【中間テスト】ウォルター先生の勉強会｜リアクション

【中間テスト】ウォルター先生の勉強会

　中間テスト前日、桜花寮。
　１年生の水上桜は少しイラついていました。
（……勉強しなきゃならないのに、集中できない）
「ちょっと気分転換でも……アクセサリーを作ろうかな」
　口から出た言葉に、ハタと気づいて頭を抱えます。
「こんなことやってる場合じゃない！」
（……誰かと一緒に勉強したらやる気が出るかな）
　そんなことを思いながら覗いたねこったーに、その書き込みがありました。
「ウォルター先生が自宅で勉強会を？　場所は星ヶ丘？」
　星ヶ丘寮にはお泊り交流会と三寮祭に参加して行ったことがあるけれど。
（異世界よね……）
　ため息をつきつつ思います。
「場所を変えたら気分一新で勉強に集中できるかも」

「ウォルター先生のお家……そうだ、ののこちゃんも誘ってみようかな？」
　恵御納夏朝も参加を決めました。
　野々ののこの赤点回避を兼ねて誘えれば、と思った夏朝はののこを探しに行き。
「あっ……」
　食堂で遠くからも目立つアホ毛を発見し、先客を発見したのでした。
「野々さん、ウォルター先生の家で勉強会があるんだって。一緒に参加しない？」
　佐藤英二は、ののこを勉強に誘うには良い機会だと考えていたのでした。
（早めに留年の危機を回避しておきたいけど……難しいかなぁ）
　去年ののことクラスメートだった英二は、学年末のののこの進級崖っぷち状況をよく知っていたのでした。
「ウォルター先生のおうち？　行く行く！」
　ののこは目をキラキラさせて頷き、様子を見ていた夏朝もほっとしたのでした。

　星ヶ丘では椿美咲紀が興奮していました。
「射撃部顧問のウォルター先生が勉強会！　射撃部員として参加しない訳にはいかないのです」
　さらに美咲紀は気づきます。
「や。それよりも。英語は得意じゃないから勉強しなくちゃいけないのですし。ならば先生に直ぐ聞ける方がいいじゃないですかぁ。なんという【かんぺきなさくせん】!」
　勉強、という言葉で美咲紀の頭には、射撃部部長である八神修の顔が浮かびました。
「あっ、シュー君にも連絡するのです」
　その頃、修は七夜あおいに電話していました。
「ウォルター先生がご自宅で色々教えてくださるそうだよ。こんな機会は滅多にないし、あおいも一緒にどうかな」

「ウォルター先生は英語得意そうだし、色々教えてもらおう」
　新田亮も勉強会への参加を決めました。
（先生のプライベートな時間を使うんだから、何か持っていこう。そういえば前に学校でクッキー作りをしたんだよな）
「よし、その復習もかねてステンドグラスクッキーを作るか」
　料理好きで器用な亮は、丸いクッキーの中心に水飴でハートやダイヤ、クラブなんかの模様を付けました。
　試食してみると、なかなかいい出来でした。
「だが先生は金持ちだし、美味しいと思ってくれるのかな？」
　少し自信がなくなった亮ですが。
（まぁ考えても仕方ない。持っていけば分かるさ）
　悩むのをやめて、ラッピングを始めたのでした。

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