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猫鳴館、自治会長選任戦1370春 ~天使の羽選手権
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●天使の羽選手権「骨削、飛びます!?」
いよいよ最終滑空者となる
骨削 瓢
が登場した。
登場した途端、さきほどの温かい拍手が止み、異様な静寂に包まれる。
まず、瓢の衣装が変わっていた。レースの入った西洋の神官風の白いクロークに分厚いマントを羽織り聖者のイメージ。そこに、鳥の骨の骨格に髑髏が描かれた蝙蝠めいた黒い羽根を背負っている。
聖者と邪者の二面性を体現するような瓢がしずしずと歩くその後方から、
旅鴉 月詠
がサポート係の雅樹の手も借りて、車のボディカバーをかけた巨大な車輪付きの物体をえっちらおっちら押してくる。
いったいこれは何なのか。
皆があ然と見守る中、月詠は崖の突端にそれを配置すると、勢いよくボディカバーを取っ払った。
「どうも、ツクヨミンです。骨削氏に要望された空を飛べるものを納品しにきました」
「TOU…SEKI…KI?」
ボディカバーの下から現れたのは、投石器。いわゆる、カタパルトである。
月詠は得意満面で解説した。
「そう、投石機。弾力とてこの原理で飛ばすタイプの移動式なやつだ」
瓢は、冷静を装った顔の下で、密かに冷汗を流していた。
(言った、言ったよ。誰よりも遠く飛べるやつたのむ、って確かにねぃ)
月詠の解説は続く。
「モノは武骨でも意匠は可能な限りつけさせていただいた」
木材を白亜に塗り、天にも昇る事を想像させる彫りものを可能な限りノミで彫り込んだ。
投石機の前面には、ラッパを吹く天使像が二体、射出される者を見送るように配されている。射出口は天使の翼を思わせる飾り羽根が施され、天国へまっしぐらな出来だ。
「いや大変だったわ。流石に資料見ながら組み立てたわ。石はともかくヒト一人くらいなら飛ばせる、はず」
「はず、って」
冷汗がたらたら流れる瓢の肩を、月詠はイイ笑顔でポンポンする。
「いや、人飛ばす試験とか無理だろう。心配するな、弾道計算に抜かりはない。骨削なら飛べる。衣装に厚いマントをつけたから頑張ればムササビみたいに滑空できるだろう」
観客席で、恋人ひびきは祈るように両手を硬く握りしめる。
「瓢さん……」
ひびきはようやく合点した。様子を見に行ったとき掘っていたのはまさに、ラッパを鳴らす天使像だったのであろう。そして散らばっていた木製おもちゃのバラバラ残骸は、ミニチュア投石器か何かで、分解して仕組みを確認していたのだろう。月詠、オソロシイ子!!
「レギュレーション的には飛ぶものじゃないからオッケー? まあ失格でも依頼主は飛ばすけど」
月詠はイイ笑顔のまま瓢をガシッと掴むと、投石器のいわゆる石を乗せる部分に瓢の身体をセットした。
(お、おおう……この心の準備はしていなかったわ……しかし自治会長になるためだ後には退けんか……)
「飛ばされたら精一杯頑張るといい」
ギリギリギリと音を立て、瓢を乗せた板が下方に傾く。視界が空で埋まっていくのを見続けるのはさすがに怖いので、懐に仕舞ったひびきのお守りを服の上から抑え目を閉じる。
(ひびきはん、ご加護を―――!!)
「では骨削、逝ってらっしゃい!!!」
月詠の声に合わせて、Gが掛かった。
「逝ってきます!!!」
めいっぱい仰向けになっていた身体は一転、空中に放り出される。
\ファー/
月詠以下、一同敬礼!
瓢の身体は、弾丸のように青空に高く吹っ飛んだ!
