと舞台の端を見遣る。そこには、人々から少し離れて立つ、宿屋の看板娘アカリ。
「おや……」
孤児だったアカリの親代わりでもある神父は心底心配げにアカリに近づき、陽の光に蒼く透ける藍色の髪に触れようと手を伸ばす。
「アカリ、どうかしましたか。そんなに震えて」
育て親の指先が頭に触れかけた直前、アカリは怯えるように後退った。両手を祈りのかたちに組み合わせ、上目遣いにスオウを見つめる。大きく横に首を振る。
「嘘です……」
悲鳴のような声をあげる。
「いえ、確かにマモルさんは人でした、けれど」
自らの胸に手を押し当て、アカリは必死の声を張る。
「占い師は私です……」
よろよろと更に後退り、両手で顔を覆って蹲る。
「スオウ兄様、貴方の事、信じていたのに……」
嘆き悲しむ娘と立ち尽くす神父の動きが止まる。続いて前に出てくるのは、腕まくりした肩も逞しい鍛冶屋のハルヒコ。地面に散らばる『無惨な血痕』を見下ろし、怒り狂ったように足を踏み鳴らす。そうして注目を集める。
「誰がこんな事しやがったんだ!?」
隠しようのない緊張感を声に滲ませながら、ハルヒコはうつむきがちになる顔をぐいとあげて客席を見る。
「今まで黙ってたケド、俺ん家は霊能の力を持ってんだ」
だから、と続ける。
「捕まえた奴が人か狼かは、一晩寝ればわかるぜ」
霊能者の宣言をしたハルヒコのもと、小さな花売りトワが駆け寄った。スカートの裾を翻してくるりと一回転し、少女は逞しい鍛冶屋に守ってもらうようにその手に縋りつく。
「能力で視てもらうマス!」
「問題は、如何に拘束する者を決めるかですね」
兄様と慕ってくれたアカリの拒絶に肩を落としつつも、スオウが冷静に提案する。
「今の状況ではただ一人を信じることも難しいでしょう」
どうでしょう、と花売りであるトワの傍に跪く。花籠から一輪、白い薔薇を取り出し、静かに悲しく微笑む。
「自分を信じ、一人一輪ずつ拘束したい相手に薔薇を渡すというのは。そうして、一番多く薔薇が集まった人物を拘束しましょう」
異論は挙がらなかった。その場の誰もがほとんど同時に頷いた。
互いが互いを疑り合い縛め合う、それは惨劇か悲劇か――ともかくも、物語は転がり始める。
「……個人的には、だけど」
口火を切ったのは、ユキナだった。最初は遠慮がちに、
「私が人狼だったらボロを出さないようにあんまり喋らないようにするかなぁ」
最後には声高に確信的に。
「ねぇアキヒロくん、さっきから黙ってるよねぇ?」
疑いの目を向けるのは、舞台の端でずっとへらへらと胡散臭い笑みを浮かべるばかりで一切言葉を発していなかった、村人アキヒロ。
「それは何故?」
「えー?」
黒い瞳を大きく瞠り、驚いたようにへたりと尻餅をつき、アキヒロは困り果てた顔つきで首を横に振る。愛嬌があるようにも、返って不気味なようにも見えるアキヒロの仕草に、傍らに立っていたハルヒコが足を踏み鳴らした。
「おいアキヒロ」
業を煮やした仕草で近づき、襟首をぐいと掴む。
「お前ダンマリじゃわかんねぇだろ、狼じゃねぇってんならちゃんと弁解しやがれ!」
ハルヒコに迫られても、アキヒロは困惑したように首を横に振るばかり。それは自分は狼ではないと怯えて否定しているようにも、言葉を発せば正体が露見すると恐れているようにも見えた。
「弁解する気がないなら、」
ユキナは花売りトワから赤い薔薇を受け取り、アキヒロの足元に投げ捨てる。
「私はこのままきみに投票することになるかな」
「しゃぁねぇな……今んトコはコイツが怪しいってコトで」
同じくトワから受け取った白い薔薇を、ハルヒコはアキヒロの手に握らせた。
悲愴な表情のアカリから赤い薔薇を、恋人に倣ったマモルから白い薔薇を受け取り、四輪の薔薇を手に、アキヒロはそれでも楽天的にへらりと笑う。
「まあ何とかなるさぁ」
花売りのトワは樵のテンケンに、樵のテンケンと神父スオウはパン屋のユキナに。
己に疑惑の花が集中していることを見て取り、アキヒロはトワから渡された白い薔薇を、誰に渡すでもなくぽいと無造作に投げ捨てた。村人たちから手に縄を掛けられ、舞台の央に引きずり出されて、それでもアキヒロはへらりと笑う。
「明日の話し合い頑張って」
アキヒロを取り囲む格好で、舞台から一度、登場人物たちが消える。
