this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ねこのまつりでつかまえて
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
…
31
つぎへ >>
「いらっしゃいませ、旦那様。本日のメニューは猫の形のスコーンと、猫の形のクッキーとなっております。どちらになさいますか?」
涼しげな表情、黒い執事服と白手袋をかっちり装備、それでいて頭には黒の猫耳をつけているという扮装で、常闇月はすっと音もなく一礼した。ちゃんと尻尾もつけている。胸には『ゆえ』と書いた猫のネームプレートも飾っていた。そんな月のトータルイメージは、『クールだが可愛いもの好きの女執事さん』だ。
と、いう感じで突然呼びかけられたものだから、特に目的もなく歩いていた七枷陣は、面食らいつつ言葉を探した。
「あー……えーと、なんの屋台なのかな、ここ?」
「失礼、こちらはキャットロードにありますメイド喫茶『ねこのて』、その本日限定の出張露店となります。狭いですが飲食スペースもご用意させていただきました。よければどうぞ、我々の洗練された仕草を目で楽しんでいってくださいませ」
立て板に水のごとく、まったくつっかえずすらすらと話す彼女の言葉巧みさにも、陣は驚きを禁じ得ない。なんだか圧倒されつつ、
「ほな、お茶とクッキーくらいいただいてこかなあ……」
と、ためらいがちに切り出した。陣の好みのスティック状菓子はなさそうだが、たまにはこういうのも悪くない。
されどこのとき。
「ふーん」
小ばかにしたような半笑いの声が陣の耳に届いた。
「あんたって、メイドさんとか好きなんだあ」
紅美だった。
芋煮紅美(いもに・くみ)
、冗談みたいな名前だが本名である。アメリカンカジュアルな赤いフリルニットに細身のジーンズ、猫みたいに目を細め、露店の裏から陣を見ていた。
陣と紅美の前を横切って、お、と野々ののこは足を止めた。
「英二くん! 見て見て、『ねこのて』が露店を出してる! 臨時店舗なのかなぁ」
「あ、うん、そうだね」
と返す英二の言葉はなんだかぎこちない。
予想外の展開だ。またもや、ののことふたりきりになってしまうなんて。
これではまるでデート――と思うと、急に意識してしまって落ち着かない。
これまで『デート』をののことしたことならある。けれどもののこにとってのデートとは、『デー牛丼(ランチに牛丼を食べること)』の略らしく、なんだか違うものであるような感覚があった。そうした彼女の勘違いに任せて、英二もリラックスしていられた。
ところが今日は偶然とはいえ、『ふたりでお祭りの見物に行く』というこれがデートでなかったら何がデートなのか、というような典型的な流れなのである。これで緊張せずにいられようか。
「どうしたの?」
英二の反応が鈍いせいか、ひょいとののこは彼を見上げて言う。
「メイド喫茶とか、興味なかったっけ?」
そんなののこの笑みは、わずかにだが曇っているように見えた。
いけない、と英二は思う。
英二は理解していた。
僕は好きなんだ……とても。
彼女の明るく屈託のない笑顔を見るのが。
だから曇らせたくない。自分のせいなんかで。
「そんなことないよ」
できるだけ明るく英二は言った。
「僕のバイト先もカフェだしさ、むしろ興味あるよ、すごく!」
「良かった~。メイドとか猫耳とかも苦手なのかと思った」
と言うののこの服装は、ショートパーカーに短めのパンツ、頭に羽根飾りつきのベースボールキャップをかぶった姿であった。なおキャップには、大ぶりの猫耳がきっちりと加えられている。
しまった、と英二は今さらながら我に返るのだ。緊張のあまり失念していたらしい。
野々さんの猫耳コスについて、一言もコメントしてなかった!
「いやむしろ大好きだよ! 野々さんの猫耳も可愛いいな」
「ありがと~。なんかこの服装だと『んちゃ!』とか言いたくなるね」
「あ、それ懐かしいね。僕も猫耳もってくれば良かったなあ……」
と英二がつぶやいたとき、
「おっと、猫耳を忘れてしまってお困りのようですね、ふふ……!」
にょろりと妖しくも怪しい動きでふたりの前に、猫耳&タキシードという凄艶な組み合わせの青年がまろびでてきた。アメジスト色の瞳に熱っぽい色彩を浮かべて、
「しかしご安心を……」
「え? 誰?」
ののこがぽかんとして問うも、
「名乗るほどのものではありませんが、よろしければ明智とお呼び下さい。ボランティアスタッフをしている者です。ふ、ふふ……!」
とスラスラ返して明智青年はどこかから、籐編みの手籠を取り出した。
「さぁ、ぜひ貴方も愛らしい姿でお祭りを楽しんでください……!」
籠の中にはビニール包装された色とりどりの猫耳カチューシャが、ぎっしりと入っている。その中から紫を帯びた黒いカチューシャを選ぶと、
「こちらをどうぞ、そしてようこそ、魅惑の猫耳ワールドへ……!」
と、明智は英二に手渡したのである。英二が受け取ると同時に、
「それでは失礼。猫耳を求めている御方はまだまだいるでしょうからね……ふふ!」
身をくねらせるやまるで魔法のように、明智はすうっと人混みのなかに姿を消してしまったのである。もう探してもその後ろ姿すら見えない。登場から消失までわずか数十秒、手元に残ったカチューシャがなければ、短い夢でも見たのかと思うほどの鮮やかさだった。
ののこと英二は顔を見合わせた。そして、ぷっと吹きだしてしまった。
「魅惑の猫耳ワールドだって!」
「そうまで言われると付けるしかないって気がしてくるね」
なんだろう、あの青年は人を笑顔にする魔法でもかけたのだろうか。
晴れて猫耳をつけ、ののことおそろいになって英二は『ねこのて』を指して言う。
「限定の猫スコーンとクッキーがあるみたいだね。買って小休止しようよ」
諸手を挙げる勢いで、賛成っ、とののこは応じた。
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
…
31
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ねこのまつりでつかまえて
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月09日
参加申し込みの期限
2018年04月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年04月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!