全力疾走！　寝子島横断三人四脚駅伝！（第一区間）｜リアクション

全力疾走！　寝子島横断三人四脚駅伝！（第一区間）

　そのころ、【蝶】は、次のスポットへ。
「次はココ！　弁天猫！」
　カワウソ武道がキュートな仕草で猫の石像を紹介し始める。
「音楽と勉学の御加護を授けてくれる、ありがた～い猫の石像だぜぃ！」
「こちらの猫神様には寝子高を受験した時も、とてもお世話になりました。愛嬌のあるお顔にも元気を貰えますよ」
　薄野が「その節はありがとうございました」と感謝しつつ拝みだす。
　すると撮影クルーの真後ろに、いきなり、美味しい水の自販機が出現する。
　薄野のろっこん『天水分』が発動してしまっていた。
　ただ、撮影クルーたちは「ちょうど喉が渇いていたし、こまけぇこたぁいいんだよ！」と水を買い始めた。
「あ！　俺も俺もー！　着ぐるみってすっごく暑いな！？　でも勝負事は負けたくないぜぃ……」
　爺ズが蕎麦を喰っている間に、ここを紹介してゴールを目指さねば、と周囲を警戒するカワウソ武道。
　スタッフからこっそり水のペットボトルを受け取り、代金を支払ってカメラの枠の外で一休み。
「ふたりの言う通り、この社は勉強と音楽の猫神様を祀ってる社らしい。なんでも、テスト一週間前にこの社にお参りするとテストの点数が上がるって噂があるらしいぜ。成績に不安がある人は、ここでお参りしてみたらどうかな？」
「爺ズの影はなし！　動画のアップもＯＫ！　すっごーい！　『いいね！』の数、結構伸びてんじゃーん！？」
　分かりやすい【蝶】の名所紹介と、着ぐるみ二名の頑張りが功を奏したのか、動画のコメントと『いいね！』の数が急速に伸びている。
　だが、【鹿】の動画の伸びもかなりのものだ。ちょっとだけ【蝶】が出遅れているか？
「うう～ん、もうちょっと伸びてほしいなーこれ」
「武道は頑張った。ほら、今のうちに水分補給だ」
「ありがとー煉ちゃん！　五月ちゃんもどーぞ！」
「ありがとうございますー。お役に立てて光栄ですねー」
　しばし休息をとった三人。
　いざ、チェックポイントへ。
「あとは走るだけですねー。三人四脚、楽しいですー。先輩たちも楽しんでいきましょー」
　薄野の言葉に、強張っていた先輩たちの肩の力が抜けていく。
「ソーダヨネ！　勝負も大事だけど楽しまなくっちゃね★」
「そうだな、思いっきり目立ってやろうぜ！」
　堅実な走りと作戦が上手く働き、上位へ食い込む試合展開を見せる【蝶】チーム。
　ラストスパート！