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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【中間テスト】一夜漬け狂騒曲 ～寝るなよ？ 絶対寝るなよ？～
【５】
お好み焼きの店・『うさぎ屋』の閉店準備が終わった頃、店の手伝いをしていた大田原 いいなが叔父にあたる望月のメールに気が付いた。
「……叔父貴、何故勉強会で生き死に沙汰になっておるのじゃ？」
メールの文面を眺めて３秒は目が点になってしまった大田原は、困惑しながらも居候先の家主にして『うさぎ屋』店主の宇佐見 満月に相談することにした。
「叔母上、何じゃか訳解らぬ“めーる”が叔父貴から入ってきたのじゃ……」
「叔母上じゃない。あたしのことは“満月ちゃん”ってお呼び！」
ビシッっとメンチ切る満月に、大田原は更に困り果てる。
「叔母上、それは外での話じゃろう？ 今は儂と叔母上しかおらんのじゃが……」
「あっはっは！ そうだったね！ いいながいっつも呼んでくれないから、つい出ちゃったわよ！」
快活に笑いながら煙草をふかす満月である。
「で？ そのメールとやらを見せてくれない？」
大田原がメールを見せると、紫煙を思わず天井へ向けて吹きかけた。
どうやら笑っているようだ。
「こりゃ勉強会の報告メールというより、今にも逃げ出したいっていう救援メールだね！」
「叔母上、これは儂らが朝に叔父貴を迎えに行ったほうがいいのじゃろうか？」
心配そうな大田原とは対照的に、あっけらかんとして２本目の煙草に満月は火をつけた。
「迎えには行くさ。しかし、このご時世、生徒のために、しかも脳味噌梅干大の愚弟のクラス担任が体張ってくれるなんて、滅多にいない良い先生じゃないかい？」
「しかし、その担任の相原先生の家で何かが起きておるようなんじゃが……？」
「いいな、大丈夫だって！ まぁ、あれさね、一応保護者として連絡入れておこうかね」
満月は灰皿に煙草を押し付けると、緊急連絡網から相原先生の自宅の番号を確認。
自宅の番号から満月は電話を入れた。
「――相原先生のお宅でしょうか？」
繋がった。
そして満月の声が半音上がった。
「“私”、宇佐見 望月の姉で、宇佐見 満月と申します。……はい、そうです、『うさぎ屋』の。いつも愚弟がお世話になっております～」
受話器越しにペコペコ満月は頭を下げた。
「はい、はい、あ、いえいえ！ もう思いっきり指導してやって下さい！ 多少小突いても問題ありません、私が日頃鍛えてますから！ ええ、はい、もう遠慮なくバンバンやっちゃって下さい！ 脳味噌が筋肉で出来てますから、気持ち強めくらいでちょうどいいですって！」
何やら早くも打ち解けている様子である。
「はい、月曜日の朝迎えにあがりますので、それまでよろしくお願い致します、はい。はい、それでは、失礼致します……」
受話器を置くと、突然背中をぐっとまっすぐ上へ伸ばす満月。
そのまま３本目の煙草に火をつけた。
「いいな、あの馬鹿の事はあたしがなんとかするから、いいなも勉強しちゃいなさい」
「いいや、儂は、今日の分のてすと勉強が終わったのでいい加減寝るのじゃ！ 勉強が終わったらすぐ寝た方が、脳科学的にも記憶が定着しやすいと、最近読んだ論文に書いてあったのじゃ」
えへん、と自慢げに語る大田原である。
「へぇ、そうなのかい？ でも、いいな、いつの間にそんな大層な論文なんて読んだのさ？」
満月の疑問に対し、大田原はニカッと笑いながら１冊の本を突き出した。
「知識は武器にも宝にもなるのじゃ！ 興味が出たら調べてみると更に面白くなってじゃな……って、叔母上には縁遠い話かのう？」
「いいな？ それはあたしが遠まわしに馬鹿だって言いたいのかい？」
満月の吸っていた煙草がへし折られるのを見た大田原は、血相を変えてまくし立てる。
「ち、違うのじゃ～！！ おお、もうこんな時間じゃな、儂はもう寝るのじゃ、おやすみなのじゃ、叔母上～！」
「あ、ちょっと、いいな！ コラァ！！」
「せ、戦略的撤退なのじゃ～！」
自室へ韋駄天の如く逃走する大田原の背に向かって怒鳴るも、すぐに苦笑し出す満月。
「あの子もだいぶこの島に慣れてきたようだね……。それに色々頑張ってるみたいだし」
入学してからはや２ヶ月。
落神や神魂なんてものにこの世界は巻き込まれ、目まぐるしく状況が、フツウが、変容と保守を繰り返している日々を過ごす大田原。
彼女が騒動で得た経験を満月は知らないけど、自分の姪の変容はそれとなく感じている。
「あたしも頑張らないとだねぇ……」
３本目の煙草を灰皿に押し付けたあと、満月は炊飯器をセットしだした。
浅漬けにすべくキュウリを刻んでおいた。
「さて、あのバカ望月を朝イチで拾ってやりますか！」
そう言って彼女は大口開けて欠伸をした。
