【中間テスト】ウォルター先生の勉強会｜リアクション

【中間テスト】ウォルター先生の勉強会

（ここの表現はどうしたものかな）
　修が気合を入れて挙手します。
　やってきたウォルター先生に、修は英語で質問を始めました。
（会話も授業ではあまりできない事だからね。最大限吸収したい）
　ウォルター先生は楽しそうに英語で答えます。
「ほえ、シュー君は実戦的英会話？　イイなぁ」
　美咲紀が言いました。
「私はとにかくテスト対策最優先で。でも、確かにこの勉強方法はツマンナイのです」
　そう言うとごそごそと何か取り出します。
「息抜きに英語版のアーサー王物語を持ってきました。子供向きなので簡単な英語なのです」
「面白そうだね」
　あおいが言いました。
「判んない単語は辞書で調べて。それでもワカンナイ所は先生に意味を聞いて。大雑把なアラスジは知ってますし。某ゲームで登場する人物達の美麗なイラストでこの物語を脳内再生するとですね。否が応にも理解が進むのですよ」
「へえー、そうなんだ」
　感心していますがゲームは知らないあおいです。
「萌えは学習の起爆剤なのです。擬人化して覚える勉強法とかと似たアレで。教科書内容もそんな感じで脳内萌え化で」
「そういえば図書館にもそういう本がありました」
　図書委員である綾花は頷きました。
「先生、ここの意味を教えてほしいのです」
　修の質問が終わったところで声をかけると、ウォルター先生は懐かしそうな顔になりました。
「アーサー王か。なんとなく覚えてるよ。この部分はね……慣用句なんだ。だから……」
「なるほどなのです！　どうも意味が通らないと思ってました」
「そんな使い方があるんですね」
　話を聞いて綾花も教わってる感覚になっています。
　その時、コックが入って来ました。
　コックの目配せを見て先生は言いました。
「さて、夕食の時間かなあ」

「待ってました！」
　ののこが目を輝かせます。
（星ヶ丘だからきっと凄いのが出たりして）
　ののこほどはしゃぎはしませんが、桜も期待していたりします。
　台所から現れたコックが、テーブルに皿やグラスを並べていきます。
　並べられた料理は、湯気のたったビーフシチューにスープパスタ、サラダにライスにパン、チーズほかオードブル……
「異世界とまではいかないけど、やっぱり豪華」
　期待にたがわぬ料理に、桜は急にお腹がすいてきました。
「いただきます！」
　皆が言い、食べ始めます。
「おいしい」
　生ものはなく、桜の苦手な辛い料理もありません。
　栄養と消化を考えて作られたメニューなのがわかります。
「食べすぎないようにしよう。満腹だと眠くなるしな」
　美味しそうな料理に唾を飲み込みながら亮は言いますが。
「でも食事を残すのは以ての外だ。できるだけ完食しよう」
「無理はしなくていいよ。もらったお菓子もあることだし」
　ウォルター先生は言います。

「おいしい！」
　スープパスタをすすったののこが幸せそうに言いました。
「ほんとにおいしいね」
　あおいも言い、修は微笑みながらその様子を見ていました。
　料理の味も満足のいくものでしたが、あおいと目が合うと自然と気持ちもぽかぽかになるのです。　
　美味しく食べた後のデザートはメロンのスイーツで、皆はまたまた満足したのでした。