突然ですが、あなたは宇宙人に誘拐されました。
「──は?」
それは寝子島の、心地良く晴れたある日の夜。
風も気持ちよく、星も穏やかながらちりばめられた空を眺めていたあなたは、
宇宙人に誘拐されました。
『以上で、説明を終わらせて頂きます』
「ちょっ、ちょっと待って下さい! 何の説明にもなってないじゃないですかー!」
華やかだが、若干近未来的なドレッシングルームにて。
同じ境遇で集められたのであろう人々の中で、
屋敷野 梢は極めて正論な反応で叫んだ。
『仕方ないので、直接説明します』
スピーカーから聞こえて来た声が途切れる。代わりに、自動ドアがやはりSFじみた音を立てて開き、その声の主が現れた。
「……『タコ、とイカ』……ですね」
梢と同様に、気が付けばこの場にいた
ペルラ・サナーレが、思わずその見た目に直球をぶつける。しかし、そこにいるリアルなタコイカよりもずっと可愛らしくデフォルメをされた、ごま粒のように丸い目をしているタコとイカの二人(?)組は、さして気にする様子もなく、様々な人々がここに集められている今の状況について説明をし始めた。
外見を見るに、タコとイカ(二人以外にも沢山いる)達は、異世界からの宇宙人であり、ここはその船の中であること。
この船は少し特殊で、
燃料エネルギーは、異世界で受ける
「『可愛さ・お色気・きれい系』等などを目にした際のときめき」という感情で動いていること。
だが今回、事故により燃料エネルギーが足りなくなってしまった。
自分達は、見ての通り『イカとタコ』である。イカとタコがどんなに着飾ったって、ときめきの燃料には程遠い。
そこで、
「皆さんに着飾って、我々の仲間の前でファッションショーなどをしてもらえたら、船のエネルギーが充填されて、無事帰れそうな気がするんです。
助けてくれたら、無事のお帰りも保証しますです、はい」
──説明途中の『気がする』と言う辺りがうさんくさい。しかし、向こうも郷里への願いも掛かっているせいか、こちらをそのまま帰してはもらえなさそうだ、と……そう思った時、
この場にいる一同の正面にある大きな壁掛けモニターに、一匹の白猫の姿が映った。
『ああ、この場所ではここまでの干渉しかできないなんて!』
白猫が喋る。見覚えのある人もいることだろう、名前は
ミラ。テオの許嫁にして、寝子島から発生する
《時の特異点》なる世界の危機を告げに来たらっかみである。
『大変です! 私の予知能力によれば、ここは時の特異点です!
ここで宇宙人さんをしっかりときめかせないと、
【69日後に──寝子島は、タコとイカに完全占拠されてしまいます!】
それから、タコとイカは日本を経由して世界へ……!
最後には地球そのものが、余すところなくタコとイカに占領されてしまいます!』
それを聞いていた人々の意識が一瞬遠のいた。
この白猫は、地上に来たばかりでありながら、一体なんてシュールなものを予知してしまったのか──
『それを阻止するには、なんとか、この船の乗員のタコとイカの皆さんを満足させ──あっ』
不意に、ぷつんと映像が途切れた。
そして、しばらくタコイカ共々無言で待つが、以降全く音沙汰が無い……
「良く分からないけど、ねこさん、可愛かったです。ときめき」
「ときめき」
タコとイカがぽっと頬にあたる部分を器用に赤く染めてミラへの感想を口にする。
しかし、こちらはそれどころではない事が判明した。
このままでは、寝子島どころか地球が、タコとイカに占領されてしまう──!
