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風にのったラブレター
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【対決・解決・お寿司屋さん】
息を切らしながら走っていた
串田 美弥子
と出くわして、ラブレターの話を聞いた
綾辻 綾花
は、すぐさま協力を申し出た。
「あれ? この匂い……」
紙をくんくん嗅いでみると、ほんのり魚に匂いがするような。
「えっ、そう? このへんにお魚屋さんあったかな? 綾辻さん知ってる?」
「あ! お寿司屋さんがすぐ近くにありますよ」
(お寿司……。お腹がすきましたね)
綾花がお腹をぽんぽんとさする。
「よかったら、今からお寿司を食べに行きませんか? そこできいてみたら、何かわかるかもしれませんし」
「私も走ったらお腹がすいちゃった。いいね、一緒に食べようよ」
お寿司を食べるのは久しぶりだ。しかも友だちと一緒だと思うと、なんだかちょっぴりわくわくする。
「綾辻さん、何食べるの? 私迷っちゃうな」
「そうですね、エビとイカの握りが食べたくなってきました」
「あー、いいね! お寿司屋さんは、あのお酢の香りが食欲をそそるのよねー」
「私も、ついあれこれ食べたくなっちゃいます」
「うんうん。……あ、ここじゃない?」
美弥子が看板を発見して、立ち止まった。『笹寿司』。でかでかと墨で書かれた文字は達筆だ。
「あら、あれは……?」
扉に手をかけた美弥子を、綾花は止めた。
「おかしいですね。あそこに店主さんがいますよ」
路地に目を向け、気がついた。店の裏口の前に、強面で知られる笹寿司店主の佐々が、しゃがんで何かをやっている。
「どうしたんでしょう、あんなところで」
美弥子と二人、見つめ合う。
「あ! いたいた、君たち、探したよ!」
振り向いた美弥子が、「あー、伊賀さん」と、手を振る。
やってきたのは、
伊賀 解理
。美弥子とは同じクラスだ。
和紙、笹の葉、猫が好む匂い。この三点をもとに、解理は寿司屋に目星をつけた。
寿司は和風の食べ物だし、よく酔っ払いオヤジが寿司を持ち帰る時に使うのも笹の葉だ。
そしてやってきてみれば、まんまとラブレターを手にした美弥子に会えたというわけだ。
「君らが持ってるその紙が話題のラブレターなんだろう、見せてくれないかい」
「もちろんいいよ」
美弥子から紙を渡され、つぶさに観察をする。
まさかこの電子機器時代に、これほど前時代的なものを見る機会が来ようとは思わなかった。感銘すら受ける。
そうこうするうち、あちこちの路地から顔をのぞかせる猫が、足元をうろちょろしだす。
鼻をひくひく動かして、物欲しげにうろうろする様を見て、やはりこれかと思う。
(猫が寄ってくるという噂は本当か。猫だもの、魚介類が大好物のはずだ。とすると、やはり寿司屋……!)
「しっかし、この文章……」
ぼやいてしまうのも仕方がないだろう。クサい、ダサい、はずかしい。
(こんな一文で恋文とは、よく言えたもんだねぇ。見様によっては、ただの痛いポエムだよ)
「これで恋が実るとは思えないがなぁ」
渋い顔をする解理に、綾花は言う。
「ラブレターの真相、気になりますね。本物のラブレターなら素敵なんですけど」
「うーん、少なくとも、書いたやつの顔くらいは見てみたいね」
(まあ手っ取り早く、ここは直接、確かめに行くべきか)
「よし、どうだね、寿司屋の店主にでもきいてみるというのは。君たちおねが……」
「それなんだけどね、伊賀さん」
美弥子が裏口を指さした。
「ちょうどそこにいるのよ。こわーい顔をして、何かしてるの」
「へ?」
見ると、たしかにいかつい顔をした中年男性の姿がある。
(うえぇ、おっかないカオしたおっさんだなぁ)
「ちょっと声はかけづらいけど、ちょうど一人でいることだし、よかったね」
あっけらかんと美弥子が言う。
「え、えっ?」
(あれ、これってもしかして、言い出しっぺがやるパターン……?)
「いや、それだがね……」
「私もついていっていいですか? やはり興味があるので」
「あ、いや、えぇ?」
やんわりと、綾花にも背中を押されて、解理は胸の内で叫んだ。
(くぅ……っ、もしもこの、見た目気弱っ子の僕が一喝されたら、君たちを恨むぞぉ……!)
それほど佐々の顔は怖い。
「うぅ、……わ、わかった」
気が進まないまま、よろよろと路地へと進む。
「あのぅ」
勇気を出して、手紙を店主につきつけた。
「つかぬことを伺いますが、この恋文を書いたのは、あなたですか?」
「む……?」
解理の手元に目を向けた、佐々の眉間に、ぐぐっと深いシワが寄る。
「恋文だと?」
顔に劣らぬドスのきいた声に、解理の背筋がぴんと伸びる。
「私たち、この紙をさっき拾ったんです。持ち主を探してるの」
美弥子が言えば、佐々は三人の高校生の顔を不審げに見つめた。
「……この紙はたしかに俺が書いて投げつけたものだ。――が、恋文というのは何の話だ」
「えっ、恋文じゃないのかい?」
そのとき、解理は気がついた。佐々が地面に、ミルクを置いていることを。
どうやら同じことに気づいたらしい綾花がたずねた。
「もしかして、店主さん。これって魚を猫にとられた心境を書いてたりするんでしょうか?」
(おおお!?)
