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寝子島高校
【球技大会】とびきり熱い空の下(後日談)
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星ヶ丘にポツンと置き去りにされたような洋館が建っている。その外観から
Chambre des écarlate
という名で呼ばれていた。
現在の管理者は
ロザリー・マルリアーヴ
であった。今日は早くから食堂に籠って手作りの焼き菓子に励んでいる。銀色のトレイにはマカロンとクッキーが整然と並べられていた。別の器には焼け焦げた物が山積みになっていた。歪な形の物が多い。
ロザリーは一つを摘まんで口に入れた。数回の咀嚼で飲み下す。
「……独創的な味ね。これは住人の皆さんのプレゼントにすればいいわ」
柔らかい笑みを浮かべた。トレイの焼き菓子を容器に収めて紙袋に入れる。着ていたエプロンを脱いで寝子島高校の制服姿となった。
「喜んでくれるかしら?」
金髪の髪を弾ませて食堂を出ていった。
寝子島高校の北校舎と南校舎に挟まれたところにテラス席がある。横手には噴水があり、清らかな水の音が耳に心地よい。
その一角にロザリーは座っていた。テーブルの上には持参した紙袋が置いてある。
「待たせてしまったか」
声の方を振り向くと
伊勢 エリカ
であった。銀色の長い髪を靡かせて空いている隣のイスに腰を下ろす。手に提げていた鞄は足元に置いた。
「それ程でもないわ。エリカちゃん、クラブで忙しそうね」
「そうだな。華道部の部長として部員を引っ張っていかなければいけない。花展を想定した活け花は心身が引き締まって実にいい」
「じゃあ、息抜きにどうぞ」
ロザリーは紙袋から容器を取り出した。蓋を開けるとマカロンとクッキーが綺麗に並べられていた。
「ほう、これは嬉しい差し入れだな。マカロンと、それはクッキーか。実に美味しそうだ」
「手作りだから味の方は、どうかしらね」
「では、遠慮なく頂くとしよう」
エリカはクッキーを摘まんで齧った。口の中で音が弾けて自然と笑みが浮かぶ。
「これが手作りなのか? 市販品に負けていないぞ。うむ、実に美味い!」
「喜んで貰えて嬉しいわ」
ロザリーは胸元で両手を合わせて微笑んだ。
「マルリアーヴは手先が器用なのだな。球技大会の時にも私の髪を結いあげてくれた。あの、あれだ。複雑なお団子は良かったぞ」
「シニヨンのことね。解くのが惜しいくらいに似合っていたわ。私の腕というよりもモデルが良かったからね。とても可愛らしかったわ」
「可愛いとはあまり言われたことがないので新鮮な気分だ。それとマルリアーヴ、その器用さは十分に誇っていい。謙遜は必要ないぞ」
「ありがとう。喜んで言葉を受け止めるわ」
ロザリーは頬をほんのりと染めた。
「貰ってばかりでは格好が付かない。私は飲み物を提供しよう」
エリカは鞄の中から紙コップと大きめの水筒を取り出した。
隣で注ぎ入れる様子を見ていたロザリーは納得の表情で言った。
「その色は緑茶ね。華道部らしいわ」
「ふむ、大したことはない。ただの玉露だ」
誇らしい顔のエリカにロザリーは微笑んだ。
「ありがたく飲ませていただくわ」
「ただの玉露だ。気楽に味を楽しめばいい」
自身にも注いでグイッと呷る。マカロンに手を伸ばし、一口にした。
ロザリーは緑茶を飲んだあとに大きく息を吸い込んだ。
「甘くて優しい味がするわ。息を吸い込むと森の匂いがして、夏をとても近くに感じるわね」
「マルリアーヴは詩人だな。このマカロンもサクサクしていくらでも食べられそうだ」
「嬉しいわ。あら、美野梨ちゃん」
講堂の方から
神野 美野梨
が歩いてきた。二人に気付いて後輩らしく会釈を返す。
「先輩方、球技大会の時にはお世話になりました」
「話は座ってからでも遅くないわ」
ロザリーは空いているイスに手を向けた。
「ありがとうございます」
美野梨がイスに座ると、エリカとロザリーは同時に緑茶と焼き菓子を押し出した。
「ただの玉露だ。遠慮なく飲めばいい」
「こちらも遠慮しないで食べてね」
二人に笑顔で勧められた。美野梨は表情を緩めた。
