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ねこのまつりでつかまえて
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「ふむ」
斉田珠喪は、歩みを止めた。
出店に仮装を楽しみつつ、ぶらぶら歩いていた彼女を引き留めたのは、歩行者天国として解放された大通りの片隅、ぐるり輪を描くようにして人が少々群がっている一角であった。
「ほう……カプギアのフリースペースとな」
地元のホビーショップが開催しているミニイベントらしい。宣伝熱心なことよ、と感心する。カプセルギアのイベントとあっては、珠喪としては看過できない。中央ではバトル大会が行われているようだ。
「バトルの参加に年齢制限はあるのかえ?」
見物人を捕まえて問うと、ないとのことである。野試合というやつだろう。ただ、猫まつりということで、猫にちなんだタイプのカプギアに限るという条件があるらしい。
「なるほど『猫』テーマか」
展示スペースに陳列されたパーツをざっと眺めて珠喪はつぶやいた。猫耳のアンテナやキャットクロウ(猫の爪)装備がならんでいる。なかには猫じゃらし型のアームもあったりするのだが、実用性があるのかどうかは疑わしい。
そのとき、
「相手にならんな!」
バトルスペースから野太い声が聞こえた。
大柄な男性が勝ち誇っている。その言葉通り彼のカプギアは、対戦相手の機体を文字通り鎧袖一触の勢いで瞬殺していた。くわん、と鐘を叩いたような音が耳に残った。
「次! 対戦相手! いないのか!?」
男はわめく。四十歳くらいだ。肥え太って髪はぼさぼさ、ジェントリーという言葉はきっと知るまい。いやおそらく、大人げないという言葉も。
「なんだなんだ、これだけ雁首そろえてだらしねぇ」
男が下品に笑い出す。珠喪は、咳払いひとつでこれを遮った。
「ふむ」
そうして彼女は、のっそりとバトルスペースに進み出る。
「相手して進ぜよう」
珠喪が持参のカプギアを置くと、見物人の間に静かなざわめきがひろがったように聞こえた。
アマツキツネ。
惚れ惚れとするほど均整のとれた機体である。騎士のごとく毅然とした高貴さと、匂いたつような気品がある。
なお、検分がてら買ったばかりの猫耳アンテナを、珠喪は自機に取り付けていた。即席の猫型ギアということになろう。今回に限ってはさしずめ、
アマツキツネ猫カスタム
といったところであろうか。
「ぐ……」
さっきまであれだけさえずっていた男がこれを見て、ひとつ長いうなり声を発したまま無言となった。
――わらわが格ゲー界の伝説のプロゲーマー、ウニャハラにも勝利した新人プロ『лиса』だと気づいたのかもしれんのう。
珠喪の口元にニヤリと笑みが浮かぶ。
――あるいは、わらわが同人界隈で人気爆発中の『WHFO』の『Alchemy』もとい『天狐様』だと知ったか。
夢の記憶のような気もするものの、珠喪の中ではそれは揺るぎなき真実だ。
「サインなりスケブなり、描いてほしいというのかのう?」
顔を上げて珠喪が言うと、これを挑発と受け取ったか、
「なに言ってやがる。ここはカプギアのフリースペース! 能書きは勝ってからにしろ!」
半ば激高したように男は言うのである。まだ勝負は始まっていないというのに、すでにこの時点で半分、珠喪に呑まれているといっていい。
「ならば致し方あるまい」
などとからかいながら、すでに珠喪の鋭い目は、男のカプギアの特徴とウィークポイントを見抜いていた。
レギュレーションギリギリの超重量級、装甲も当然ながら厚い。だがその一方、スピードに色気を出したためボディに隙ができてしまっている。両手槍(ロングスピアー)という武器の選択も考えが浅い。こういう機体なら片手槍にして盾を装備するべきである。見栄えを優先したのだろうが、ほとんど見かけ倒しだ。
素人じゃな、と珠喪は早々に断を下している。
超重量級なのに手が早い、というそれなりに意外性のある組み合わせとはいえ、そのアイデアに頼り切っているようだ。ああしたギアはショーの世界ならいくらか向いているかもしれない。しかし、プロの世界ではまるで通用しないだろう。
ま、それならそれで楽しいショーにしてやるまでじゃて。
対戦開始の合図が聞こえると同時に、一気呵成に男がしかけた。
「いくぜェ!」
槍の穂先を水平に、どっと彗星の勢いで突進する。
こうやって大喝で押し切るつもりだろうが、珠喪にはなんのハッタリにもならない。アマツキツネはぐるっと回転し槍の初撃を九尾で弾く。
「舞(まい)に付き合ってもらおうかの」
珠喪のギアが鯉口を切る。抜刀の迅さたるやまるで風、刀身はぎらりと冷たく白い。そうして流麗、アマツキツネは刃に光を反射させ、パン! パン! パン! と連続して振り下ろした。慌てて敵はこれを防ぐもここからが本番、まるで腕が八本もあるかのように、アマツキツネは自由自在、ありとあらゆる方向から斬撃を繰り出す。
ときに中央ときに首、あるいは相手の足を狙って、叩く、払う、止めてまた斬る、そのたびに乾いた音が鳴り響く。敵は防戦の一方だ。それでも辛くもガードできているのは、珠喪が加減しているからとはよも気付くまい。リズミカルにまた音楽的に、攻撃はまさしく剣舞と化した。それも、珠喪の一人舞台だ。
「ひいっ」
こらえきれなくなったか、情けない声を上げて男はどっと転んだ。そのギアも同じだ。無様に腹を上にして倒れている。
その喉元に剣尖をつきつけ、ぴたりとアマツキツネは動きを止めた。
「……まだやるかえ?」
男は答えることもなく、言葉にならぬ悲鳴を上げ自分のギアをひっかかえると、尻に帆かけてその場から逃げ去ったのだった。
観衆からの拍手が珠喪を包んだ。
さすがに無視はできまい。面映ゆいものじゃ、と珠喪が一礼すると拍手はさらに大きくなった。
「今日はそんなつもりはあらなんだのに、どうにも注目を浴びてしまうものじゃ……」
珠喪は嘆息した。
おちおち寝子島での休みも楽しめぬなあ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月09日
参加申し込みの期限
2018年04月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年04月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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