佐々は立ち上がり、拳でぐいと額をこすった。
「こんな殴り書きでよくわかるな。賢い嬢ちゃんだ」
「わあ、正解ですか」
言ったそばから、猫がぴちゃぴちゃミルクを舐めだす。
「猫がお好きなんですね」
「それは誤解だ。好きだなどと、とんでもないぞ」
綾花の発言を、佐々は真っ向から否定した。
「嬢ちゃん、言ったばかりだろう。俺は魚をとられて頭にきてる」
「え、でも、そのミルクは……?」
「これはだな」
佐々は口をへの字に曲げて、視線を逸らした。
「あー……、実は、魚をとられたときに、怒りにまかせて、猫をえらく怒鳴りつけちまってな」
しぶしぶ、佐々は説明をした。
「そりゃあもう、ふてぶてしい態度で目に余るもんだから、……紙飛行機まで作ってぶつけちまったし、怯えさせちまったかと、いくらか後悔してるんだ」
「はあ。……はあぁ!?」
(うっわ、しょうもないおっさんだなー!)
「なるほど、そうだったんですか。やりすぎてしまうことって、ありますよね」
綾花は佐々に理解を示すが、解理はすっかり拍子抜けだ。
「で、その猫は?」
「グレーのぶち猫だったんだが、昼から見ない。わびるつもりで牛乳も買ってきたんだがな」
「きっと、そのうちまた現れますよ。その猫、このお店が好きなんだと思いますよ」
「そう……だな」
ミルクにたかる猫の中に、グレーのぶちはいない。
「よーし、じゃあこれで一件落着だね。お寿司食べようよ」
美弥子がそう言って、解理の手から紙を奪う。
「なるほどね、やっぱりラブレターじゃなかったんだよ。教えてあげないと……」
飛行機を折り折り、つぶやきながら、正面の入り口へと向かう。
佐々も、「おう、腕をふるうか」などと、気を取り直した様子で裏口から姿を消した。
綾花が、解理も一緒に食べないかと誘いをかけ、それに返事をしようとしたときだった。
「ひっ」
前を歩いていた美弥子が、突然怯えた声を発した。
美弥子の視線の先には、男子生徒。――こちらもまじまじと美弥子を見つめる、
草薙 龍八
の姿があった。
「お、なんだ、また会ったか。俺からは逃げられないってことじゃないのか?」
龍八の目がぎらっと輝き、美弥子は悲鳴をあげた。
「いっやあぁぁぁ……!」
美弥子は龍八に紙飛行機を投げつけて、脱兎のごとく逃げ出した。
「あっ、どこ行くんですか……?」
綾花が手を伸ばすが、美弥子の姿は既にない。
「ああ、どうしちゃったんでしょう、残念……」
龍八に払いのけられた紙飛行機は、ふわふわと風にのり、猫たちがミルクを舐める路地の方へと飛んでいった。
【そして最後に】
「ふふふ、ぬこぬこ……」
ミルクを舐める猫を発見した
黒兎 都
が、遠くからあたたかい眼差しで見守っていた。
今日の放課後だけで、このあたりの地理にはくわしくなった。
都は最近転校してきたばかりで、部活にもまだ入っていない。
せっかくだから道でも覚えようかと、寄り道をしていたら、出会うこと出会うこと、評判にたがわず猫が多い。
ぬいぐるみのような小さな身体を寄せ合い、皿に顔を突っ込む様子は、たまらなく愛らしい。
店主の佐々の声が大きかったから、おおよそのあらましは理解していた。
放っておいても猫が寄ってくるなんて、贅沢な悩みだと思う。
(これだけぬこいるなら、一匹くらいはウチにも懐いてくれる子がいるかも)
都と目が合うと、猫はもれなく逃げるのだ。
意識せずにすれ違うぶんには平気なのに、見つめてしまうともう駄目だ。
(触りたいなぁ。モフモフ、なでたい、もふりたい。喉の下、指先で掻いてやったらゴロゴロしてくれそう……)
都はこんなに猫が好きなのに、愛情が一方通行だなんてやりきれない。
そんな都のもとに、飛んできたのは紙飛行機だ。
「これは……っ!」
本屋の前でも見たではないか。これを持っているだけで、猫が寄ってくるという魅惑のアイテムだ。思わず小さくガッツポーズをとる。
「おいで猫! さあ、おいで!」
紙をかかげ、都は路地の猫たちに近づいていった。
猫が、うにゃーっと鳴いて、都に気づいた。じっと見つめ合うこと、一秒、二秒……。
「ああっ」
猫がぴゅーっと逃げ出した。――虚しさが、風とともに都に吹きつける。
「そんな……」
うなだれる都の視界の端を、一匹の猫がかすめる。グレーのぶちの猫だった。
離れたところで都の様子をうかがっている。気になるけれど、近寄りたくない。そんな態度でうろうろしている。
「……しょうがないなぁ」
都が下がると、猫が進む。じわじわ、じわじわ動いていって、やがて猫は、ふんふん鼻を鳴らしながら佐々の用意したミルクにぺろりと口をつけた。
(まあいいか)
逃げられなかっただけでも前進だ。いつかなでられる日だってくるだろう。
「あんまり寿司屋に迷惑かけるんじゃないぞ」
そう声をかけて立ち去る都に、猫がにゃおんと一声鳴いた。
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あとがき
担当マスター:
瀬野 とうこ
ファンレターはマスターページから!
おつかれさまでした。ご参加ありがとうございます。
一本目ということで、試行錯誤しながらでしたが、皆様日常は満喫できていたでしょうか。
人の数だけ、いろいろな放課後の過ごし方があって、とても楽しく書くことができました。
アドリブ度をSにしてくださる方が多かったので、遠慮なくアレンジさせていただきました。
ちょっとどきどきしちゃいますが、楽しんでいただけていたらいいな。
それではまたいつか。ありがとうございました!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月02日
参加申し込みの期限
2012年12月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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