「お気遣い、ありがとうございます。遠慮なく、いただきます」
美野梨はクッキーを摘まんで一部を品よく齧る。食感を楽しむように口を動かす。
眼鏡の奥の目がクッキーの断面に注がれた。
「適度な歯応えと溶け具合が良くて美味しいです。もしかして手作りですか?」
「そうよ。気に入ってくれたみたいで良かったわ」
「私の玉露も飲んでくれ。大したことはない、ただの玉露だ」
エリカは腕を組んで言った。
「いただきます」
紙コップの縁に唇を寄せて静かに飲んだ。美野梨は笑みを浮かべた。
「爽やかな甘みが口に広がって美味しいです」
「そうか。ま、ただの玉露だがな」
エリカは背筋を伸ばす。ロザリーは隣で微笑んでいた。
そこに声が飛び込んできた。
「やあ、みんな元気そうだね」
三人の目が噴水の方へと向く。
鎌八 まもる
は軽く手を挙げて白い歯を見せた。
「球技大会の水着姿の印象が残っているからかな。今日の制服が新鮮に見えるね」
まもるは湿った髪を乾かすように掻き毟る。その仕草に美野梨は不思議そうな顔をした。
「凄い汗の量ね」
「良い波が来ていたからね。サーフィン部としては見逃せないよ」
「サーフィン部って、サッカー部を辞めたの?」
「オレはサーフィン部の部長なのさ。もちろんサッカー部では守護神のキーパーとして健在だ」
まもるは最後にウインクを添えた。
ロザリーは嬉しそうな声を上げる。
「あらあら、こんな偶然ってあるのね。ビーチバレーのメンバーが全員、揃うなんて! まもるくんも早く座ってね」
最後のイスを満面の笑みで進める。美野梨の時と同じようにエリカとロザリーは飲み物と焼き菓子を差し出した。
全員が揃ったことでエリカの士気が上がる。
「球技大会は無事に終わった! ビーチバレーでは連携が決まって勝利を掴んだ。嬉しかったが、何よりも楽しめたことが最大の成果だったな! 鎌八の指導の賜物でもあるな! 神野とマルリアーヴにも助けられた! 私のアタックも冴えていて、全員が功労者と言えるな、うむ」
まもるは朗らかに笑った。
「みんなが練習をがんばったからな。即席のチームとは思えない仕上がりになった。特に二人の先輩には感謝しかない」
「あら、どうして?」
ロザリーは緑色の瞳をまもるに向けた。
「生意気な口を叩く年下のポニテ好きのオレの言葉を信じて付き合ってくれたんだからな。心の底からありがたいと思っているよ」
「先輩の顔を立ててくれてありがとう。私、普段はあまりスポーツをしないのだけど、やってみると、楽しいものね。サーブやアタックが決まると嬉しいし、ちゃんと打ち返せた時は、ほっとしたわ」
「マルリアーヴのトスは良かったぞ。私のアタックの精度を上げてくれた。鎌八のブロックは鉄壁だったな。キーパーの凄味を十分に活かしていたと思うぞ」
エリカは二人に向けて力強く頷いた。まもるは照れ臭そうに笑った。
「オレ自身のためにもなった。教えること自体は難しくないんだ。受け入れて貰えるようにすることの方が百倍、難しいと知ったよ」
「私達の頭が固いとも取られそうな発言だが、鎌八が学べたのなら大いに役に立ったとは言えるな」
「後輩の成長は嬉しいものよね」
ロザリーは紙コップの緑茶を飲んだ。事前に打ち合わせをしているかのように話が自然と噛み合う。
まもるは二人の様子を見て言った。
「先輩方は会話の連携もいいな。ビーチバレーの水着のデザインまで揃っていた。個性があって、それでいて二人が並ぶと完成した絵みたいだったよ」
「マルリアーヴと一緒に選んだ水着だ。動き易くて良い買い物だったな」
その言葉にロザリーは、そうね、と嬉しそうに答えてまもるに目をやる。
「まもるくん、ありがとう。私は個人的にはエリカちゃんと美野梨ちゃんの水着が可愛いと思うわ」
ロザリーの関心は美野梨に移った。当日のことを思い出しているかのように微笑む。エリカが、うむ、と相槌を打った。
「神野の水着はかなり際どかったな。あれはチューブトップというのか?」
「あの水着は知り合いから借りた物なので、特にデザインは気にしていませんでした。でも、際どかったですか」
まもるが美野梨の方に身体を傾けた。
「アレは危なかっただろ。オレがクモ男で糸を出してさりげなく守ったから良かったが、ビーチバレーのような激しいスポーツをする時は、もう少し考えた方がいいぜ。ま、似合ってたけどな」
