ねこじま魔法少女大戦３（ドライ）～聖なるコケシ攻防戦～｜リアクション

ねこじま魔法少女大戦３（ドライ）～聖なるコケシ攻防戦～

　さらに、もう一組のニンジャとの邂逅。
　鳳翔皐月ことフェニックスは酔っていた。

　繰り返す、泥酔していた。
「ファッキン・エイメン！！」
　なんたることか！
　昼間っから女子高生の格好をした少女（26歳・自営業）が琥珀色の命の水をラッパ飲みしている！
　青少年へのなんか配慮が圧倒的に足りていない！
　おおブッダよ、寝ているのか！
　神はシエスタ中で、ニーチェは狂っている！
　三度召還され魔法少女という枷をかせられ忍者となった少女（26歳・自営業）の怒りが自棄酒を呼び、自棄酒が酔っ払いをこの世にもたらしたのであった。
　その怒気を腰に差した妖刀ウワバミに宿し、魔法少女の衣服をずたずたに引き裂いて青少年への配慮を忘れたスルメの御力によってピンク色のアトモスフィアが神殿内に広がるであろう。
「ザッケンナオラー！　テメッスッゾコラー！」
　ヤクザスラングで威圧し、褐色のボトルを直に呷り、ゲップをところかまわず放つ。
　女子高生（26歳・自営業）のニンジャの目は血走っていた。
　そんな彼女の背後から声を掛ける存在がいた。

　その見た目は完全に人間の大人と同じサイズのスズメバチだった。
　ただし、身体は黄色いぴっちりトラックスーツに身を包み、無駄に豊満でエロティックだった。
　恭しくオジギするスズメバチ。
「ドーモ。ホーネット・カヨウです。そちらにいらっしゃるはニンジャとお見受けします」
「イアイドー！」
　フェニックスは振り向きざまにウワバミに手を掛けて刀身を抜き放つ！
　スズメバチのクノイチは咄嗟に状況判断してブリッジ回避！
　切先はクノイチの鼻先三寸前で急停止！
「ドーモ、フェニックスです。ホーネット・カヨウ？　誰だ、てめぇ？　私の知り合いにこんな乳のでけぇ知り合いはいねぇぞ」
「私はまだまだサンシタなもので、貴女様が知るわけがないわよ。この任務の内容も、現地で聞かされたばかり。とんでもないところに来てしまったなこりゃ」
「ん？　今、てめぇの口調、男っぽかったな？」
「へ？　いやだ、そんなわけないわ？　おほほほほ！」
　お分かりいただけたであろうか。
　ホーネット・カヨウは高杉かようの女体化した姿である。
　そして何故か、彼のろっこん『ジャパニーズジャイアントホーネッツ』でスズメバチ化したままニンジャになってしまった。
「その証拠に、こんなに私、お胸が大きいし。ああ、でも、こりゃサブマリン投球に変えなきゃかなーとアンダースローでもやりずらそうで正直邪魔ですけど」
「やっぱ、いっぺん死ぬかてめぇぇぇぇぇ！」
　ナムサン！
　フェニックスの胸は平坦だった！
「アイエエエエ！？　落ち着いて、フェニックス＝サン！　ユウジョウ！　てか酒臭ッ！？」
「あアッ！？　ユウジョウ？　知るかボケ！　卑猥なコケシなんて興味ねぇし、飲まなきゃやってらんねぇよ、こんな状況！」
　そのままアルコールの匂い立つ命の水をがぶ飲みするフェニックス。
　ホーネット・カヨウはしばし腕を組んで考える。
「聖なるコケシを仲間が奪い、それを守るのが私の任務。でもサンシタの私が護衛したところで、魔法少女たちに囲まれて棒で叩かれるのが明白……。これはまさにジリー・プアーだわ」
　ならば、この酔いどれニンジャをヨージンボーに連れて行くのはどうか？
　魔法少女にエロい事をして逆襲するならば、腕っぷしの強い忍者が絶対に必要。
　フェニックスが衣服を切り裂き、ホーネット・カヨウが産卵（暗喩）する。
　これだ、これしかない。
　彼女はいきなりフェニックスの前でドゲザをしてみせた。
「フェニックス＝サン。どうか、一緒に魔法少女をボコりにいきませんか？　あなたのイアイドー、腕前はヤバイ級36段ほどとお見受けしましたわ。その剣技と私のドクバリカラテで、魔法少女を今日こそ雌豚同然にしてくれましょう！」
「ふーん……？」
　座った目のままフェニックスはホーネット・カヨウにガンを飛ばす。
　しばしの沈黙のあと、フェニックスは踵を返す。
　慌てるホーネット・カヨウ！
「あ、あの、返事は……？」
「あ？　早く行くぞ。カヨウ＝サン！　どうせ魔法少女はピッチピチでビッチの中高生なんだろ？　ムカつくぜ！　あーいうのはよォ！　繊維の一本残さず切り刻まねーと気が済まねーぜッ！」
「ね、姐さあああああん！」

　こうして、それぞれの勢力が、神殿の最深部へ再び集結しようとしていた。
　……そこで待っているのは、異形の少女と、諸悪の根源だった。

このページにイラストを設定する

ねこじま魔法少女大戦３（ドライ）～聖なるコケシ攻防戦～

シナリオ

シナリオデータ

シナリオスケジュール

参加キャラクター一覧