【中間テスト】ウォルター先生の勉強会｜リアクション

【中間テスト】ウォルター先生の勉強会

　夕食後、コックさんが淹れてくれたお茶と共に、何人かがお土産に持ってきたお菓子がテーブルに並べられました。
「これは私が焼いてきたバウムクーヘン。良かったら」
　アリシアがバウムクーヘンをみんなに分けます。
「ありがとうございます」
　綾花がお礼を言って、あおいと一緒にバウムクーヘンを食べました。
「とても美味しいです」
「わーい！　バウムクーヘンも、クッキーも、ステンドグラスクッキーもおいしい！」
　ののこはどうしても食べ物に集中してしまうようです。
「喜んでもらえてよかった」
　バウムクーヘンを分けた後、アリシアは、引き続き英語の説明を始めました。　
「英単語はルーツから覚えると覚えやすいの。例えば、Hamburger（ハンバーガー）という単語。語源は、ドイツの都市Hamburg（ハンブルク）の肉料理から来ているわ」
「なるほど。ハンバーグのことだよな」　
　亮が感心しました。
「それから、英語では主語を略さないことが多いけど、日本語は主語を略すことが多いわ。和訳するとき、I（私）やYou（あなた）などを全て直訳していたら日本語文がぎこちなくなるから気をつけてね」
「……ふむん、なるほどです。ありがとうございます」
　七瀬も頷きます。
「このクッキー、おいしいよ。よくできてる」
　ウォルター先生は亮の手作りクッキーを食べて笑顔を向けてくれました。
「どれどれ……、うん、おいしかです」
　七瀬も一つつまんで満足そうに言いました。
「良かったです。バウムクーヘンもとても美味い」
　バームクーヘンを食べながら、亮はほっとして言うのでした。　

　綾花とあおいはウォルター先生のところに向かいました。
（２人で考えてもわからなかったし、先生の教え方はわかりやすいのでお願いしましょう）
「先生、この問題の接線の方程式の求め方が分からなくて……」
「ああ、ここはね……」
　教科書を受け取り、ウォルター先生はわかりやすく教えてくれました。
「ありがとうございます」
　席に戻り、無事問題を解いた綾花たちですが。
「あれ、ここどうだっけ、さっきとちょっと違うよね……」
「あ、そういえばそうですね、どうすればいいんでしょう」
　少しひねった問題につまずいて、あおいは先生のほうを見ましたが、もう別の人に教えているようです。
　あおいの手元を見ていた修が、
「f ′ (a) は，x＝a における接線の傾きだ。どこを代入すればいいかな？」
　小さな声で手助けしてくれました。
「あ、そうか！　ありがとう修くん」
　はっとした顔になったあおいが、修に笑顔でお礼を言いました。
「ありがとうございます」
　綾花もすっきりした顔に笑みを浮かべました。

「ふわあ……」
　おなかいっぱいになって眠くなったののこは大きなあくびをしました。
　つられて夏朝もあくびをしてしまいました。
「……合間に他の科目や猫さん要素を交えつつ勉強しようか」
「えっ」
　聞き返した英二に夏朝は言います。
「……に、苦手なものばっかりだと気が滅入るかと思って……！」
「そうだよー、難しいと寝ちゃうよ～」
　ののこが賛成します。
「そうだね……」
　基本的にののこに甘い英二、ののこのリクエストに応えて休憩タイム、お菓子タイム、雑談タイムなど頻繁に挟むことになってしまうのでした。

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