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【エフェクト&オーディエンス! <宇宙人は流される>】
「……」
「……」
それはまさしく、沈黙から始まった。
宇宙人から事情を聞いた
ペルラ・サナーレ
と
屋敷野 梢
は、その場で顔を見合わせる。
その表情は、まるで突然現れた直立するタコとイカから説教を受けたかのよう──ただ、話の内容は説教よりもタチが悪かった。
「得体のしれない宇宙人……満足させられなかったら地球を滅ぼしかねないはた迷惑な素っ頓狂にサービスしてあげる必要あるんでしょーかね、これ……」
梢が呟く。もっともだ、至極もっともだ。
「私も色んなことを経験してきましたけど、こういうのは初めてでして……」
隣にいたペルラも、まさに途方に暮れたように告げた。もっともだ。もし、こんな体験を日常的に繰り返していれば、もう常にSAN値(正気度)の心配をしなくてはならないだろう。
「お願いします」
「お願いします」
「ときめきなので、二人ご一緒に出てくれると嬉しいです」
「嬉しいです」
宇宙人が呼吸するように何か言う。
「今、さり気なく強制文言入りましたねー」
即座に梢がツッコミを入れるが、イカタコのつぶらな瞳は変わらない。
「つまり、ペアで……って事でしょうか?」
ペルラの言葉に、タコとイカのコンビはこくこくと頷いた。
「一緒に、お願いします」
「ときめきは作れるので、一緒だともっと増えてほくほくします」
「します」
もはや宇宙人の理論が分からなくなってきた。しかし、求められているものは分かる。
「確かに……
私、踊りとか、大きな声を出すとか、そういうのはあまり得意じゃなくって……一緒にやっていただけるのでしたら、助かります」
ステージに出れば、ウォーキングだけではない。アピールがある。普段、大人しく思慮深いペルラは、その不得手を強く自覚していた。もし一人で行動したとしても、このまま一人でステージに出るにはあまりに心許ない。
「そうですねー」
梢も一緒になって考える。梢本人も自ら好んで華やか極まる花道に出る性格ではない。
そうなれば、一人より二人の方がずっと良い結果を出せるだろうと思われた。ただ、帰るのは最低限の権利だとして、そのサービスが全く自分たちの得にはならないのが少し切ない。
「うーん何かの縁ですし、一緒に乗り越えましょー」
こうして、二人はお互いの顔を合わせて、深刻と若干の諦めを伴う表情で頷きあった。
目の前のタコとイカが感動した様子で、拍手と共に、ペルラ&梢ペアの始動を祝福している。ペルラと梢のみならず、それはもう誰の目から見てもその現金な宇宙生命体をつつき倒したくなったに違いない──
「こういう時って、どうすればいいでしょう?」
互いにステージで着る衣装を選びながら、ペルラが衣装置き場の服の一着を手に取る。
ハンガーに掛かっているセット服には、ドレスなどの全てが統一された一揃いの衣装が多い。思案の間に、それ以外のものにも一応目を通しておこうと、二人はストッキングとそれぞれパーツごとに分かれている衣装コーナーへと歩いて行った。
しばらく衣装選びの会話にも花を咲かせながら、お互いに全身鏡に映して、改めてコーデの確認。
ペルラの衣装は、しっとりとした白のキャミソールと、同色で出来た布の腕飾り。メインとなるストッキングには、桃色のアクセントが散る厚織のタイツをチョイス。そして、花びらのように広がる何層にも重なるチュチュは、腰からの丸みを見事に隠してふうわりと包み込むようにして広がった。
梢の方も己の姿を確認する。
胸元に青い蝶のアクセントが入った、ラフな桃色のキャミソール。それに羽織る白のカーディガンが、細い腕を包むように軽く袖を通されている。そして、すらりと伸びた足の形を際立たせるオーバーニーソックスと、そこからの絶対領域を確保した薄青色のデニム生地ホットパンツが、健康的な色気を伴ってフェミニンなトップスの雰囲気を引き締めた。
「アピールはまだですが、これが私たちにできる最大限でしょうか……?」
「一応、ファッションショーという点では、押さえるべきところは押さえ……はっ!!」
先程からずっとアピール案を平行で考えていた梢が、今まさに名案ここにいたれり! という様子で立ち上がる。
そして釣られて立ち上がったペルラに、力強く語り始める。
「とりあえず、こういう場面で盛り上げるポテンシャルを持つのはのは私たちじゃなくて空気……つまり、エフェクトとオーディエンスです!」
「ふむふむ」
「どんな生き物でも、その場の空気に流されるというもの!
