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寝子島高校
【創立記念】B☆Iトリエンナーレ!
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何だかんだで面倒見のいい征一郎に優雅な一礼をし、アケーチは貰いもののカードの裏表を仔細に確かめる。
「これ、何でしょう?」
ひらひらとカードを振りつつ、通りがかりの
志波 拓郎
に話しかける。
「……え、……あ、ええと、……」
中庭に展開する色々なお店を眠気の残る眼でぼんやり眺めて歩いていて、突然声を掛けられても、
「……出場おめでとう、カード、ですね」
拓郎はきちんと応じる。
かき氷に綿あめ、焼き鳥にたこ焼き、中庭に用意されたさまざまな露店の中でも、おもちゃ箱をひっくり返したような美術部の『クラフトスペース』と今前に立っている『化粧屋たまちゃん』は一際異彩を放っている。
もう一軒、日当たりのいいスペースに設けられたカフェも、何故か女子生徒が群がっているあたりが少し気になりはする、けれど。
(……いろんな、お店、……でてるんだな……)
去年の創立記念祭のときにも思ったけれど、
(すごいよな……)
規模といいひとつひとつのお店のレベルといい、この高校は結構すごい、のかもしれない。しれないけれど、それでも眠たいは眠たい。簡単には眠気はさめない。
「ちょ、ごめん、なさい……」
瞼に留まる眠気のせいでこみあげた欠伸を慌てて噛み殺す。話の途中で申し訳ない、と『化粧屋』の主らしい浮世離れした美貌の男性に会釈する。
「いえ、問題ありません。そうですか、出場おめでとうカード……!」
一見冷酷そうにも見える顔を子供のような無邪気さに輝かせ、『化粧屋』の主、明智と名乗る彼は誘うように手を差し伸べて来た。
「お礼にメークアップをば……!」
「え、メイク? 男性もメイク……?」
「お化粧に性別など関係ありませんよ、ふふ……!」
怪しげに笑いつつも、怪しげな主はペイントタトゥーについても詳しく説明する。洗顔ですぐに落ちるというペイントタトゥーがちょっと気になるうちに椅子に座らされ、さあどういたしましょうと迫られ、拓郎は少し眠気の飛んだ栗色の瞳を白黒させた。
「あの、フェイスペイントを、お願いします……!」
「ええ、お任せください」
言われるままに目を伏せ、頬に触れる筆の感覚をくすぐったく思ううち、
「ああ、矢張りお似合いです」
うっとりとした声に誘われて瞳をあげる。明智が手にした鏡の中には、顎から眦にかけて青く刻まれた繊細な翼の意匠。
「すごい」
「お気に召して頂けましたら幸いです」
芝居がかった風なお辞儀をする明智に礼を言い、もう一度鏡を覗き込む。いつもとちょっと違う感じの自分の顔に、ことことと胸が弾んだ。
(……あとで写真とって、彼女に送ってみよう……!)
