全力疾走！　寝子島横断三人四脚駅伝！（第一区間）｜リアクション

全力疾走！　寝子島横断三人四脚駅伝！（第一区間）

　続いては【蝶】のＳＮＳ映えスポット紹介。
　蕎麦屋『すすきの』へ到着するなり、リポートを開始する三人。
「あなたのそばにすすきのーすすきのー！　ということで、私の実家である手打ち蕎麦屋すすきのです」
　薄野はなんだか照れ臭そうにはにかんでいる。
「ススキノー、ススキノー！　いぇーい、美味しいお蕎麦をいただくぜーぃ！」
　身振り手振りを加えながら、カワウソ武道はカメラを店内へ招き入れる。
　すると、待ち構えていた店主（薄野のお爺ちゃん）がちょうどそばを茹で上げた瞬間だった。
「さっすが職人！　俺達が来る時間を見計らって茹で時間を考えてくれたなんてウレシイ★」
　もちろん、薄野の段取りなのだが、動画の手前、それは言わない約束。
「さってと、俺もお蕎麦を戴き……しまった、着ぐるみではタベラレナイ！！」
　今更、その事実に気が付くカワウソ武道は天を仰いで諸手を挙げて嘆いた。
　見兼ねた高梨が割り箸を手に取った。
「ここは着ぐるみを見ていない、俺が実食しよう」
「あ、煉ちゃんズルイ！」
「おじいちゃん、お水みっつくださいー」
　カメラが高梨に接近している間、アルパカ五月とカワウソ武道は頭部を外して水分補給。
　着ぐるみで疾走するのは想像以上に堪えるのだ。
　だが、カメラに映らないようにしたふたりのちびっ子たちへの配慮は万全だ。
　そうしている間に、高梨は美味そうに蕎麦をすすってゆく。
「うん、美味い！　細切れながらも腰のある食感に、もちっとした歯ごたえ！　甘く香り立つ味わいにまろやかな喉越しだ。寝子島の蕎麦と言ったら、すすきのさんをオススメするぜ！」
「煉ちゃん、食レポ上手過ぎィ！？」
「おお、見事な食レポですね、高梨先輩。なんだか私も聞いているだけでお腹が空いてきますー」
　全世界へメシテロを行った３人が代金を支払おうとしたその時だった。
「「大将、やってるかのう？」」
　４人が同時にハモッて入店。
　お爺ちゃんたちが入り口をふさいで凄い邪魔！
　と、ここでカワウソ武道が動いた！
「いやーん！　お財布忘れちゃったー★」
　すると、爺イエローが「このうっかりさんめ！」と茶化しつつ、札束が入った財布を取り出したではないか！
「おじーちゃんがおごってくれるのー？　キャーステキー☆」
　カワウソ武道の愛くるしい仕草で煽っ、げふん、褒め称えれば、爺イエロー、すっかり上機嫌！
「「イエロー、こっちも奢れ！！」」
　これに乗じて爺ズ三人もイエローにたかろうと店内奥へ！
　なんと、ここで爺ズの足止めに成功してしまう【蝶】チーム！
「よし、この隙にアディオス！　あ、五月ちゃん。あとでちゃんと代金は俺が払っとくから！」
「イエローさんに出してもらえるなら、私はどちらでもー」
　こうして、爺ズを封殺した【蝶】チームのおかげで、他のチームにも影響が及ぶのであった。