「チューブトップってそんなに気になる物なの? 私のサイズならポロリの心配はないと思うんだけど。それより、鎌八くん。試合中にどこを見ているのよ」
すっと目を細くした美野梨がまもるに顔を寄せる。
「おいおい、勘弁してくれよ」
まもるは笑いながらマカロンを頬張る。急に顔色が悪くなり、急いで紙コップを掴んだ。
「慌てるからよ。この場合、あの時はありがとう、と言った方がいいのかしら」
「そのおかげで神野は頑張れてチームは勝てた。隠れた連携であったな」
エリカは満足げに言った。
「先輩方の力添えがあればこその勝利です」
「それは大いにあるな。さすがは私だ」
「エリカちゃんらしいわね」
ロザリーは紙コップの緑茶を静かに啜った。
一瞬の空いた間にまもるが滑り込む。
「あの時の約束って、まだ有効なんだよな?」
「もしかしてポニテのこと?」
美野梨の言葉に、それ、とまもるは笑顔で言った。
ロザリーは柔らかい表情で手を合わせる。
「そうそう、チームが勝ったら女子はポニーテールって言ってたわね。どうします?」
問い掛けるような目を二人に向ける。エリカは自身の髪を手で弄っていた。
「そのような約束があったな。それだけの成果を挙げたのだから、考えない訳にはいかないか」
「あの、私はあまり器用ではないので綺麗に出来そうな気がしないのですが」
「それならば心配ない。マルリアーヴがいるからな」
「私は自分で出来ますし、二人の髪も問題ないわ」
三人は目を合わせた。ロザリーは二人の意思を汲み取り、まもるに言った。
「食堂を借りてポニーテールに仕上げるわね」
「オレはそれで構わない。ああ、ようやくポニーテールが拝めるのか。
神野さんの鴉の濡れ羽色の艶やかなストレート。
ロザリー先輩の光輝な綿あめのような金髪。
そしてエリカ先輩の磨き抜かれた荘厳なシルバー。
全てが極上のポニーテールに生まれ変わるのか。素晴らしい。常春の世の到来だ」
まもるは恍惚とした表情で両手を広げた。
三人は立ち上がった。
エリカが二人を手で呼ぶ。
「鎌八の様子がおかしいのだが、大丈夫なのか」
「興奮はしていますが、正常の範囲に思えます」
「美野梨ちゃんの言葉を信じるわ」
ロザリーは二人を伴って食堂へと入っていった。
突然、大きな音がした。食堂にまで聞こえて三人は慌てて飛び出した。
「なんだ、今の音は!」
「鎌八くん!?」
美野梨が駆け寄る。まもるが仰向けに倒れていた。イスに座った状態で笑っている。
「……三色の、トリプルポニテが、青空にマリアージュ……今、オレだけに微笑む。天使が飛び交って……ハーレルヤ……ポニテの女神に、感謝を。チームまえみろに……祝福を……」
「はしゃぎ過ぎて倒れたのか。頭をぶつけたようだが」
エリカは顔を近づける。まもるは笑った顔で目を閉じていた。耳を寄せると微かな寝息が聞こえてきた。
「寝ているようだ」
「びっくりしたわ……さっきのチームまえみろって何のことかしら?」
ロザリーはまもるの顔を覗き込みながら口にした。
「……私達の名前の頭文字を繋げて『前みろ』ってことでしょうか」
「うむ、それだな。チーム前みろか。悪くないな」
「また、この四人で何かしたいわね」
ロザリーはしゃがんで、まもるの乱れた前髪を手で綺麗に揃えた。
「いいですね。先輩方、その時はまたよろしくお願いします」
「ああ、こちらもよろしく頼む」
「楽しみだわ」
三人はまもるを取り囲むようにして微笑みを交わした。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
4人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
スポーツ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月14日
参加申し込みの期限
2018年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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