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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
戦え！ ゴミ屋敷！！
【道なき玄関を踏み捨てて】
入って早々、生徒達は凍り付いた。
何人が思ったことだろう『むしろこの部屋を凍り付かせて逃げ帰りたい』と。
それほどの有様ではあった。
何しろこの玄関から先、動物が作る獣道らしきものも見受けられない。
置かれている巨大なゴミ袋を跨いで移動しなければ、ここから移動すらままならない。
先程から、うつむいては怒りと気合によるオーラを漂わせていた鴻上 優梨乃が、殺気に満ちた瞳で顔を上げた。
「先生！ 掃除道具はどこですか！」
「えっと……掃除機なら和室の押入れ──」
「このゴミ屋敷に、そんな高度な文明利器はまだ早すぎます！ 今のこのマンションにはそんなものオーパーツです！
ゴム手袋やマスクや殺虫剤とか、とにかく人力で使えるものは……！」
優梨乃の言葉に、無言でしょぼんと肩を落とした美和先生を目にして、彼女は悟った。
『このゴミ屋敷に、そんな正の要素は存在しないのだ……！』と──！
「あーっ、ワタシみんなの分のマスク持ってきたのヨ！」
御薗井 Ｅ セレッソが、小さな身体に、大きく手を挙げて振りながらアピールする。
そして、持って来ていた可愛らしいバッグから、嬉しそうにマスクの束を取り出した。
地獄に仏かと思いきや──しかし、そのマスクには犬の口マークや、可愛らしい猫ひげが描かれていたりと、ファンシーな動物マークが容赦なく刻まれているではないか。
ファンシーすぎて、男子につけろというには、なかなか罰ゲームを髣髴とさせる品物だった……が。
「皆！ 自前でマスク持って来てない人はこれを付けて！ 換気するまでは埃で肺を痛めちゃうかも知れないから！」
常に掃除に対して本気、優梨乃の言葉に気圧される様に、男子にもしぶしぶ動物マスクが配布されていく。
美和先生とセレッソが、その動物大集合の光景への可愛らしさにハイタッチをしている。
それを横目に(主に美和先生を)見ながら、
「絶対、綺麗にしてやるんだからーーーっ！！」
これを捨て台詞にはさせまい。その意思を込めて、優梨乃は必要品を買いに飛び出していった。
「まずは、美和チャンせんせーのお部屋の換気！
このゴミをお外に運び出していけば、いつかは換気の窓にたどり着くノ！ 重たいけどガンバ…──ノ？」
「貸してくれ。これは男の仕事だ。力が無くても、他にも出来ることは山ほどある」
外に運ぶゴミ袋を引っ張り上げようとして、持ち方悪く、掴んだビニールの端をびよーんと伸ばしてしまうセレッソ。
それを、御剣 刀が言葉少なにひょいと軽々と抱え上げて、あっさりと持ち運んでしまう。
気が付けば、途中で、物足りないとばかりにもう一個を肩の上に抱え、玄関の外へと運んでいくその姿を、セレッソはつい尊敬と憧れに似たまなざしで眺めていた。
「……ハッ！ ボンヤリなんかしていられないのヨ！
なら、ワタシも出来ることやるのヨ！！」
ゴミ袋が２個減っただけで、多少綺麗を感じられるようになった(感性が麻痺し始めている)玄関に、手付かずのゴミ袋をマンションの廊下に引っ張り出して。
さっそく、セレッソは袋を開けて燃えるゴミと燃えないゴミの分別を始めた。
しかし、ビニール袋を一旦開ければ、燃えるゴミも燃えないゴミも殆ど全てがいっしょくた。
あまりの酷さに泣きたくなって、それでも頑張るセレッソに、ふと背後から声が掛かった。
「う～ん…ねぇ、君。
こっちは分別までは出来たんだけど～、袋に入れる作業が思いの外大変で……」
刀や他の有志が運び出したスペースで、こっそり器用にゴミの分別を始めていた灰鐘 ショウジがセレッソにこっそり声を掛けてきた。
セレッソの瞳が喜びに一気に輝きを増す。
「ワタシに任せてなノ！！」
こうして自分の仕事を見つけたセレッソは、生き生きとゴミをざーっとうっかり部屋の中で広げてしまい、
「分別はマンションの外の廊下でー！
これじゃ、いつまで経ってもフローリングが見えないじゃないかー！」
と初島 優に、ショウジ共々、玄関外の通路にポイされたのであった。
ゴミの分別を含めた掃除は、玄関外にまで及んだ予想通りの大仕事となったのである。
そして、ゴミ袋は少しずつだが、着実に、外へと運び出され始めた。
その頃、飛び出しては帰ってきた優梨乃が、殺虫剤とゴム手袋を、台所への活路が開けた玄関との間に並べて『ご自由にお取り下さい』と紙を三角に折って看板を作る。
効果は絶大、あっと言う間にそれらは人々の手に渡りその場から無くなった。
そして、先程からメモを片手に腕を組んで状況を見据える少年、添木 千唐に優梨乃は手に持っている何かの用紙をその手に渡した。
……それを見た千唐の口の端が、僅かに持ち上がったのを見た人間は少ない。
入って早々、生徒達は凍り付いた。
