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◆
あれはただの夢、そのはずだ。
頭では割り切っているつもりなのに、
タイラ・トラントゥール
の両の目はここ最近、気付けばあのツンツンした頭を見つけ追ってしまっていた。
忘れようと切り捨てたいはずが、心に浮かぶのはあの暗闇の中で聞いた涙声と密着した体温。
明るく活発な普段の相手からは、全く予想もつかない様子が幾度も思い出されては、学校にて見かけるその姿を意思とは関係なく視界に捉える。
何度見かけてもいつもと変わらない。
その度、ボクが気にするのもバカらしいことだとタイラは自身へと言い聞かせて。
―― なんだろ……いつもとなんもかわんねえのに。
下校途中の道すがら、
源 竜世
は突然襲ってくる不安から足を止めていた。
今着いたとてまだ誰もいない家、
いつもならまばらに行き交う人々の、たまたま人影消えたこの道。
うつろな表情で周囲を見渡しその事実を再確認した途端、琥珀の瞳からぶわっと大粒の雫が溢れ出た。
「あれっなんでオレ……ひっ………う……」
竜世にはその感情の正体がよく分からなかった。
止めようと思っているのに止まらない粒たち。
頭もふわふわしてくれば、どうにも出来ずただ膝をついて呆然と俯いた。
「なっ! どうした!?」
そんな時、聞き馴染んだ声が竜世の耳に飛び込んでくる。
同じく下校途中で、やはりたまたまその後ろ姿を見つけていたタイラだが、どこか上の空で歩く竜世に『どうせ遅くまで遊んでいたのだろう』と適当に思っては目を逸らそうとしていた。
のだが、突如崩れるように泣き出したのに驚いて、思わずその足は駆け出していたのである。
確かにあの暗闇でも泣く竜世と共に在ったけれど、あの時はその顔はろくに見えなかったわけで。
今、真正面から泣きじゃくるその瞳を覗き込んだことで、タイラの調子はすっかり狂って動揺を生む。
「ボクのライバルがそんなことでどうする!」
動揺から思わず、普段プライドから隠している本心が口をついた。
素直にぶつけてくれた言葉に、竜世の腕が奮い立つように動かされる。
―― なんで泣いてるんだ、泣き止め、なきやめっ! せっかくタイラがライバルっていったのに!
乱暴にごしごしと顔全体を拭うも、一向に涙は流れるまま。
こんなんじゃ弱いやつって思われちゃうじゃんか……っ。
いつもなら自身への叱咤な言葉なのに、そう内で叫んだらば想像が具体的になって、もっと辛さを感じれば涙の勢いは増すばかりだった。
―― コイツ熱があるんじゃないか?
あまりに強い力で目元をこする様に、思わずハンカチを渡して泣きやまそうとしていたタイラも、様子がおかしい目の前の相手に自然とその手を掴んでは家まで送り出していた。
◇◆◇◆
―― ……泣いてるけど、きらわれてねえのかな。
手を引っ張ってくれるその感触が、ひんやり冷たくて心地よい。
どこか安堵から、少し泣き止みかけた竜世の口が、そっと動いた。
「タイラ……ついてきて、くれんの……」
「病人に鞭打つほど鬼ではないつもりだ」
きっぱり言い切るその口調にも、いつもより優しい温度を感じ取ると、張っていた気と一緒にまた涙腺が緩んだ。
「……お前はいつまで泣いているつもりなんだ。そんな顔じゃ親が心配するんじゃないのか」
「家……母さんおそい日だから」
竜世の家の玄関まで来れば、ハンカチ返そうとしてくるのを『それは返さなくていい、いらなければ捨てろ』と照れ隠しにそっぽを向きながら、呟いた言葉に返された弱弱しい返答にはタイラも再び竜世の方へと視線を戻す。
「誰もいない、けど、スターライトナイトはいるから」
だからへいき。
今の竜世にとっての、精一杯の強がりだった。
涙をこぼしたままへにゃりと笑って見せようとするその瞳には、まだいつもの強い光は見えない。
呆れながら、しかしタイラはスマホを取り出したかと思うとおもむろにボタンを操作する。
―― 今時子供が家にひとりでいるのは珍しい事でもない、けれど……。
