脱いで！　笑って！　世界を救って？！｜リアクション

脱いで！　笑って！　世界を救って？！

序：ここはドコだ！　ステージだ！？

　寝子島や星幽塔から召還された１０人の~~犠牲者~~否、勇者たちは目隠しをした男性・コヨミと、丈の短いスカートと限界まで見えそうで見えないラインをキープした胸が気になる（でも巫女服っぽい）女性・ウズメに出迎えられ、事情を聞いていた。

（ん……。なんか、騒がしいわね……）
　眠りについたばっかりだった真境名アリサは眠い目を擦りながら話を聞く。そうしながらも「変な夢ね……」と思い込んでいた。まぁ、これを夢だと思ったのは眠りかけでねむけが抜けないままぼんやりと話を聞いた上、彼女は『ひと』であるからもあるだろう。
「夢の中なら、脱衣パフォーマンスなんてたいした事じゃないわね」
　と小さく呟いた。
「ほぅ、女王様がお怒り、閉じこもられたと。……ぜひ女王様が悦ぶパフォーマンスを魅せましょう！」
　と、やる気十分なのはアケーチ・タッマーキ（寝子島よりの召還故、以後明智さんと表記）。彼はいつにもましてきらきら輝いているようだ。
「状況自体はぼんやりとしているけれど、やるべきことは明確になった。ようは、愉快に陽気に賑やかに、脱いで踊ればいいんだねッ☆」
　と眼鏡を正していい笑顔になったのは志波武道。彼の姿を見つけた明智さんはこれまたいい笑顔で「さあ、やるべき事をやりましょうか！」とサムズアップしている。
　そんな風に理解が追いついている２人とは別に、頭を押さえている者も。先ほどまで星幽塔の酒場のステージに立っていたティオレ・ユリウェイスである。
（……また、変なところに飛ばされた。踊り終えて目を閉じて……開いたらここだ。ネコジマではないようだが……脱衣パフォーマンスだと？）
　説明され、色々把握したティオレだが表情は険しい。確かに踊りは副業としてやっており本業（盗賊）より儲かってはいる。だが、今回は派手に踊って脱ぐ、というイレギュラー。
（まぁ、よった勢いで脱いでしまったりはあるが……流石に、なんだかなぁ……）
　ティオレは複雑な気持ちでため息をついた。が、その傍らで「ふぅむ……」と思案する者がいた。ねずみの耳が特徴的なティクス・ソルである。
「正面切って頼まれた者を無碍に出来ないが……」
「そっちは王弟探しにするのか？」
「思案しているところなんだ」
　ティオレが何気なく問えば、ティクスは片目を瞑っていう。彼の後ろにいたコル・ティグリスは虎の耳を震わせつつ
「脱衣パフォーマンスに人探しか。……どちらも俺達の仕事じゃなそうな」
　コルもまた眉間にしわを寄せて考えるが、やはり思いつかないのか虎の耳をプルプル震わせ、チラリと所属している【十二支団】のリーダーであるティクスに指示を仰ごうとした。だが、彼のつむじをみてなにか閃いたらしい。
「ティクス。ちょっといいか？」
「珍しいな。やりたい事があるなら乗ってやる」
　コルはティクスに何かを耳打ちする。２人はなにやら２，３話した後でティクスが「パフォーマンスをやる」と頷いた。

　一方、高杉かようと響蒼留人は少し青い顔で互いに見合わせていた。
「響よ、一応事情はわかったがあいつらガチで脱ぐつもりだぞ」
「俺たちも脱げというのか……？！　ふざけんな！」
「あの舞台は危険だ。スサとかいうガキをつかまえる方へまわろうぜ」
　かようが提案すると、蒼留人は「そうしよう」と１つ頷いた。
「私も……スサ様を探しにいくわ」
　そう言ったのは嘉渡洲稀跡だった。彼女は棍か長めの棒か箒を１本借りられないか、とコヨミに問う。彼は「それならば」と己が護身用に持っている棍を彼女に貸し与えた。

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