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【創立記念】B☆Iトリエンナーレ!
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「勇生、遥斗。いいところに」
足りないものはありませんか、と折良く訪ねて来てくれた運営部のふたりに買い出しを頼み、レイリーはまずはあるものを使っての調理作業に入る。ワッフルの材料を使えば、クッキーとクリームブリュレあたりはなんとかなる。
「アル」
先に用意したワッフルが尽きるまでの間の給仕と店番をひとまず子供たちに任せ、調理の手伝いに回って来たアルレッテにレイは話しかける。ばたばたしていて今まで聞けずにいたけれど、厨房代わりにしている家庭科室に居るのは今はふたりだけ。
「なんでわざわざカフェ何かにしたんだ?」
ずっと不思議だった。薬作りに長けた彼が、どうして慣れない食べ物や飲み物を扱おうとしたのだろう。
「お前だったら星の滴売ったりでいいじゃねーか」
「だって」
返って来た答えは、
「カフェならレイが存分に料理の腕を発揮できるだろう」
レイリーの予想だにしていないものだった。
「たまにはこういう生き方もいいかなって思ったんだ。それにレイの料理を自慢したくてね」
大人気だろう、とどこまでも柔らかく微笑まれて、レイリーは頭をガシガシと掻く。
「あー……」
手放しで褒められてしまえば、照れるしかない。
「まあ、たまになら、悪くねえな」
クリームブリュレを焼き上げる間、冷蔵庫で休ませていたクッキー生地を伸ばす。ふたりで並んで星型や蝙蝠羽根型に型抜きをしながら、レイリーはアルレッテの端正な横顔を盗み見る。
(つーか、盛況のいくらかはお前のおかげだよ)
ぽつり、呟く。
「こっちに店持つのも悪くねえかもな」
天板に並べたクッキーを焼いて冷ますうち、買い出しの出ていた運営部のふたりが戻って来た。クッキーとクリームブリュレを味見の名目でお裾分けしつつ、
「給仕役、手伝ってもらえねえ?」
冗談交じりに聞いてみたものの、
「列の整理くらいなら手伝える、かなぁ」
勇生は困ったように頬を引っ掻き、
「それは、……勘弁してくれ」
遥斗は言葉少なに目を伏せてしまった。
「クッキーもプリンも美味しいねぇ、きっとまた大繁盛だねぇ」
にこにこと笑う勇生にアルレッテはふわりとした笑みを返し、気まずそうな雰囲気を見せる遥斗の肩を気にしないでと叩く。
前日も当日もずっと忙しそうな運営部のふたりを見送って後は、買い出してきてもらった材料を使っての再びの作業。
「そろそろワッフル以外の注文も受け付けて大丈夫ですか」
頃合いを見計らって顔を覗かせた翔の声に重なり、
「いらっしゃいませー!」
開け放った窓の外、中庭からの星志郎の明朗快活な声が聞こえた。
「二名様ご案内なのですよー」
窓から聞こえる賑やかなお祭りの気配に、アルレッテとレイリーは笑みを交わす。
「翔、それじゃあ、そろそろこっちの手伝いを頼めるか」
「飾り付けもお願いするね」
「はい!」
お祭りは、まだまだこれから。
「いい店だな」
眩しい空に瞳を細め、
神嶋 征一郎
は出迎えに立ってくれた弟、星志郎を見遣る。弟からのメールを受けて来てみたものの、ここまで繁盛しているとは思っていなかった。
店のほとんどの席が女子で埋まっている。テーブルの間を元気に歩き回るのは、パティシェ姿の少年たち。
「その服も似合ってる」
「えへへ、せー兄もいつもより格好いいですっ」
パティシェ服の裾をぱたぱたと翻らせて跳ね、星志郎は空色の瞳を笑みでいっぱいにする。
「もちろん、いつもせー兄も格好いいのですがっ」
スキップしそうな上機嫌で空いた席に案内する弟に続きながら、征一郎は淡く色付けていた唇を親指で拭った。何食わぬ顔で、弟の背を見遣る。
久々に会う弟は、少し背が伸びている気がした。
「こちらにどうぞ! せー兄と、……えと、」
「ああ、ええと。……後輩、だよ。さっき偶然出会ってご一緒させてもらってる」
征一郎と星志郎のやり取りをそっと眺めていた