というわけで──」
真っ暗なステージの中、残っているざわめきすら飲み込むような爆発音が会場を飲み込んだ。
同時に、会場全体は暗いまま、一斉に色とりどりのスポットライトが、会場中を駆け巡る。
驚きに硬直している宇宙人の観客を前に、激しいナレーションが響き渡った!
『イカタコ共ーッ! しっかり触手伸ばしてるかー!!』
イエェエエエイ!! 先程より何故か少し狭くなった会場内にて、今まで聞いた事のない勢いで、一部から激しい声が上がった。
『これから登場するのは、
寝子島を代表するJK界のレジェンドォ!』
過激なナレーションと共に、スポットライトが激しく開き、舞台袖からスタンバイしていた梢がスタイリッシュに照らし出される!
『かたや、星幽塔で知らない者はいないという伝説の癒し手ェ!』
まるで会場を全力で叩き付けるような声と共に、同じく待機していたペルラへとライトが当たる!
『数々の男たちの視線をくぎ付けにしてきた、二人の生ける伝説が登場だァ!!』
二人の登場と同時に、舞台はレーザービームとスポットライトが、先程以上に、ぐわんぐわん会場内を奔りほとばしった。
そして、二人が目線を合わせて一歩踏み出せば、あれだけ大人しかった会場の一部から爆発するような熱気が上がる!
煽りに煽る演出とナレーションに、会場のイカタコたちの一部がサイリウムまで振っている!
「ペールーラーチャーン! ペールーラーチャァーン!!」
「K・O・Z・U! コーズーエー!! コーーーズーーーエーーー!!!」
ステージの前舞台で待ち受ける、宇宙人たちの掛け声【ラブコール】が響き渡る!
『さあ、タコ共、イカ共! 大喝采の時間だぁああ!』
「「「ふおおおおおお!!」」」
こうして、全体はあっという間に、狂気的な熱気に包まれた。
振られているサイリウムは奪い合いに発生し、宇宙人たちのつぶらな目はキラキラに照明と梢とペルラを映して、青春の瞬きの如く輝いていた。
「……」
「……」
ところで。この会場の盛り上がりを、この情熱的なまでの空気を、予測しなかった存在がいる。
──ペルラと梢。まさかの、これを仕掛けた本人達である。
宇宙人たちに、登場時にナレーションをお願いしては、大げさな内容を伴う誇大広告(梢とペルラ共にダイナミックな大嘘のつもりであったが、事実を交えているため、そうならない未来がないとも言い難い)と共に紹介してもらい、ウォーキングの間に最初から掛け声を上げる宇宙人──つまりはサクラの希望者も用意してもらった。
『三名くらいでもいいですか?』
「まあ、突然ですから集められても、そのくらいですよねー。
はいー、多ければ越したことありませんが、そのくらいからでお願いしますー」
そのくらいの緩さでの、やり取りが交わされたのだが……
「コォズゥエェーーー!!」
「ときめきぃーーー!」
「結婚しよ!!!」
ステージ全体を包む風船爆弾破裂寸前の情熱が、今、思い切り張り詰めている……
そして、傍らでは、
「ペ・ル・ラ・ちゃーん!!」
「羽耳! 羽耳!」
「ステージの上では猛禽類!!」
「こころ、鷲づかみー!!」
「きゃーっ!」
「な、なんかお願いしたサクラさん、暴走してません?