誰も居なくなった舞台に流れ出すのは、不気味なほどに物静かなナレーション。
『アカリとスオウが占いを名乗り、ハルヒコが霊能を名乗った』
静かな声は状況を仔細に説明する。
『マモルが人であるという事以外、確定でわかったことはない。困惑のままに話し合いは終了し、拘束されたのは寡黙気味だったアキヒロ』
静かに静かに、語り部は続ける。
『アキヒロは狼であるのか。ネココウ村の人々は、人狼を退治することができるのか――』
不穏な梟の鳴き声がする。
静寂の闇の中に響くは、誰のものとも知れぬ昏く濁った声――
『この村を我々の物にしましょう』
『なれば襲いましょう』
くすくすと声が笑う。嗤う。
『我々の害となる輩を狩るのです』
『二人の占い師がいるとはなんとも心強い。脅威となるのは守護者』
『なれば襲いましょう』
『では襲いに行きましょう』
濁った声が揃った直後、舞台上手側に黒い影が二体現れた。
黒灰色したフェイクファーの毛布を被り同色の耳を付けた『狼』は、音もなく素早く下手側へと駆け抜ける。
『狼』たちが舞台袖へと消えて、しばらく。
『あ、ぁあ、……っ、あああぁあア! ああ、ぁあああぁあッ!』
『な、っあぁ、ッアァァアア!』
二人分の、壮絶な断末魔が舞台いっぱいに溢れた。恐怖そのものの悲鳴に重ねて、くすくすと嗤う声。人間の断末魔を甘美なものとする『狼』たちの歓喜の声。
くすくす、くすくす。邪悪に嗤いながら、『狼』たちは赤いものを口から垂らし、舞台袖から現れる。彼らに引きずり出されるは、断末魔の主たち。
舞台中央にふたりの身体が捨てられた。『狼』たちが咥えて来た赤い端切れをその身体に置けば、血に塗れた犠牲者の死体が二人分、できあがる。
舞台に転がる死体を『村人』たちが囲む。
「うーちゃ……マモルくん……!」
人狼による犠牲者のひとり、マモルの身体を膝に抱き起し、ユキナが悲鳴を上げて泣き崩れる。
「本当に殺されちまったのかよ!」
「まさか拘束をしたものまで……」
テンケンが立ち尽くして喚き、スオウが痛まし気にもうひとりの犠牲者、拘束されたまま噛み殺されたアキヒロの縄を解く。十字を切り、祈りの仕草をする。
「どういうコトだよ」
トワと手を繋いだアキヒロが低い声を発した。
「俺は夢でアキヒロの声を聞いた、アイツは狼なんかじゃねぇ……シロだ」
血塗れで事切れたアキヒロを見下ろし、霊能者であるハルヒコは足を踏み鳴らす。コイツは、と呻く。
「間違いなく俺達の仲間……だったんだ!」
スオウが祈りの仕草をしていた手を解き、ハルヒコの言葉に重々しく頷いた。
「私たちは……命の選定をしているのですね」
神父は苦し気に息を吐く。
マモルの身体をかき抱いていたユキナが涙に濡れた顔を上げた。怒りと悲しみにぎらぎらと光る瞳をもたげる。
「私は、人狼を絶対に許さない」
「早急に決着をつけましょう」
ユキナを静かに見据え、スオウはもう一度頷く。
「私はユキナを占いました。彼女は……」
静かに言い、ユキナを指し示す。恐れることなく近づき、死者に花を捧げるように手にしていた白い薔薇をユキナの膝元に置く。
「人狼です」
「……私が黒?」
スオウの置いた花を見下ろし、スオウを見上げ、ユキナは夜色の瞳を瞬かせる。
「そんなはずはない、マモルくんは私の恋人なんだよぉ?」
言葉を連ねれば連ねるほど、ユキナの瞳に憎悪の炎が燃え上がる。怒りを込めて、ユキナは突き刺すようにスオウへ人差し指を向けた。
「スオウくん、きみ……人狼ないし人狼側の人間かな?」
憎悪のまなざしを向けられても、スオウは動じなかった。恬然と立ち、ユキナを見つめる。
「味方を守る為に無実の人に罪を着せるつもりですか」
「何を……!」
ユキナの激昂を制し、スオウは言い募る。
「怪しんでいたのは昨日からです。彼女は主体性のある意見は言わず、当たり障りのない意見ばかりでした――結果、アキヒロが犠牲となった」
「彼女じゃ……ユキナさんじゃありません!」
言い争うユキナとスオウの間、アカリが割って入る。両手を広げ、スオウを睨み、スオウと同じに占いの力を持つアカリは声を高くする。
「私はテンケンさんを占いました」
スオウを見るのとは違う怯えた瞳と震える指先を向けるのは、テンケン。
「彼が人狼です」