呉井 弦月
は、星志郎の視線を受けて会釈と簡単な自己紹介を返す。お互いがお互いを大事に思っているのが傍からでも分かる仲の良い兄と弟の様子は、見ていてなんだか微笑ましかった。
「メニューが凝ってるな」
先に席に着いてメニュー表を眺める先輩は、いつもと変わらぬ仏頂面ではあるけれど、声がほんの少しだけご機嫌なようにも聞こえる。
「呉井は何にする」
「えーと、……僕はフェニックスパスタとパトリ・アシェットで。神嶋先輩は?」
「しろーのセットで」
何気なく口にしてから、星志郎の弾ける笑顔と弦月の笑いを堪えようとして堪えきれない笑顔を見てしまった。
「えへへ、せー兄にしろーって呼んで貰えて嬉しいのです」
頬を上気させ、素直に嬉しいことを嬉しいと言う弟の頭を思わずぽんと撫でる。小さなパティシェに『しろーのセット』の内容を教えてもらい、
「プチデビルズケーキと悪魔の涙で」
今度はきちんと言い直す。メニューを繰り返して確認し、はしゃいだ足取りで厨房代わりに使っているらしい家庭科室へと向かう弟を見送りながら、
(悪魔絡みなのは)
征一郎はちらりと目を細める。
(自分のヴァイオリンと何か……)
ヴァイオリン奏者である征一郎の愛器は、悪魔オリアスの名を持つ。
(……偶然か)
「お待たせしました、気まぐれプチデビルズケーキと悪魔の涙です」
「こちらはフェニックスパスタとパトリ・アシェットとなっております」
悪戯な小悪魔の笑顔でランダムトッピンク用の小皿を掲げる星志郎の隣、澄ました顔をした
タイラ・トラントゥール
が卒ない動作で皿を並べる。
隣のテーブルで注文を取る鳶色ツンツン髪の少年、
源 竜世
に挑戦的な眼差しを一瞬向ける。前に飲食店を営む竜世の母親の店で手伝いをしたときは遅れを取ったけれど、
(今回は、ボクだってこのくらいは)
内心の負けん気を余所行きの笑顔に隠し、タイラは優雅に頭を下げる。
「それじゃあ、せー兄、見ててください! シュレム、ティーザー、エスピエーグル、ブルローネっ」
歌うように呪文のようなものを唱え、星志郎は大好きな兄のために考えたトッピングをチョコレートケーキに施す。銀色アラザンに、色とりどりのマーブルチョコ、きらきらで粒ぞろいな飾りは、兄のヴァイオリンの音をちょっぴり意識した。
「上手だ」
口元を綻ばせる兄と、くすぐったそうに首をすくめる弟を見、タイラは思わず微笑む。仲のいい兄弟を見るのはとても心が和む。
自分には、彼らのいるそこは少しばかり眩しくて、遠すぎる。
(……竜世)
自分のことを無理やり意識の外に追い出した途端、竜世のことが気になった。行方不明の兄を探し続けている竜世は、――
「おススメ? これ! この二つオレのメニューなんだ!」
別のテーブルできれいな女子高生のお姉さんとお話していて、
「やったー! お姉さんセンスいいな!」
とてもとても楽しそうだ。
「今年もたくさん美味しいものが食べられそうですね」
竜世に案内してもらったテーブルに軽やかにつき、
巫部 紫苑
はトリエンナーレのパンフレットと『Grianmhar』のメニューを広げる。パンフレットに挟まれていた金色カードが目に入ったけれど、今はそれどころではない。今は中庭に展開された食べ物系出店巡りの真っ最中。端から端まで回るお店の中でも目玉なお店のふたつのうちのひとつに来ているとあらば、
「すみません」
おすすめメニューを教えてくれた元気いっぱいな少年を呼び止める。
「やっぱり、メニューにあるもの全部下さい」
「ぜんぶ?」
金色の飴のような眼をまん丸くする少年に、紫苑はこくりと頷き声を弾ませる。
「はい、だって全部美味しそうです」
「すっげー! ぜんぶ食べてくれるのか!?」
「はい、いただきます」
にこにこ顔を崩さず何でもないように紫苑は続ける。このお店に来るまでにも、中庭の入り口から順番に、たこ焼きたい焼きかき氷にフランクフルト、焼きそば唐揚げ、色んな物を順番に食べ尽くして来ているけれど、お腹にはまだまだ余裕がある。
「出店巡りはやっぱり楽しいですね」
「な! 楽しいよな!」