「話、戻します」
「戻します」
そして、こちらの戦慄も特に気にすることなく、タコとイカが告げた。
「舞台も、さっきこの世界で借りてきた衣装も用意してあるんで」
その場に現れた他のタコイカ達が、いくつもの箱に入った服を持ってきた。
見れば、それらの殆どが、デザインや色にかなりのバリエーションがあれど、女性用の『ストッキング』で埋め尽くされているでは無いか。
「……わー、攻めてますねー……」
梢が少し棒読み風に口にすると、
『ファッションショーは、ストッキングを主役にして欲しいです。お願いします』
……先程から、いくらはね除けても許されそうな、かなり壊れた要求をされている気がするのに、目の前にいるタコとイカの魚介類のくせに妙に純粋でつぶらな瞳が、ずっと梢とペルラの良心をくすぐり止まない。
「──でも、これ恥ずかしいし……」
他の誰かが言った言葉に、タコとイカは頷いた。
『無事終わって、帰ってもらったら、多分夢だと思うくらいには曖昧になっているので、きっと大丈夫。
ここだけのぉー、あなたのぉー、ちょっといいとこ見てみたいー♪』
一斉に歌い始めた、タコとイカにその場は脱力感に近い癒しオーラを感じつつ。その雰囲気の中で、断るのも可哀相に思われた女性陣は、少しずつそっと衣装箱を覗き見始めた。
「あ……じゃあ男の俺は、裏方に──!」
しかし。
そう言って、遠くへ逃げようとした男子に向かって、イカが手にしていた光線銃をぴかりと照射した!
すると、
「え…!? ぎゃああ! 胸が、大きな胸があるし、大切なものがない!!」
あまりにも生々しく悲痛な叫びの中を、イカとタコが説明する。
『
男性の方は、皆この光線銃で【女の子になって、強制参加】です。
お手伝いは間に合っているので。女性の方も、強制参加なので。
素敵な方には、グランプリ、贈らせて頂きますので。どうか、よろしくお願いします』
こうして、予期することなく。
宇宙人相手に(半強制的に)、地球人の魅力を存分に振る舞う事となった、その場の一同。
テーマは『ストッキング』──例え、その着用が『日常』でも『非日常』であったとしても、
今こそ、それらを全力で奮い立たせ、
この宇宙人達に『己が持つ、個性と萌え』を叩き付ける時が来たのである──!
こんにちは、冬眠と申します。
この度は『ストッキング♡イラストコンテスト』の敢闘賞となります、イラスト『【ストコン】Sweet sofa』の屋敷野 梢さんと、ペルラ・サナーレさんにご登場頂きました。誠に有難うございます。
もしご縁とご機会がございました際には、是非ご自由にアクションを頂けましたら幸いでございます。
以下より、軽く状況説明から行わせて頂きます。
状況
突然ですが、エイリアン・アブダクション(宇宙人に誘拐)されました。
話によると、宇宙船の燃料が尽き掛け、宇宙人達は今のままでは自分達の世界に帰れないとのこと。
その宇宙船の燃料は 「『可愛さ・お色気・きれい系』等などを目にした際のときめき」
……つまりは語感的にはずれますが、近年では『萌え』という単語が使われる感情でした。
燃料を確保したい。
その宇宙人から、誘拐された人への要求。それは、
燃料が集められそうな『ストッキング』を中心に衣装を確保した為、
PC様へ「家に帰して欲しくば、それらを着用した『ファッションショー』を催して欲しい」というリクエストだったのです。
同時に、
失敗すると『【69日後に】地球にタコとイカが大量に占拠し、人類の居場所がなくなります』。
※今回のシナリオは、リアクションも始終このようなテンションでお送りさせて頂く予定でございます。
目的
表面上は『宇宙人主催のファッションショーへ強制参加となった為、個性溢れるアピールをする事で宇宙船の燃料をいっぱいにして、地球の平和を守りつつ、無事自分の家に帰してもらうことが目的』となりますが、
このシナリオの趣旨と致しましては、
『夢オチだと思って、PC様に全力で【ストッキング】をテーマに、ファッションショーを楽しんで頂くこと』となっております。
男性の方も、恥ずかしがり屋な方も、家に戻されれば記憶は任意で曖昧。
今回は、いつも日常を歩まれている方も、この機会に非日常を楽しんで頂けましたら幸いでございます。
アクションでできること
基本と致しましては、
『1.ステージ開始前のドレッシングルーム(楽屋)