「俺は人狼なんかじゃねえ!」
荒々しく喚くテンケンへ赤い薔薇を放り、身体を竦めて視線を逸らす。
アカリは再度スオウを、育て親であり兄とも慕うスオウを見遣る。
「兄様こそ、死んだアキヒロさんが人だったから、適当な人を殺そうとしてるんじゃないの!?」
「おいおい、今度はユキナとテンケンが狼だって言うのかよ?」
今にもスオウに詰め寄りそうなアカリの肩を掴んで止め、ハルヒコがアカリとスオウへ交互に顔を向ける。
「コレはどっちかは嘘ついてるってコトだよな」
「だ、だったらパン屋の方が怪しいじゃねえか!」
占い師のひとりから人狼の結果を提示されたテンケンが早口に言い、パン屋であるユキナの足元へ赤い薔薇を投げつけた。
「テンケンも怪しいのデスケド」
皆に配った花が入っていた花籠を手に、トワが軽やかな足取りでユキナへと近づく。無邪気な瞳でユキナを見、
「今回はユキナの方が怪しく見えるマス」
人狼に殺されたマモルの頭を膝に乗せたまま動かぬユキナに白い薔薇を手渡す。スカートの裾をくるりと翻し、トワはアカリの傍に立つ。小さな花売りは励まし護るかのように占いの力持つアカリと手を繋ぐ。
「どっちも怪しい気はすっケド……」
テンケンとユキナ、ふたりの占い師たちが人狼であると示したふたりをしばらく見て後、霊能の力持つハルヒコはユキナに白い薔薇を手渡した。
「ナンにしても俺が明日も生きてりゃどっちが嘘かわかるはずだぜ!」
明るい声と顔で言うハルヒコに、ユキナは悲しい笑顔を向けた。
手元に集まった、四輪の薔薇へと目を伏せて後、膝枕をしたマモルの額に愛おし気に頬を寄せる。マモルの頭をそっと地面に置いて立ち上がれば、死者を悼む神父と鍛冶屋、宿屋の娘と狩人によって二体の屍は議論の場の外へ――舞台袖へと運び去られた。
舞台には、ふたりの占い師が『汝が人狼である』と示したテンケンとユキナが対決するかたちで向かい合うこととなる。
ユキナは冷徹な瞳をテンケンへと向ける。
「アカリくんは占いで、人狼はテンケンと主張してる。私は白だから、当然そっちを信じるよぉ」
赤い薔薇をテンケンの胸元へと突き付けるも、投票の結果が示すのは――
『拘束が決まったのはユキナだった』
誰も居なくなった舞台に、感情のないナレーションが状況を告げる。
『ハルヒコの霊能結果によってアキヒロは狼ではないという事がわかった。占いで示されたのは、ユキナとテンケンが人狼であるというふたつの結果。けれど拘束が叶うのはただひとり』
不気味なほど静かに、結果だけが繰り返される。
『拘束が決まったのは、ユキナだった』
『小賢しい真似をしてくれる』
梟の鳴く夜、狼の濁った怒声が舞台に響く。怒りに満ちた声は、ひとつ。
『ならば牙を向けるのは奴にしよう』
一匹の狼により、ひとりの犠牲者が舞台上に引きずり出される。
惨殺の血を示す赤い布が掛けられたのは、縄をその手に掛けられた少女。
(ここで退場かぁ)
舞台の上に伏して動かぬまま、由貴奈は小さな息を吐く。演技をしながら人狼ゲームをやるのは面白かった、けれど、
(なかなか大変だねぇ)
何せ与えられた役以外はほとんど全てがアドリブ。元演劇部とはいえ、咄嗟の演技はやはり難しい。
それでも、『パン屋のユキナ』の出番はこれで終了。後は最後の役割を果たすばかり。
(さてさて、人狼は生き残れるかなー……?)
死体の振りをしつつ、由貴奈は小さく笑った。
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グループ参加
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シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
92人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月09日
参加申し込みの期限
2018年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月16日 11時00分
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