1-4組、担任の
久保田 美和先生は悩んでいた。
昼間は授業、夜はテスト作りに追われて疲れていた。
今となっては、過去に毎日のように繰り出していた合コンに行く気力すらない。
そんな美和先生の疲労は日々蓄積されていく。
ただでさえ、家事が得意とは言いがたかった美和先生の体力はもう既に限界に近く、最近の夕食はいつも、もっぱらコンビニ弁当。
シーサイドタウンに、先生のお給料にしてはちょっと無理して借りた広いマンション。それが、部屋には生徒の傾向を見る為の答案用紙が散ら張り出したのを皮切りに、どんどん睡眠時間も削れ、朝は寝坊寸前に起きるためゴミ出しすら間に合わない。
台所には、せめて洗って出さなければと最後の理性で台所に運ばれたコンビニ弁当のプラスチックパックの山。部屋のあちこちにはビニール袋に入れて結ばれた可燃ゴミと不燃ゴミ。
いつしか、一人暮らしにやや広すぎる家は、季節感を無視したこたつすらをも片付けられず、袋に詰まった燃えるゴミや燃えないゴミや『よく分からない何か(生命体らしきことは目撃されている)』の巣窟となっていた。
現代文を受け持つ先生は、ついに授業を放棄して、教卓に突っ伏して泣き出した。
「これじゃ念願の彼氏が出来ても、部屋に呼ぶことすら出来ないじゃない!」
そして先生は、ある日、皆にこう言い出した。
「──でね、この例文はこうなる訳よ。ところでこれ余談なんだけれども~…
先生ねっ、この例文を見ていたときに最近思うようになったわけ。『ああ、もしかしたら私もこの話のように、オトコに料理を振舞うような光景が起こるかもしれない! どうしようっ!』って……!!」
うっとりしつつ、キャッと幸せそうに頬に手を当てながら。しかし先生は困ったように話を続けた。
「……けれども、先生の部屋、オトコを呼ぶにはちょっと汚れているというか、何というか……
ねっ? だからお願い! 先生を助けると思って部屋の片付けを手伝って!!」
それからの美和先生は頑張った。授業の合間に、休み時間に、空いている時間があれば生徒の雑談の隙間に。
無意識の必死さで、次々とその話題を生徒達に刷り込んでいったのである。
そして、先生に同情した者、あるいは噂を聞きつけ、一目その先生の部屋を見てみたいなど、さまざまな理由を持つ生徒が集まった。
しかし、久保田美和曰く、一世一代の片付け日に集まった生徒達は、そのマンションの光景を見て愕然、または戦々恐々とした。
漂う異臭、ナニカが詰まったビニール袋によって足を踏み入れることすらままならない玄関。
「あ、それ生ゴミじゃないから、踏んづけて上がっちゃってー」
既に部屋の中に入った、決してそういう問題ではない美和先生の声が聞こえてくる。……生徒達は覚悟を決めた。
『俺達が戦うのは、部屋じゃない──この正真正銘のゴミ屋敷だ!』
初めまして、皆様の不思議な寝子島ライフのお手伝いをさせて頂くことになった冬眠と申します。
今回はテスト準備で疲れ切った1-4組担当、久保田美和先生のマンションの片付けがミッションです。
マンションは既に魔窟と化している為、一筋縄ではいきませんが、片付け中、家のあちこちを美和先生が心配でふらふらと見て回っています。遭遇することもあるかもしれませんが、あくまで見て回っているだけで片付けません。手伝おうとはしますが、余計に邪魔になり片付きません。(戦力外通知)
ミッションは、マンションの片付けですが、サンプルアクションを参照にして頂けると、結構ご自由にして頂けるシナリオとなっております。皆様奮ってご参加ください。
無事に家が片付くことを祈りながら、次はリアクションでお会いできたら幸いでございます。
宜しくお願い致します。