お好み焼きの店・『うさぎ屋』の閉店準備が終わった頃、店の手伝いをしていた大田原 いいなが叔父にあたる望月のメールに気が付いた。
「……叔父貴、何故勉強会で生き死に沙汰になっておるのじゃ？」
メールの文面を眺めて３秒は目が点になってしまった大田原は、困惑しながらも居候先の家主にして『うさぎ屋』店主の宇佐見 満月に相談することにした。
「叔母上、何じゃか訳解らぬ“めーる”が叔父貴から入ってきたのじゃ……」
「叔母上じゃない。あたしのことは“満月ちゃん”ってお呼び！」
ビシッっとメンチ切る満月に、大田原は更に困り果てる。
「叔母上、それは外での話じゃろう？ 今は儂と叔母上しかおらんのじゃが……」
「あっはっは！ そうだったね！ いいながいっつも呼んでくれないから、つい出ちゃったわよ！」
快活に笑いながら煙草をふかす満月である。
「で？ そのメールとやらを見せてくれない？」
大田原がメールを見せると、紫煙を思わず天井へ向けて吹きかけた。
どうやら笑っているようだ。
「こりゃ勉強会の報告メールというより、今にも逃げ出したいっていう救援メールだね！」
「叔母上、これは儂らが朝に叔父貴を迎えに行ったほうがいいのじゃろうか？」
心配そうな大田原とは対照的に、あっけらかんとして２本目の煙草に満月は火をつけた。
「迎えには行くさ。しかし、このご時世、生徒のために、しかも脳味噌梅干大の愚弟のクラス担任が体張ってくれるなんて、滅多にいない良い先生じゃないかい？」
「しかし、その担任の相原先生の家で何かが起きておるようなんじゃが……？」
「いいな、大丈夫だって！ まぁ、あれさね、一応保護者として連絡入れておこうかね」
満月は灰皿に煙草を押し付けると、緊急連絡網から相原先生の自宅の番号を確認。
自宅の番号から満月は電話を入れた。
「――相原先生のお宅でしょうか？」
繋がった。
そして満月の声が半音上がった。
「“私”、宇佐見 望月の姉で、宇佐見 満月と申します。……はい、そうです、『うさぎ屋』の。いつも愚弟がお世話になっております～」
受話器越しにペコペコ満月は頭を下げた。
「はい、はい、あ、いえいえ！ もう思いっきり指導してやって下さい！ 多少小突いても問題ありません、私が日頃鍛えてますから！ ええ、はい、もう遠慮なくバンバンやっちゃって下さい！ 脳味噌が筋肉で出来てますから、気持ち強めくらいでちょうどいいですって！」
何やら早くも打ち解けている様子である。
「はい、月曜日の朝迎えにあがりますので、それまでよろしくお願い致します、はい。はい、それでは、失礼致します……」
受話器を置くと、突然背中をぐっとまっすぐ上へ伸ばす満月。
そのまま３本目の煙草に火をつけた。
「いいな、あの馬鹿の事はあたしがなんとかするから、いいなも勉強しちゃいなさい」
「いいや、儂は、今日の分のてすと勉強が終わったのでいい加減寝るのじゃ！ 勉強が終わったらすぐ寝た方が、脳科学的にも記憶が定着しやすいと、最近読んだ論文に書いてあったのじゃ」
えへん、と自慢げに語る大田原である。
「へぇ、そうなのかい？ でも、いいな、いつの間にそんな大層な論文なんて読んだのさ？」
満月の疑問に対し、大田原はニカッと笑いながら１冊の本を突き出した。
「知識は武器にも宝にもなるのじゃ！ 興味が出たら調べてみると更に面白くなってじゃな……って、叔母上には縁遠い話かのう？」
「いいな？ それはあたしが遠まわしに馬鹿だって言いたいのかい？」
満月の吸っていた煙草がへし折られるのを見た大田原は、血相を変えてまくし立てる。
「ち、違うのじゃ～！！ おお、もうこんな時間じゃな、儂はもう寝るのじゃ、おやすみなのじゃ、叔母上～！」
「あ、ちょっと、いいな！ コラァ！！」
「せ、戦略的撤退なのじゃ～！」
自室へ韋駄天の如く逃走する大田原の背に向かって怒鳴るも、すぐに苦笑し出す満月。
「あの子もだいぶこの島に慣れてきたようだね……。それに色々頑張ってるみたいだし」
入学してからはや２ヶ月。
落神や神魂なんてものにこの世界は巻き込まれ、目まぐるしく状況が、フツウが、変容と保守を繰り返している日々を過ごす大田原。
彼女が騒動で得た経験を満月は知らないけど、自分の姪の変容はそれとなく感じている。
「あたしも頑張らないとだねぇ……」
３本目の煙草を灰皿に押し付けたあと、満月は炊飯器をセットしだした。
浅漬けにすべくキュウリを刻んでおいた。
「さて、あのバカ望月を朝イチで拾ってやりますか！」
そう言って彼女は大口開けて欠伸をした。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年06月26日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年07月03日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年07月03日 11時00分
