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Good Day!!~『somnium』~
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薄羽 白露
と
花風 冴来
がそのお店『somnium』を訪れたのは、雰囲気の良い喫茶店があるという噂を聞いたからだった。雑貨屋も兼業している喫茶店――そこは旅行が趣味の老夫婦が経営しているという。
シーサイドタウンの、一角。やって来たそのお店で白露と冴来の目にまず飛び込んできたのは、ガラスのショーケースに並べられた様々な、美味しそうなケーキだった。
これは、と白露が柔らかな苦笑いを零す。
「色々あって、目移りしてしまいそうだ」
「ええ、本当ね。――どのケーキも美味しそうだけど白露さんはどれにする?」
白露の言葉に冴来も大きく頷いた。ショーケースに並べられたケーキはどれもこれも美味しそうで、簡単にこれと決められそうにはない。
この中からいったい何を選ぶのかと、甘やかな期待と好奇心に輝く瞳で尋ねた冴来に、そうだな、と尋ねられた白露は軽く首を傾げた。改めてショーケースをじっくりと、端から端まで眺めやり。
「――僕はミルクレープをいただこうかな」
「そう。じゃ、私は苺のタルトにしようかな」
逡巡の末、白露と冴来はそれぞれ1つずつケーキを注文して、イートインスペースへと移動した。向かい合って座り、まずはと一口飲んだ紅茶は、老店主の高明さんのおすすめの銘柄だ。
ほぅ、とのどを潤す琥珀の液体に息を吐く。次いでケーキを一口頂いて、ほぅ、とまた感嘆の息。
「これは美味しい」
「タルトもとても美味しいわ。白露さんもどうぞ」
あーん、とタルトを一切れフォークにとって、白露の前に差し出してくる冴来は果たして、その意味に気付いているのかいないのか。にっこり微笑む少女はあくまで自然体で、けれどもそれゆえ自分自身の行動の意味にはきっと気付いていない。
ならばそれを暴く無粋などせず、ありがとう、と白露はありがたくタルトをぱくんと頂いた。お返しに、と同じように自身のミルクレープを一切れ彼女の口元へ差し出せば、まるで親鳥に餌をもらう雛のように、ぱくん、と躊躇いなく口にする。
ふふ、と冴来がおかしそうに笑った。白露に食べさせてもらったら、なぜだろう、普通に食べるよりケーキが美味しく感じられる。
そんな甘い少女の笑みに、思わず白露の唇からもくすりと笑みが零れた。その様子がはたから見ても微笑ましかったのだろう、ふと視線を感じて振り返れば老夫婦が、にこにこと微笑みながらこちらを見つめているのに気が付いたけれど、不思議と嫌な気はしない。
そうだわ、と冴来が老夫婦に声をかけた。
「海外旅行がご趣味と聞いたのだけれど、フランスに行ったこともあるんですか?」
「そうだね、フランスにも何度か行ったかな」
「お嬢さんはフランスがお好きなのかしら?」
冴来の言葉に老夫婦がひょいと顔を見合わせてから、にっこり微笑んでそう尋ねる。それに冴来は、いえ、と小さく首を振った。
フランスは確かに彼女にとって意味のある場所だ。彼女が生まれたはずの場所――けれども冴来はその国のことを、これっぽっちも覚えていない。
だから、もし迷惑でなければフランスの話を聞きたいと思った。それからもちろん、その他の国の話もたくさん。
そう告げた、冴来の言葉にそうだね、と白露も頷いた。
「僕自身も出歩いたことはあるけれど、海外に行ったことがないからぜひ、思い出や、どんな景色だったのか聞かせてもらえたら嬉しいですね」
そんな白露と冴来の言葉に、あらあら、と嬉しそうに伊都子さんが相好を崩した。そうして夫を振り返りながら、フランスはどこが良かったとか、一番お気に入りの景色はイギリスにあって、といったことを楽しそうに話し始める。
巡った場所。出会った人々。美味しかった食事やお菓子。可愛らしい民族衣装。
それらを「あんな事もあったね」「あれも素敵だったわね」と楽しそうに話す夫婦は、見るからに仲が良さそうで、それこそ素敵な在り方だと冴来は目を細める。とても幸せそうで、とても憧れる存在。
聞けばお店に飾られた装飾品はもちろん、売り物として並べている雑貨も旅先で買い求めたものが多いらしい。良かったらそちらもぜひ見て行って、と老夫婦に勧められた白露と冴来は、折角だから、それらの雑貨も見ていくことにした。
まるでそれ自体が店の装飾のようにも見える品々は、見たこともないような雑貨も数多く揃えられている。綺麗な細工のものから素朴な手作り感あるものまで、その様はまさしく、お気に入りの品々を大切に集めた宝箱のようにも見えて。
否――先ほどの老夫婦の様子を思い出しながら白露が呟いた。
「この店はまさに夫婦の宝箱だったりするのかな」
そうかも、と白露の言葉に頷いた冴来はふと、目の端に留まったネックレスを振り返った。綺麗な銀の飾りのついたネックレス――よく見ればそれは銀色の繊細な細工を施した、鈴のような形をしている。
そっと手に取って転がしてみれば、しゃりん、と震える音色がした。その繊細な音色も、このネックレスそのものもなんだか、白露に似合いそうだと思う。
確かめるように頭一つ高い相手の顔を見上げてみたら、ちょうど見下ろしてくる眼差しとぶつかった。うん? と尋ねるように微笑む白露に、知らずほんのり頬を染めて首を振り。
他にもあれこれと雑貨を眺め、2人楽しく過ごした帰り道。
噂通り良いお店だったねと、笑いかけた白露に冴来がそうね、とほんの少し上の空に頷いた。それから、そうだわ、と思い出したように――あくまでそんな素振りで、綺麗な紙袋を取り出す。
どうぞ、と手渡した。
「白露さん、これをどうぞ。ガムランボールというのですって」
「ガムランボール……?」
冴来の言葉に小首を傾げながら、白露は受け取った紙袋の中身を覗き込んだ。そうして、そこに入っていた銀色の精緻な細工の、ころんと小さな鈴飾りをあしらったネックレスに軽く目を見張る。
そんな白露の表情に、少なくとも迷惑ではなかったようだとほっとしながら冴来は、このネックレスはバリに伝わるお守りの鈴をあしらっているらしい、と説明した。なるほど、と頷きころりと手のひらで転がしてみれば、しゃりん、と繊細な音色が響いてくる。
これを一体、彼女はどんな顔で買ったのだろう。そんな事を想像するとくすぐったくて、くすりと笑いながら白露はさっそく、そのネックレスを身に着けてみた。
どうだろう、と微笑み冴来を覗き込む。
「似合うかな、お嬢さん」
「――ええ。とっても似合うわ、白露さん」
そんな白露の問いかけに、冴来は満足そうに微笑み大きく頷いた。繊細な銀細工も、同じくらい繊細で神秘的な鈴の音も、思った通り白露に誂えたようにぴったりだ。
そう、まっすぐな好意を乗せた眼差しに、白露はふぅわり目を細めた。ありがとうね、と微笑む。
「大事にするよ」
「――ええ」
ガムランボールを指先で弄びながら、そう告げた白露に冴来は幸せな微笑を返した。『somnium』で見つけた後、白露が別の雑貨を見ている隙にこっそり伊都子さんに由来を尋ねて買ったネックレス、喜んでもらえて良かったと思う。
――その微笑に温かく満たされる胸の想いを、けれども冴来はまだ知らない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月02日
参加申し込みの期限
2018年03月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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