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【創立記念】B☆Iトリエンナーレ!
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かき氷を手にした少女が楽し気に笑っている。応じて笑うは、ホットドッグをかじる少年。
眩しい日差しよりもさらに眩しい景色を目にして、
ティクス・ソル
は幼く見える口元に静謐な笑みを滲ませた。
初夏の太陽と風の渡る中庭には、幾つもの露店が軒を連ねている。そのどこもかしこもに、穏やかで優しい人々。血気はやって暴れるような賊などどこにもいない、
(ただの祭り)
儀式や犠牲など何ひとつとして強要されることのない祭りも、たまには悪くはない。
まだ時折動乱もある星幽塔と違い、寝子島に概ね危険はなさそうだ。
(ここはずいぶん平和であくびがでちまいそうだが……)
隣を歩く
コル・ティグリス
を仰ぐ。
(また珍しくコルと二人きりか)
星幽塔にアジトを構え、『十二支団』を名乗るようになって随分経つ。情にほだされてホイホイと人を持ち帰る己の癖もあり、アジトにも人が増えた。
(最初は、コルとの二人旅だった)
頭ふたつぶんは背の高い男の横顔は、大分退屈そうだ。
たぶん同じことを考えていると思うに至り、ティクスはくすりと笑みを零した。
平和なのはいいことだが、肌に馴染むかと言われればそうではない。
(悪くはないが退屈で死にそうだ――というところか)
隣を歩くコルの思考を読んだところで、そのコルが今にもその辺で昼寝と洒落込みそうな大あくびをした。
いつもは近くに居る『十二支団』の賑やかな面々も、今日は居ない。
(大事なちびどもも大きいくせに子供みたいなかわいいやつらもいない)
団員たちの顔が浮かんでは消える。視界に映るのはただひとり、隣にいるコル。
(ここには張り合いがねえが……)
隣には丁度いいのがいる。久々の二人きりとなれば、二人旅をしていた昔のように遊んでみようか。
祭りの周囲を見回す。まず目に入ったのは、コルクの弾を空気銃で撃ち出して的に当てる遊び。『昔なつかし射的』と銘打たれた屋台では、撃ち落とした品物がそのまま自分のものになるらしい。
(盗賊団には似合いの遊びだ)
「コル、勝負しないか?」
「勝負?」
二度目のあくびをしかけた口が途端に楽し気な笑みに歪んだ。退屈そうだった瞳にゆらり、焔が揺らめく。
「俺とお前でか」
琥珀の瞳に灯っていた大らかな光が胡乱な鋭さを増すそのさまを面白げに覗き込みつつ、ティクスは指先に射的の屋台を指し示す。
「ああいった的当てでおとした数を競う」
いくつかのゲームを終えて数が多かった方が勝ちなこと、大物を取れば加点とすること。シンプルなルールを付け加える。
「なるほど」
平和過ぎる『勝負』の内容に瞳の焔が勢いを弱めるも、
「勝者は……そうだな、なんでもひとつ言うことを聞いてもらえる」
「やり方は平和すぎるが競うのは楽しそうだ」
コルの思考を読むに長けたティクスの一言に、再び燃え上がる。
「俺が勝ったらお前を食わせろ」
冗談を言うでもなく、至極真っ当な報酬を要求する口ぶりで放たれたコルの言葉に、
「……餌じゃねえんだぞ?」
勝てば数日屈強な身体をソファー代わりにもたれ掛かって仕事でもさせてもらおうと頭の中で算段をつけていたティクスは眉をひそめた。
「なあに、頭からまるかじりする気はねえ。ちょいと腕か首筋をな」
凶暴に笑う虎の獣人であるコルに、鼠の獣人であるティクスは思わず自分の腕を擦る。首筋を擦る。
「旨くないぞ」
「旨いぞ」
大真面目に反論するティクスに琥珀の瞳を不思議そうに瞬かせてから、コルはひらひらと軽薄な調子で大きな手を振る。
「……最近戦ってなかった分の征服欲というか、本能が満たされていい」
コルのわかるようなわからないような言葉に、ティクスは首を捻るばかり。それでもとにかく勝てばいいと結論づける。
そんなこんなで、星幽塔盗賊団の首領と台所番による退屈しのぎの勝負の火蓋は切って落とされた。
第一の勝負は射的。
的となる景品と一定の距離をおき、一見大男と少年な取り合わせのふたりは並んで立った。
ライン代わりの長テーブルの上には、皿に置かれたコルクの弾がひとり六弾ずつ。掌サイズの箱入りお菓子に始まり、さんまさんフィギュアにうさぎに羊、虎に犬のぬいぐるみ、雛壇に並べられたさまざまの景品を前に、ふたりは揃って空気銃を構える。
コルが狙うは壇の最上段、加点対象の大物ぬいぐるみたち。
「大物狙いか」
「落とせなければ無駄だが落とせればでかい」
楽し気に目を瞠るティクスに唇の端で勝気に笑い、まずは白兎に狙いを定める。テントの影に黒くも見える瞳は、団に所属している幼い獣人によく似ていた。
まずは頭を狙う。ぱこん、と軽い音立てて発射されたコルク弾は正確に白兎の頭を叩いた。揺らぐぬいぐるみの足元を続けざまに狙い撃つ。
「お」
「見たか、ティクス!」