→2.本番となる別室のステージ(舞台)でウォーキングとアピール
→3.楽屋に戻って来た後』の時間軸内にて、
上記の流れのうち【2つまでを、アクション内で指定】して、行動をして頂くことが可能です。
アクション冒頭に、上記該当の番号の記載をお願い致します。
※舞台でのウォーキングとアピールは、アクション記載の有無を問わずリアクション内にて発生した事となりますが、番号【2】のご指定が無い場合の舞台描写は、極めて少なくなる可能性がございます。あらかじめご了承下さい。
○舞台上で行う『アピール』に関しましては、
・「歌を歌う」
・「ダンスする」
・「劇や漫才、コントなどを披露する」
など、その他完全にフリースタイルとなっております。
存分に、貫く個性とご自身の萌えを発揮なさって頂ければ幸いです。
○ドレッシングルームと別室のステージには、それぞれ巨大なモニターが設置されております。
そこでは、ファッションショーの様子と同時に、
ご自身の登場時に、背後で『ストッキングイラストを主軸にした、演出付きプロモーションビデオ』を流す事が出来ます。
ファッションショーだけでは表現しきれない、通常のワンシーンから特殊シーンのストッキングイラストも、こちらのご利用でモニター再現が可能です。
(こちらにて、特殊シチュエーションのストッキングイラストも、是非ご利用頂けましたら幸いです)
詳細な演出なども、タコ・イカたちの『宇宙的超技術』で概ね何でも可能ですので、お気軽にお申し付けください。
○基本的な移動は、ドレッシングルーム(楽屋)から、別室のステージ(舞台)、終了後に再度楽屋へとなります。
ステージは、今回のシナリオガイド状況により、ぶっつけ本番です。
ですが『宇宙的超技術』により、宇宙船内の楽屋には、
【メンタルと時の部屋】
と呼ばれる、時間の流れが極端に遅い特別な部屋があり、こちらでは時間を気にせず打ち合わせをしたり、稽古をして頂くことが可能です。新規に宇宙船内でステージ用のプロモーションビデオを作っていただくことも可能です。
もちろん、ぶっつけ本番故に発生するような、ハプニングを含めましたアクションなどもお待ちしております。
○男性PC様は、リアクション開始時より問答無用で女体化致します。
もし宜しければ、女体化した際の体型、お姿外見、イラストなど是非お書き添え下さい。
※それらに全く触れられていない場合には、MSが勝手に妄想して執筆致します。
衣装
○楽屋に、色とりどりのストッキングが揃えられています。
デザインも豊富です。
トップスやボトムス、靴も、おおよそ普通に入手出来る物は揃っています。
ヘアアクセサリー、ネックレスやブレスレット、リボンなどのアクセントアイテムも充実しています。
○楽屋は鏡台が沢山整えられており、お肌に優しい化粧品一式もあります。
※宇宙人のタコ・イカは、舞台ではせっかく集めたストッキングを見せる主軸にして欲しいと強く願っていますが、舞台でのポージングやウォーキング次第ではその限りではありません。
たとえ一見隠れていても、舞台でチラ見せした際のインパクトが強ければ、それだけで十分幸せになれる存在です。
ファッションショー
○ファッションショーでは、宇宙人が気まぐれにステージが始まってからその場で決める、いくつかの部門(『美人で賞』『可愛いで賞』など、とてもありふれたネームング)に分かれています。
それぞれに、宇宙人がその場のノリで勝手に決めたグランプリがあり、選ばれると粗品が家に届けられるようです。
○基本お触り禁止のステージですが、稀に、あまりにときめきが過ぎたタコ・イカの足が体に伸びてくる事もあるのでお気を付け下さい。
(お色気希望のアクションのみ。ご希望の方は必ずアクションにその旨をご記載下さい)
注意事項
※ファッションショーは強制参加となっており、今回、裏方などは行えませんので、あらかじめご了承ください。
※男性PC様の女体化は必ず発生致します。更に、逃げ回られましても舞台には立つこととなりますので、どうかご参加の際にはご注意ください。
※GAならびに、絡みにNGがあられます方は、大変お手数では御座いますが、アクションにその旨を明確にご記載を頂けましたら幸いでございます。
それでは、
限界まで皆様の萌えやフェティシズムにお応え出来ればと思われますので、どうか何卒宜しくお願い致します。