ご機嫌でメニューのぜんぶを注文してくれたお客に、竜世は張り切ってお礼を言う。
「大好き! ありがとーございまーす!」
一際大きくなる竜世の声になにごとかと振り向いたタイラが見たのは、またさっきのお姉さんと楽しそうにお話している竜世の姿。心配して損した、と顔を背け、タイラは自分の仕事に戻った。
「追加、お願いします」
フェニックスパスタとパトリ・アシェットのおいしさに顔を綻ばせ、征一郎が口にしているプチデビルズケーキにも目移りしつつ、弦月が当然のように言い放つ。まだ食べるのか、とでも言いたげな征一郎の視線を無視し、追加注文をタイラに頼む。
「美味い」
ゆっくりとケーキを味わいながら、征一郎はテーブルの横でわくわくと待機する弟の頭をもう一度ぽんと撫でる。
ケーキは見た目よりも甘さ控えめな食べやすさと濃厚なチョコ味を堪能できる。レモンを垂らせば群青から深紫へと色を変える飲み物も、口の中の甘さをすすぐのにちょうどいい爽やかさだ。
えへへと笑って仕事に戻る弟の背を見送り、征一郎は正面の席で今度は甘い物を美味そうに食べる後輩の観察に入る。
「あげましょうか」
「……いらねぇ」
くすりと笑う弦月から視線を逸らして、
「あ、神嶋君」
すぐ隣の席に案内された
結城 日和
と目が合った。
「今日は」
「……ああ」
少し上気したような頬でふわりと微笑む日和から思わず僅かに視線を離す。どうしてだか、心が不思議と落ち着かなかった。
「えーと……気まぐれプチデビルズケーキとバルティーグルのブルーホワイトソーダをお願いします」
案内のタイラに注文し、日和は何だか落ち着かなげに周囲を見回す。化粧施した唇に触れ、決心したように立ち上がる。スカートの裾を揺らし、何気ない仕草で征一郎の隣に立つ。
「店員さん、綺麗な方だねぇ」
食事に専念する弦月に遠慮がちに会釈し、征一郎に話しかける。
「カフェの雰囲気も、メニューも素敵」
「……そうだな」
初夏の風が日当たりのいいカフェを吹き抜ける。暑さを一瞬忘れるほどに涼しい風を頬に受け、髪をなびかせながら日和が微笑む。
傍らに立つ少女の、ただそれだけの仕草が胸をぐらつかせた。
動揺にも似て揺れ動く心を不審に思うまま、いつもと雰囲気が違って見える日和の横顔を見つめる。
「どうしたの?」
見つめられて朱に染まる頬に、思わず手が伸びた。
「あそこで化粧したんだろ」
意識せず伸ばしてしまった指先に柔らかな頬が触れて、離れる。
「えっ、あっ、ああうん、そう! そうなの、たまちゃんでっ」
真っ赤になる頬を両手で抑え、日和はよろよろと後退った。触ってはいけなかったかと指を膝に戻す征一郎を見つつ、自分の椅子に腰を下ろす。深呼吸を繰り返し、話題を変える。
「そ、そうだ、この間の音楽祭!」
「……ああ」
「あのとき、上手く言えなくて。……いつもと、少し違った感じだったの」
「どんな風に?」
音を思い出すように姿勢を正し空へと瞳をもたげる少女の姿が、ひどく美しく見えた。
「蒼い、焔」
凛とした声で言ってから、日和はくすくすと笑み崩れる。
「ちょっと芝居がかり過ぎちゃった?」
「……いや」
短く応じ、征一郎は口を閉ざす。
(……それは)
お前に宛てたから。
そのひとことが、口に出せなかった。――今は、まだ。
「お待たせしました、プチデビルズケーキとバルティーグルのブルーホワイトソーダです」
「わっ、素敵っ」
星志郎のトッピングサービスとソーダの色に歓声を上げる日和に柔らかな眼差しをしばらく向けてから、征一郎は食事を終えた弦月と店を後にする。
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
92人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月09日
参加申し込みの期限
2018年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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