携帯戦記カプセルギア　外伝　ダンサーズ・クリスマスキャロル！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　外伝　ダンサーズ・クリスマスキャロル！

序：カプギア×クリスマスイベントへ！

　――某日・シーサイドタウン内、とあるイベントホール。

　今日はカプセルギア（以下、ギアと表記）のクリスマスイベントがここで行われており、多くの子供や若者でにぎわっていた。気になり遊びにきた仙藤蒼は、展示されたアニメのイラストやら新パーツ紹介のパネルなどに目を通しつつあたりを見渡した。
「小学生の方が多いかと思ったらそうでもないかも」
　ぽつり、と呟きつつ僅かに苦笑する。
（来年高校受験なのに遊んでいていいのか？　というツッコミもありそうだけど気にしちゃ負けだよね）
　なんて考えていると、一人の女の子があたりをキョロキョロしていた。
（そういえば、カプギアのマスターになってから妙な夢を見るんだよね……）
　稲積柚春は手に持った自分のギア・ворを見、ため息を吐く。その原因が何か、少しでもわかれば……とここにやってきたのだ。蒼は柚春が持つギアの出来に「おっ」と目を輝かせる。
「そのギア、かっこよくて強そうだね！」
「あ、ありがとう！」
　柚春はворを褒められ、少し照れてしまう。出会い方は不思議だったが、今では良い相棒なのだから。だが、手にしたворはどこかそっけない態度……を取っているように見える。
（盗賊みたいですね。身軽そうでしょうか？）
　蒼のギア、Diablo Azulがカバンの中からよじ登って様子を見ているが、それに蒼はまだ気づかない。彼女は壁に張り出されたタイムスケジュール表の方に気が向いていたからだ。
「予定表ではレイドバトルとか書いてあったけど……」
「どんなイベントだろう？　私も気になるなぁ」
　蒼と柚春は互いのギアが反応しているかもしれない事に気付かないまま、レイドバトルについて話し始めるのだった。

　一方、意外と中高生も多い事に気付いた環的子は少し緊張していた。
（年上の人は少し苦手……かな。もし、レイドバトルがあるなら……組むなら同じ小学生がいいなぁ）
　軽食ブースでオレンジジュースを飲みながら周りの様子を伺っていると、傍らに置いたカプギア、ネオムが心配そうに見上げていた。心配しないで、と的子がネオムに微笑んでいると、猫耳カチューシャを付けた少女（実は少年）が笑いかけて来た。同じ５年生の黒江ナオである。
「はぁい！　パーティー、楽しんでる？」
「それなりにね。新パーツの展示とか面白いし」
　的子は同じ小学生に会えたことでちょっと安堵し、肩の力が抜ける。ナオはもらってきたパンフレットを開き新パーツの話をしようとした。その時、チャイムが室内に響く。

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