この状態の竜世は放っておけない気がした。
目の前の電話のやり取りから、まだ暫く一緒に居てくれるつもりなのだと、ぼぉっとする頭からでも判断出来れば竜世は会話を終えたタイラへと、ぽつりと放つ。
「タイラ、まだいてくれんのか?」
「ちゃんと安静にするか確認しないと、ボクが後味わるいだけだ」
視線合わせず返ってきた台詞。
しかし、思わずぎゅっと強く握り返した手が振り払われる事が無いのに、ホッと竜世の口元から息が漏れた。
ちょっとは落ち着いたのだろうか、と思案しながら『ほら部屋はどこだ?』とタイラも再び手を引いて中へとお邪魔する。
こっち、と誘導する竜世についていき子ども部屋のドアをくぐった。
勉強机の上には、教科書類よりもカプギア類の方がたくさん並べられており、その向こうにはベッドも見える。
部屋内を見渡していた視線を戻して、タイラはベッドの方へと竜世を促そうとする、も。
「……やだ」
「は? 何を言い出すんだ、熱があるかもしれないいだぞ。寝る以外やることは無いだろ」
「わかってる、けど、今はそこじゃやだ」
「ならどこなら寝るんだ」
駄々をこねる竜世に、何とか根気強く問いかければトコトコ部屋の奥へ進んでいくのについていくタイラ。
ベッドに隠れて見えなかった死角へ来ると、タイラは目を微かに見開く。
―― これは。
普段竜世が着ている物とは明らかに違う種類の服たち、ベッドに毛布はあるのにここにも敷くように置かれた毛布はややぐちゃぐちゃに。
数年前から行方不明となっている、兄の身近な物で作られたまるで小さな巣。
倒れないよう固定した台座には、タイラもすっかり見慣れた、竜世にとっては兄が生きている証でもある、赤と黒の炎のドラゴンの姿が。
竜世はふらふらとそこへ倒れ込み顔をうずめた。
まだ消えずにいてくれる、兄の匂いに包まれれば安心してまた流れてくる雫を、今度はタイラに見えないよう布団で顔を隠す。
「……悪化しないか」
正直に思った『こんな場所で』という言葉は、今の竜世には伝えない方が良い気がして飲み込んでから、それでも心配する気持ちは正直に口をついた。
竜世の寂しさを垣間見たから。
いつもの明朗活発な姿も竜世なら、これもきっと竜世の一部なのだろうと理解はしたものの、それはあまりにタイラの胸を締め付けたから。
―― やさしいタイラなんて、こないだの箱よりほんものっぽくねえや。
だったら甘えちゃってもいいかな。
素直な言葉を竜世も素直に受け止めて。でもきっと夢なんだなと思い込むことにして。
巣の中から、おもむろに手を伸ばすとタイラの腕を掴んで引っ張った。
いつもに比べればとても弱弱しい力。
それでもタイラは、拒絶し切れず引き込まれるがままに竜世の真横へと転がった。
迎えはギリギリに来るよう頼んだし、寝付くまで傍にいようととっくに決意していたから。
―― 可哀想とは思わない。
泣き疲れたのか、もうウトウトとまどろむ竜世の表情を見つめながら、タイラは思う。
甘やかす手など必要としていないだろう。自分ならそう思うから。……『ライバル』……だから。
ただ……普段とは違う弱った姿に、どうしたら良いのか、自分の心が分からなくなるのだ。
「……ボク、が、いるから」
あの暗闇で言ってもらった言の葉が脳裏に過ぎれば、自然とタイラの口を動かしていた。
まるで、兄と同じような台詞を、兄ではないタイラの口から紡がれるのを、夢にいざなわれる狭間の中で竜世は聞いた気がした。
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担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月01日
参加申し込みの期限
2018年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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