わくわくするまま、眠気も忘れた。
楽し気な足取りで次の店に向かう少年の様子に、明智は笑みを隠し得ない。ここは本当に、
「ああ、本当に――」
ふふふ、と笑みを零して、アケーチは天幕の前の看板をそっと眺める少女に気づいた。
「おや、こんにちは」
「こ、こんにちはっ……」
蜂蜜色の瞳した少女は、いつかの音楽祭の黄昏に邂逅したことがあった。再会の偶然を全身で喜びつつ、アケーチは
結城 日和
に化粧をさせてもらえまいかと願い出る。
「お化粧……」
天幕の机の上にたくさん並ぶ化粧道具を眺め、日和は少し思案する。メイクは自分でもできるけれど、自分でやっているとついついワンパターンに陥りがち。
(自分を素敵に見せるためにも、)
お化粧の勉強も兼ねてお願いしてみようか。
「お願いします!」
「ええ、素敵な貴女を更に素敵に……!」
芸術家の顔をして請け負うアケーチに全て任せ、メイクを施してもらう。仕上がった顔は、いつもよりも華やかで、少女らしさを残しながらも大人の女性の色香も見え隠れするもの。
「わわっ」
鏡を見た途端、日和はいつもより艶を帯びて見える目元をぱちぱちとしばたたかせた。
「本当にいつもと違う自分みたい……」
ルージュの色も、チークの差し方も、アイラインの引き方もいつもと違う。しっかりとお化粧しているのに、パッと見はとても自然に見える仕上がりは、流石『化粧屋』と銘打っているだけある。
大人っぽく彩られた瞳に、日和はメイクを施してくれたアケーチを映す。軽やかに椅子から立ち上がり、舞台上でするようなお辞儀をする。
「お化粧ありがとうございます。だいちゅきな人に……」
芝居がかった口調で言おうとして、その大好きな人の顔をうっかり思い浮かべてしまった。頬が熱くなるのを感じた途端に台詞を噛んでしまった。
お化粧のいい匂いのする頬を指先にそっと抑え、日和は俯く。
「……美しい……」
恋する少女の可憐さに慄く明智にまた照れて、もう一度深く頭を下げる。波打つ栗色の髪を太陽の光に金色に透けさせ、日和は弾む足取りで中庭に踏み出す。
(会えるかな)
同じ高校に通い、きっと今日もここに来ているはずの『大好きな人』を探す。
(会えたら嬉しいなぁ)
好きと伝えることはまだ諦めていない。あの深海の色した瞳にはヴァイオリンしか映っていないのは百も承知しているけれど、それでも、
(神嶋くんに、少しでも素敵だなって思ってもらえたら)
そうしたらきっと、飛び上がるくらい嬉しい。
「恋する女性は美しい……!」
ひとつの真理を感極まって呟く『化粧屋 たまちゃん』の前、
「珠樹さん、メイクと髪結いもお願いできますか……?」
もうひとり、恋する女性が現れる。
「おや、時子さん……!」
アケーチを珠樹と呼ぶ黒髪の少女の隣には、白衣姿の男性が立っている。
「こちらの素敵な男性は?」
「尚輝先生です」
五十嵐です、と小さな声で小さく頭を下げる高校教諭に、アケーチは深い笑み浮かべた顔を向けた。
「ようこそ、化粧屋たまちゃんへ」
「先生はどうされますか……?」
時子の言葉に首を大きく横に振り後退る尚輝に、少しばかり残念そうな視線を向けてから、アケーチは時子に向き直った。
(恋する女性は美しい……!)
繰り返し思う。今までにも幾度か時子とは出会っているけれど、彼の隣にいるときがいちばん輝く瞳をしている。
椅子に掛けてもらい、まずは、と三つ編みを解いて艶やかな黒髪を梳かしにかかる。先生の視線が向いていないことを確かめてから、時子はそっと小声でアケーチに話しかけた。
「できれば少し大人っぽく」
可愛い女の子からとても可愛いお願いをされ、アケーチは紫の瞳を眩し気に細める。
「ええ、ええ、お任せを……!」
髪はアップにまとめ、細いうなじを露わにさせる。まとめた髪には白い花を基調とした大振りの髪飾りを挿す。色白な頬にはその白さを際立たせる薄紅のチークを薄く。大人びた眼差しを意識させてアイラインはくっきりめに。血色の良い唇には鮮やかな紅を。
化粧すればするほど上気してゆく肌が瑞々しくも艶やかで、アケーチは笑みを深くする。
「できましたよ。先生もどうぞ、お近くで見てあげてください」
花嫁にするように恭しく時子の手を取り、椅子から立たせる。そっと背を押し、尚輝の前に駆け寄らせる。つんのめって転びそうになった時子の手を尚輝が慌てて取る。照れたように一度は俯き、
「尚輝先生、似合うでしょうか……?」
