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ねこのまつりでつかまえて
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会場中央に一台、消防自動車が駐まっている。
それも、いわゆるはしご車と言われる大型車両だ。その長いはしごはすでに空を指すように、めいっぱい上方にせり上げられていた。
高層ビルに火事が発生したわけではない。これは本日、イベントのために特別に用意されたものなのだ。
ハシゴのてっぺんにいるのは、ご存じ寝子島町長
中沢 リッカルド
だった。お気に入りの緑のスーツ姿、でっかい猫耳を装着しご満悦の様子である。
「Che bello! いやあ、絶景絶景、いい眺めですねえ」
高所恐怖症ならずとも足がすくみそうなこの光景にあっても、町長は福々しい笑みを浮かべている。下からは見えないが、彼の足元にはカゴが置いてあり、そこにはたくさんの猫が詰まっていた。もちろんぬいぐるみの猫だ。
そう、いよいよ猫まつりメインイベントのひとつ、
ラッキーキャット
が始まろうとしているのである。
「さあ! ではそろそろぬいぐるみを投げますよー」
ヘッドセットマイクを通して、リッカルドはオリーブオイルのようになめらかな美声を飛ばした。
「みなさん、猫ちゃんをしっかりキャッチしてください」
町長が最初にとりあげたのは、明るい灰色の猫ぬいぐるみだった。
町長の呼びかけにこたえるように、ほうぼうから人が集まってくる。そのなかに、
「ののこちゃん」
野々ののこの姿を見つけ、恵御納夏朝は声をかけた。
「夏朝ちゃん!」
足を止めたののこはボーイッシュな猫仮装をしている。しばし、互いの仮装を褒め合ってから、
「ののこちゃんも、ラッキーキャットさんをキャッチしに?」
「うん、つかまえた猫ぬいぐるみはもらっていいんだって♪ キャッチできたら部屋に飾ろっと」
ののこは連れがいるらしく、「じゃ、また」と手を振って小走りに駆けていった。
それにしてもどんどん人が増えてくる。雑踏というよりは大観衆、満員のスタジアムみたいになってきた。人混みは苦手なので、夏朝は息苦しくなってきたもののそれでも去るつもりはない。
ラッキーキャットさんと会う為に我慢……!
そう決めているから。
どれだけの数、ぬいぐるみが投じられるかはわからないもののライバルは多そうだ。たしかにこの状況で猫をキャッチできたら、それこそ幸運と言えそうである。
幸運の猫さん……僕も受け止めたいなぁ。
「みなさん、猫ちゃんをしっかりキャッチしてください」
町長の声がする。
夏朝は万歳をするように、橙手袋と『ハルくん』を付けた両手を伸ばした。
そうして夏朝は呼びかけるのだ。心のなかで。
猫さん……僕たちのところに、おいで。
するとまるでそこを目指したかのように、明るいグレーの猫ぬいぐるみが、手袋と『ハルくん』の間にすぽっと収まったのだった。
「ありがとう、猫さん……!」
ぱあっと夏朝の顔が輝いた。
温かな拍手が夏朝を包む。気恥ずかしげに嬉しげに一礼すると、彼女は急いで人混みから抜けるのだった。
「はじまるよ! 行こう行こう!」
初瀬川理緒は駆け出していた。佐和崎紗月の手を引っ張るようにして、ラッキーキャットを待ちかまえる群衆の黒い塊に押し入る。
理緒の目はライトグレーの猫だけを見ていた。
どうしても、ラッキーキャットをゲットしたいのよね。
今年は色んな意味で重大な一年になる、理緒はそう考えていた。
行く手には、冗談では済まされぬ企画『偏差値30からの大学受験』がある。受験失敗すなわち引退、という条件は、この世で一番といっていいほど勉強嫌いの理緒にとってあまりに高い障壁だった。
だが本当のところをいえば理緒は、グラビアアイドルの身分なら失っても構わないと思っている。
理緒が失いたくないのは、紗月だ。
紗月と一緒の大学に行きたい。そうして彼女のもっと近くに、もっと長くいられるようになりたい。
だから彼女は、この企画に全力をかけて挑む意思なのだった。
そのためには迷信だろうとゲンかつぎだろうと、幸先をよくできそうなものは全部使っていきたい。
ぽーん、と猫が飛んだ。
「えっ、そっち!?」
リカルドは投げる振りをしたがフェイントだった。その直後に彼は、まるで反対方向に猫を放ったのである。理緒は右に行きかけて左に急展開するはめになった。おかげで発生したのは民族大移動だ。ぎゅうっ、と理緒と紗月は群衆につぶされそうになる。
「理緒ちゃん、無理はいけない……」
紗月は理緒に言う。彼女はグラビアアイドルだ。体が資本だ。ぬいぐるみのためにケガなどしたら、それは彼女だけではなく、ファンにとっても損失となる。そんなことを手短に言い聞かせると、
「……ぬいぐるみ、私がつかまえるから」
本来消極的な性格の紗月が、率先して前に出た。
「紗月……」
胸の奥がキュッとなるような感覚を理緒は抱いた。紗月に護られている――それが痛いほど響いた。
その想いが引き寄せたというのだろうか。
「あっ」
すっ、と二つ目のぬいぐるみが、紗月の手の上に落ちてきたのだった。目のくりっとしたシャム猫だ。周囲の人は奪おうとしたりせず、紗月にぱちぱちと拍手を送ってくれた。
「はーい、うまくキャッチした子がいますね。ラッキーですね。あなたには幸運が訪れますよー」
リッカルドも祝福してくれる。
「……ううん、でも」
紗月は首を振った。両手で猫のぬいぐるみを持ち、押しつけるようにして理緒の胸に抱かせる。
「あげる。私の幸運、理緒ちゃんのものにしてね」
「紗月、でも……」
「ほしかったんでしょ? 幸運。大丈夫、理緒の幸運は私の幸運でもあるんだから……」
安心して、と紗月は笑った。
そうしてふたりは、連れだって群衆のなかから出て行く。
今度は紗月が、理緒の手を引いていた。
まただ。
泣きたいくらいの気持ちで、理緒は思う。
また、胸の奥がキュッとする――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月09日
参加申し込みの期限
2018年04月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年04月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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