何人が思ったことだろう『むしろこの部屋を凍り付かせて逃げ帰りたい』と。
それほどの有様ではあった。
何しろこの玄関から先、動物が作る獣道らしきものも見受けられない。
置かれている巨大なゴミ袋を跨いで移動しなければ、ここから移動すらままならない。
先程から、うつむいては怒りと気合によるオーラを漂わせていた鴻上 優梨乃が、殺気に満ちた瞳で顔を上げた。
「先生！ 掃除道具はどこですか！」
「えっと……掃除機なら和室の押入れ──」
「このゴミ屋敷に、そんな高度な文明利器はまだ早すぎます！ 今のこのマンションにはそんなものオーパーツです！
ゴム手袋やマスクや殺虫剤とか、とにかく人力で使えるものは……！」
優梨乃の言葉に、無言でしょぼんと肩を落とした美和先生を目にして、彼女は悟った。
『このゴミ屋敷に、そんな正の要素は存在しないのだ……！』と──！
「あーっ、ワタシみんなの分のマスク持ってきたのヨ！」
御薗井 Ｅ セレッソが、小さな身体に、大きく手を挙げて振りながらアピールする。
そして、持って来ていた可愛らしいバッグから、嬉しそうにマスクの束を取り出した。
地獄に仏かと思いきや──しかし、そのマスクには犬の口マークや、可愛らしい猫ひげが描かれていたりと、ファンシーな動物マークが容赦なく刻まれているではないか。
ファンシーすぎて、男子につけろというには、なかなか罰ゲームを髣髴とさせる品物だった……が。
「皆！ 自前でマスク持って来てない人はこれを付けて！ 換気するまでは埃で肺を痛めちゃうかも知れないから！」
常に掃除に対して本気、優梨乃の言葉に気圧される様に、男子にもしぶしぶ動物マスクが配布されていく。
美和先生とセレッソが、その動物大集合の光景への可愛らしさにハイタッチをしている。
それを横目に(主に美和先生を)見ながら、
「絶対、綺麗にしてやるんだからーーーっ！！」
これを捨て台詞にはさせまい。その意思を込めて、優梨乃は必要品を買いに飛び出していった。
「まずは、美和チャンせんせーのお部屋の換気！
このゴミをお外に運び出していけば、いつかは換気の窓にたどり着くノ！ 重たいけどガンバ…──ノ？」
「貸してくれ。これは男の仕事だ。力が無くても、他にも出来ることは山ほどある」
外に運ぶゴミ袋を引っ張り上げようとして、持ち方悪く、掴んだビニールの端をびよーんと伸ばしてしまうセレッソ。
それを、御剣 刀が言葉少なにひょいと軽々と抱え上げて、あっさりと持ち運んでしまう。
気が付けば、途中で、物足りないとばかりにもう一個を肩の上に抱え、玄関の外へと運んでいくその姿を、セレッソはつい尊敬と憧れに似たまなざしで眺めていた。
「……ハッ！ ボンヤリなんかしていられないのヨ！
なら、ワタシも出来ることやるのヨ！！」
ゴミ袋が２個減っただけで、多少綺麗を感じられるようになった(感性が麻痺し始めている)玄関に、手付かずのゴミ袋をマンションの廊下に引っ張り出して。
さっそく、セレッソは袋を開けて燃えるゴミと燃えないゴミの分別を始めた。
しかし、ビニール袋を一旦開ければ、燃えるゴミも燃えないゴミも殆ど全てがいっしょくた。
あまりの酷さに泣きたくなって、それでも頑張るセレッソに、ふと背後から声が掛かった。
「う～ん…ねぇ、君。
こっちは分別までは出来たんだけど～、袋に入れる作業が思いの外大変で……」
刀や他の有志が運び出したスペースで、こっそり器用にゴミの分別を始めていた灰鐘 ショウジがセレッソにこっそり声を掛けてきた。
セレッソの瞳が喜びに一気に輝きを増す。
「ワタシに任せてなノ！！」
こうして自分の仕事を見つけたセレッソは、生き生きとゴミをざーっとうっかり部屋の中で広げてしまい、
「分別はマンションの外の廊下でー！
これじゃ、いつまで経ってもフローリングが見えないじゃないかー！」
と初島 優に、ショウジ共々、玄関外の通路にポイされたのであった。
ゴミの分別を含めた掃除は、玄関外にまで及んだ予想通りの大仕事となったのである。
そして、ゴミ袋は少しずつだが、着実に、外へと運び出され始めた。
その頃、飛び出しては帰ってきた優梨乃が、殺虫剤とゴム手袋を、台所への活路が開けた玄関との間に並べて『ご自由にお取り下さい』と紙を三角に折って看板を作る。
効果は絶大、あっと言う間にそれらは人々の手に渡りその場から無くなった。
そして、先程からメモを片手に腕を組んで状況を見据える少年、添木 千唐に優梨乃は手に持っている何かの用紙をその手に渡した。
……それを見た千唐の口の端が、僅かに持ち上がったのを見た人間は少ない。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年06月21日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年06月28日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年06月28日 11時00分