むしろ、会場全体がサクラさん、といいますか……」
後舞台の二人のウォーキング合流地点で、思わず震えた小声でペルラが梢に問い掛ける。
確かに何もやらなくていいというのは素晴らしいアイデアだった、が。
……しかし、この雰囲気は、
「熱狂的といいますか、さながら踊り子に投げ銭している労働者のようです」
ペルラが観客席には聞こえない声で、つい本当のことを言ってしまう。
「そ、そうですねー……でも、これで何もしなくても進めそうです、が、頑張りましょー……!」
梢も、想定していなかったあまりの熱気に、僅かに動揺を滲ませて言葉が揺れた。
──そして、二人並んで張り出しの前舞台に向けて歩き始めれば、
「と・き・め・きー!!」
先程以上の掛け声と共に、イカタコは正直に二人のストッキングを一点集中で視界に入れた。注視した。むしろそのまま脳裏に焼き付ける。
「(皆さん、視線が脚にくぎ付けですし……でも、あまり気にしすぎてもダメですよね)」
ペルラがこの据わりの悪さが限界値を突破している空間で、思考を切り替える。
「(こういう時は……彼らは、みんなゆでだこ、干しイカと思い込みましょう)」
「羽耳! 羽耳! ときめき! 羽耳!」
「空も飛べるはず!!」
「(ふふ、食材が囀っててかわいいですね)」
ペルラの目が少し、ここではないどこかを見ている眼差しになっていた。
そして、ついに二人は前舞台の中央に到着。
会場中に響く低音と、クラッカーを思わせる派手な爆発音が重なり、
今まで会場中を駆け回っていたスポットライトが、一斉に梢とペルラを直撃した。
──それに合わせて、ポーズ!!
隣に並ぶ梢とペルラが踵を返すように、勢い良く観客席から後ろを向けた。
肩幅まで開いた足に、梢が左手を、ペルラが右手を腰に添えて、反対側の腕を激しく垂直に掲げ上げて、これでもかと言うほどに己の存在を見せつける!
見事かつ完璧なシンメトリーポーズ。
シャンプーのCMでよく見る、あまり意味があるとは思えないけれども、ロングの髪がたなびくと一際格好良く見えるアレである。
「うおおーっ! 本物の『ストッキングレディ』ここに見参!!」
決められたセリフのナレーションにまで熱が籠もっている。
今までで一番激しい爆発音と共に、会場は騒然となった!
「うおおおおおおおお!!!」
「これはみんなの為になるなぁ!」
「ヒューッ!!!」
「ときめきぃー!!」
会場は大歓声に包まれた。もはや会場の熱気がおかしく、誰がサクラか完全に分からない。
それから舞台袖へ戻るまで、歩きながらペルラは少し考えた。
「(ですけど、これは普通に楽器でも弾いてた方がダメージは少なかったような……?)」
先程から、脳裏を浮かぶ『真実』という針がペルラの脳裏にチクチク刺さる。
隣の梢を見れば『……なんでしょーかね、これ』という心情がありありと表に出ていた。どうやらこちらも、我に返ってはならないところで戻って来てしまったらしい。
ペルラは戻り際に周囲を一度見渡し、その光景に思いを馳せる。
「(この、止めたくても止められない雰囲気、少し鬼気迫るものがありますね)」
未だにこちらのタイツを見る眼差しは変わらないけれども。
「(どこの世界でも、人の熱気というものは、すごいものですね。良くも悪くも)」
そうして、ペルラは頷いた。
「(いい思い出……にはならないと思いますが、貴重な経験です)」
そうしてペルラは、この出来事を、とても上手く『経験』という言葉で括り上げる事に成功した、のだが。
同時に、虚無感に似た梢のメンタルダメージについては計り知れないものがあった。それでも、きっと時間が解決してくれるに違いないであろう……多分……。
「せっかくなので、まだ、着てても大丈夫です」
「です」
「いえ、借り物を汚す訳にはいかないから」
楽屋に戻った後、そんなやり取りの後。
ソファーに腰を掛けていた
嘉渡洲 稀跡
は、華やかなステージと今までに目にしてきた沢山の演出、それらを一つとして見逃すことのないように、モニターを見つめていた。
手元のテーブルに新たに出されたケーキと紅茶には、集中しすぎて全く手を付けていない。
「(私は石類は好きだけど、ファッションや演出には聡い方ではない)」
それでも、思う。もしかしたら、もしかしたら。
「(見ていれば……何か輝きを見いだせるかもしれない。
石類とはまた別の興味……心躍らせる輝きを……)」
稀跡は今も、モニター越しに、会場にいる食い入るように見つめる宇宙人にも負けない程に、ステージを見つめ続ける。
「(……それが彼等の言う『ときめき』なのかしら?)」
心に浮かぶ一つの想いを胸に。
稀跡は再び、続く素晴らしい演出へと向かう。一際、この演出は素晴らしい。
そして、静かであり微弱であっても。
『良い』と思えた様々な演出へ、稀跡は今、ほんの僅かでも確かに心へと響いた証を示す拍手を送っていた──
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
お色気
定員
1000人
参加キャラクター数
29人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年05月08日
参加申し込みの期限
2018年05月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年05月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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