純白のレースのクロークがヒラヒラとはためく。
一気に上昇していく様は、キューピットが放った矢のようだ。
「瓢さんふぁいとーっ!」
ひびきははやぶさと一緒に精一杯声援を送る。
「ガンバレーガンバレー!」
もっとも瓢は、星になりかけているというか、瓢の身体は個人の頑張りじゃ如何ともしがたい領域で空気圧とか重力とかと戦っている状態である。
「おー、飛んだなあー」
月詠はのんびりした口調で言うと、手で庇を作り、瓢の軌跡を見守った。
瓢は放物線の頂点まで行って、そこから五月のジェーンに乗って、滑空状態に入ったようだ。次の瞬間、瓢は月詠が用意したマントを広げた。まるで、空飛ぶ忍者の風呂敷みたいに、マントは空気をいっぱい孕んで、丸く膨らんでいる。
もう湖の中ほどを過ぎたろうか。瓢の真下を並走するように、一隻のボートが走っている。
「おや?」
ドローンを操作して撮影していた修は首を傾げた。
瓢の飛び出しの勢いがすごかったので、アヒルさん号、カモさん号はまだ後方を追いかけている。
瓢の真下にいるのは、三隻目の救助ボートということになるが、そんな予定も連絡もない。
だとしたら、あのボートはなんなのだろう?
◇
三隻目のボートからは、大型スピーカーで大音量でノリノリな音楽が流れていた。なので間も無く、崖の側からは、あのボートは瓢の応援なのだろう、と思われた。
瓢の応援であることに間違いはない。ボートを操っているのは
新田 樹
であった。
樹は耳に耳栓を嵌めていた。音楽を大音量で流しているからであったが、その重低音の振動に交じって、ブルブルブルゴウゴウゴウという振動も感じていた。
必死に櫂を漕ぐ樹の背後には、巨大な段ボール箱が積まれていた。その段ボール箱がブルブルしている。いや、正確には、その段ボール箱の中に隠した、工業用の巨大送風機(レンタル)が、である。
「骨削さんが自治会長になったらきっと猫鳴館は面白くなるはず! ちょっとお金はかかっちゃったけど、協力するっきゃないよね」
送風機の電気はポータブル電源から繋いである。段ボール箱の天井面は外してあって、送風機が空に向けて強力な風を送り続けていた。
あとは瓢の真下に位置取りすればオーケー。それもなかなか難しいが、ここで踏ん張らなきゃ女が廃る。
「いいよ、私。ベストポジション!」
瓢のマントが、送風機の風を捉えた!
(ナイス、樹はん)
もう自力で出来ることは何一つない。
瓢は体の力を抜き、五月のジェーンと送風機の風に身を任せる。
対岸が近づいて来た。
これ以上ボートでは岸に寄れないという位置まで来ると、樹は敬礼で瓢を見送った。
あとは自由落下するだけ。背の低い樹々がグングン迫る。
「到着ーーーーぅぅ!!」
瓢は対岸の低木の茂みに突っ込んだ。
上空にドローンが近づいてくる。
瓢は茂みの中に腰を突っ込んだ格好のまま、ドローンに向かって手を振った。
◇
モニターに映った瓢の勇姿に、ひびきは、はやぶさを抱いて飛びあがった。
「瓢さんすごいっ! 対岸まで飛んじゃった! 100メートルの大記録だよっ、はやぶさ!」
ところが運営席がざわついている。
「みなさまー、お待ちください! 骨削瓢さんのフライトについて審議中ですなの!」
審査員や運営スタッフたちが次々集まって、修のノートパソコンを覗き込んでいる。
5分ほど審議した後、モニターに明里の顔が映し出された。
「えー、お待たせしました。まずは骨削瓢さんのデザイン点を発表したいですなの!」
泉先生が7、茂が10、鳶色彦が6の札を上げた。
「あれは……飛ぶというより投石でしたね」と鳶色彦。
「羽根は7点にしたが、投石器の方に10点つけたいな」
と泉先生が言えば、海原は何処か嬉しそうに、
「まったく……あんなことを思いつくなんて、本気でバカやりやがった」
と笑う。
「えー、点数は出たなのですけど、今回のフライトで2点ほど審議になりましたなの!」
モニターが二分割画面になり、投石器と、ドローンが上空から移した送風機が映し出される。
「羽根と身一つで飛んでこその天使の羽選手権! 申し訳ないですけど、今回はマイナス20メートル分のペナルティを取らせてもらいますなの!」
OH! NO! と頭を抱える瓢を応援していた猫館生たち。
月詠だけは飄々と、まあこんなものだろう、という顔で、早速投石器をバラしはじめていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
19人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月07日
参加申し込みの期限
2018年04月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年04月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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