けれど意を決して真直ぐにあげた時子の顔に、尚輝はしばらく見惚れた――ように、アケーチには見えた。
掴んだ手をうっかり握ったまま、出店巡りに繰り出す生徒と先生に、アケーチは祝福をこめて手を振る。
(おふたりの距離が、少しでも縮まると良いですね……)
その手伝いが出来たのならば、それはどれほど幸せなことだろう。
「こっちの人はおしゃれがすごくすきなんですね……」
化粧や衣装で鮮やかに彩られた人々を見回し、『化粧屋 たまちゃん』の看板を見遣り、
シーナ・キュクノス
は呟く。確か前もファッションショーが執り行われていた。観客はひとではなかったけれど、ステージに立つ人々は皆それぞれに華やかでどこかしら楽し気だった。
今回は、お祭りも兼ねているらしい。
門のところで受け取ったパンフレットを眺め、中庭のそこここに設けられたたくさんのお店を見回す。どこに行こうかと迷うだけでも、楽しいは楽しい。
(……でも)
できれば、隣に誰かが居てくれれば、もしかするともっと楽しかったかもしれない。たぶんなんやかんやと世話を焼きつつ、そのことに文句も垂れつつ、それでもきっとたくさん、その隣の誰かと一緒に笑えたはずなのに。
心をひっそりと冷たくしてしまう一人の心細さを頭を振って追い払う。そんなことよりも、と通りがかりに偶然見つけた看板に首を傾げる。
『化粧屋 たまちゃん』。
(なんだかすごく見たことがある名前な気がする……)
思い浮かぶのは、知り合いの白翼持つ運び屋。黒髪に紫薔薇の瞳の美貌の男。
店の様子をそうっとうかがおうとして、
「おや、シーナさん! ささ、どうぞどうぞ! 心を込めてご奉仕いたしましょう……!」
天幕の下にひっそりと立ってお客を待ち構えていたアケーチに見つかった。
(良かった、僕一人じゃなかった)
寝子島のこのお祭りの場に来ているのが自分ひとりではないことにホッと胸を撫で下ろす間に、手を取られた。座り心地のいい椅子に腰を押し付けられた。
「こんにちは、アケーチ」
いつも通りにつんとした態度を取り繕うとして、うっかり頬が緩んでしまった。知らず綻んでしまう口元を掌に隠し、同じ星幽塔の住人が開いたお店を眺める。
「さあ、如何いたしましょう、シーナさん」
「えっと、」
ここに来るまでに、頬に翼の意匠を描きこんだ少年を見た。大人っぽく髪を結い化粧した少女を見た。彼らもたぶん、たまちゃんを訪れたのだろう。
「……髪を、結ってもらえますか?」
「承りました」
恭しく頷いたアケーチの指先が髪に触れる。愛しいものに触れるかのように黒髪を丁寧に梳ってくれる優しい指先に、シーナは思わず青灰色の瞳を細めた。
「なんだかすごく懐かしい感覚な気がします」
星幽塔に渡って来てから得た剣の師とは、共に暮らしはしているけれど、こうして髪を結ってもらうことなんてほとんどない。
昔は、――元の世界に生きていた頃は、兄達が毎朝代わる代わる髪を結ってくれた。
あの優しい手を、自分で髪を結うようになった今も覚えている。
知らぬ間に俯けていた顎に、アケーチの指が掛かった。そっと上げられる顎に睫毛をもたげる。勝気に繕った眼差しを上げて、アケーチが持つ鏡に映る己自身を見た。
「わぁ……」
思わず素直な声が零れる。
「すごいですね」
緩やかに優しく編まれた黒髪に触れる。首筋に流れる髪とそれを彩る軽やかなコットンパールの髪飾りにそっと触れる。結い上げてばかりいる髪がいつもと違うだけで、ほんの少し明るい気分になれた。
「ねえ、アケーチ」
「はい」
「大人の人から見て、こういうのどう思います?」
「とても……とても良いかと……!」
いつも通りに恍惚の表情を浮かべるアケーチをしばらく見つめて後、シーナはちらりと唇を和らげた。今日はこのままの髪型で過ごして家に帰ろう。そうしたら、
(どんな顔をしてくれますか、師匠?)
帰ったときに師が見せてくれるかもしれない表情をいくつも思い浮かべ、シーナは十四の少年らしく笑う。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
92人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月09日
参加申し込みの期限
2018年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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