ぽふりと雛壇から落ちる兎のぬいぐるみにティクスが目を瞬かせ、コルが豪快に笑う。
「次は羊だ」
同じ要領で大物狙いを続けるコルの隣、ティクスは下段に並ぶ小さなお菓子を狙って落とす。甘い物好きな子らには缶入り飴に箱入りクッキーにチョコレート、酒好きな奴らには甘辛いポテトチップスにしょっぱいプレッツェル。
「っし、全弾命中!」
「……っと」
兎に加え羊と虎のぬいぐるみまで手に入れてガッツポーズを取る料理番のはしゃぎっぷりに集中を乱され、ティクスは最後の一発を外した。
加点対象な大物三点を入手したコルがまずは一勝。
商売上がったりだ、と嘆く店主に豪快に笑い、コルは手に入れた大きなぬいぐるみを抱える。持ちきれない虎のぬいぐるみはお菓子を袋に詰めて貰って片手に提げるティクスに預ける。
第二の勝負は輪投げ。
「細かいことは気にしねえっ、投げればどこかにはまるだろ」
生来のコントロールの良さを当てに、コルは最初から迷うことなく輪を投げて行く。棒にはまる輪が時々重なったって気にしない。
豪快極まりないコルに対し、ティクスは輪の数本を投げて様子を見る。慣れない輪の投げ方のコツと癖を見極め、奥の方に立てられた大物景品用の棒に的確に輪を投げ入れる。
「……よし」
第二の勝負は、正確に点数を稼いだティクスが勝利した。
ヨーヨー釣りな第三の勝負は、紐の根元部分しか持てない手の大きさが不利なコルに比べ、小さな手で釣り紐を操りやすいティクスが有利。その上、
「密集していないところ、水面から輪っかが出ているのを狙うんだ。なるべく紙紐を濡らさないように、余計な摩擦を減らし……ほら、取れた」
作戦通りに実行できる上、道具との相性適正もあるとなれば、勝者は初めから決まっているようなもの。
最終決戦はスーパーボール掬い。
「こんな紙切れ張った枠で取れんのか」
難しそうに眉をしかめるコルの視線の下、子供用プールに満たした水の上をぷかぷかと黄色いアヒルが泳いでゆく。小さくて軽いゴムの玉を慎重に掬おうとしているティクスの様子をしばらく伺ってから、コルはきゅっと唇を引き結ぶ。ここまで一勝二敗、
(……これも加点狙いだな)
一発逆転可能な加点対象のイロモノを狙ってみよう。それに、掌サイズなアヒルや金魚の方が、持ち帰った際に団の小さい子らが喜ぶ。
ポイ、と呼ばれる和紙張りの枠を大胆に水面に突っ込み、一番の大物でイロモノなアヒルのビニール人形を狙うも、
「……む、ダメか?」
薄い紙ではアヒルの重さに耐えられず、ポイはあっさりと破れた。
「このっ」
枠を勢いよく跳ね上げて強引になんとかかんとかアヒル一羽を拾う間に、ティクスはいくつもの小さなボールを手に入れている。
四戦の結果は、終わってみればコルが一勝、ティクスが三勝。堅実に勝ちを獲りに行ったティクスの圧勝となった。
「狙った訳じゃねえが……」
大人げなく少し拗ねた顔つきでフランクフルトにかじりつく敗者コルを見上げ、勝者ティクスはりんご飴を手にくすくすと笑う。
「二人合わせるとずいぶん俺たちの様じゃねえか」
幼児の大きさのぬいぐるみを抱え、輪投げや射的の景品のお菓子で膨らんだ袋を提げ、ついでにたくさんのヨーヨーやスーパーボール入りの袋も持ち、ティクスはコルから預かった虎のぬいぐるみの耳をいじる。
戦利品を山と抱え、ぬいぐるみを大事な子供のように抱っこする盗賊団の首領を見下ろし、ティクスは琥珀の瞳を細めた。
「おう」
短く応じて思うのは、今と昔。昔のように気ままに二人旅を楽しんだつもりだったのに、気づけば手にしているのは団員たちへの土産物ばかり。
「あの頃には戻れないのがよくわかるな」
「戻りたいのか」
くすり、黒曜石の瞳を老獪に細めるティクスに、コルは笑みを返した。両腕に抱えたぬいぐるみたちや乱獲した景品を一眺めして、中庭のあちらこちらに散在する食べ物の屋台を見遣る。
「食べ物もついでに買うか」
団でいつのまにか料理番の地位を確立していた相棒をちらりと見、ティクスは頷く。星幽塔の住人にとって寝子島の食べ物は物珍しい。団員の皆もさぞ喜ぶだろう。
「アジトに持ち帰った時が楽しみだ」
仲間の喜ぶ顔を思い浮かべつつ、ティクスは虎のぬいぐるみの耳を齧ってみる。
勝者の権利はもちろん行使するつもりではあるけれど、
(腕を一噛みくらいなら)
数日ソファー代わりな料理番に許してやってもいい、かもしれない。
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
92人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月09日
参加申し込みの期限
2018年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月16日 11時00分
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