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◆
「……シュー君、へるぷみ~」
「ん? ああ、見事に引っかけに躓いたな。そこはその公式と見せかけて、実はこっち」
「ぬぅ、なんと卑怯な」
「パズルやクイズ的な、ゲームに等しいと思うぞ。解けたら楽しい」
「まだその域は遥か先なのです……」
「終わったらネトゲが待ってるぞ、頑張れ頑張れ」
椿 美咲紀
が今にも脱落しそうになる度、的確な言葉を選んでは
八神 修
が鼓舞する会話もこれで数度目。
中間テスト対策として、もはや定期開催となっている(主に美咲紀のための)勉強会中である。
勉強、とりわけ数学や英語に強い修に、美咲紀もすっかり頼るのが恒例となっていて、自身の問題集をザックザック進めている最中にも、分からない部分が出たら遠慮なく声掛けをする。これくらいで集中力が切れる相手ではないのを知り尽くしているが故に。
「あ、そうだ。猫達の餌を……」
目をぐるぐるさせつつも、何とか再び問題集と向き合い出した美咲紀を目を細め見つめてからふと思い出せば。
気を逸らさないよう、言いかけた言葉を途中でつぐむと修はそっと席を立った。
キッチンに向かう足音+いつもの決まった時間、これが揃った瞬間八神家の猫たちは『ごはんにゃ!』と察知しすっ飛んでくるわけで。
棚から餌を取り出している最中から、すでに修の足元はわらわらわらわらと猫まみれである。
皿の多さや餌の量、挙句今この時も肩や手元にジャンプしてくる動物たちのごった返しに、普通の飼い主ならもしかしたらアワアワと取り乱しているかもしれない。
が、こと修氏に至ってはその一挙一動まさに鬼の一口の如し。
踏まないよう足元は華麗なステップを踏むかのように避け、空腹から興奮し出さないよう適度にその小柄な頭たちを撫で落ち着かせ、その間常に片手は着々と餌の準備を進め。
あっという間に、テキパキと餌やりを完了させたのだった。
一方、鬼も寝る間といいますか、隙をついたというより棚ぼた的にその隙を得たといいますか。
必死と集中のあまり鬼の形相をしていた美咲紀嬢の集中が切れて、ころりといつもの可憐などんぐりまなこに戻った頃。
「おろろ。シュー君が居ないのです」
そう言えばさっき『猫の世話を……』とか何とか聞いた気が、なんて思い起こしてみるも、真面目に数式と戦ったためか頭の中はすっかり疲労困憊でハッキリとは思い出せず。
―― 脳にも潤いが必要です。
美咲紀嬢、鞄からおもむろに某擬人化系ゲームのウスイ本を取り出した。
たとえ読んでる途中で戻って来られても、すぐキリ良く閉じられる4コマ漫画本である。美咲紀嬢、確信犯か。
「ぷ。面白いです。直ぐ読み終わっちゃいます」
暫く読んでいても、部屋主が戻って来る気配なし。
鬼の居ぬ間に洗濯げふん。
美咲紀、読み終えたウスイ本を鞄に仕舞うと、今度は部屋にある本棚を眺めた。
勉強の事だけでなく、興味を抱いた事柄には触れてみる気質な部屋主なれば、その本棚には純文学やら美術館の図録やら多種多様なのを、以前から目にしており。
面白そうに覗き込んでは、時折引き抜いてパラパラとめくってみる。
そんな美咲紀の真横にて、飼い猫の一匹である黒猫ブラックが興味津々そうに美咲紀の手元を見上げ出す。
かと思えば、にゃんこジャンプでひらりと棚に飛び乗ると、ちょいちょいっと美咲紀のマネするように本の背表紙に手をかけて。
「あ、おいたは駄目ですよぉ」
気付いた美咲紀が慌ててブラックのお手手を引っ張った。らば……
ドザザザザァ―――――ッ
爪に引っかかった本と共に他の本たちまでもれなく引っ張られ、もれなく雪崩を引き起こしたのである。
咄嗟に美咲紀がぴゃっと飛び退いたことで、抱えていた黒猫共に激突は免れた。
「な、なんだ、何事だっ?」
階下にいたらば突然の崩壊音。
修が急いで部屋に戻ってくると、丁度その足元を美咲紀の手の中から逃げ出した犯人ならぬ犯猫が、そそくさと走り去るのを視界に捉えた。
ブラック? 餌場にいないなと思ったら何かやらかしたか?
そう思案した後改めて部屋に踏み入った修の視界に、まだドキドキから呆然としている美咲紀と散らばった本たちが目に留まる。
何とな~く想像はついたが、とりあえず固まっている幼馴染を覚醒させるべく声をかけた。
「美咲紀、みさきー」
「へ、あっ、シュー君! ……あう、心配かけてゴメンね~、本傷まなかったですか?」
「この場合まずは美咲紀とにゃんこたちだろう。大丈夫か? 怪我はないか?」
片手で美咲紀の頭を、もう片手で他のすり寄って来た猫を、よしよし吃驚したなと修はぽんぽん撫でてやる。
ホッとした表情を見せる美咲紀とにゃんこたちの姿に、修の中で同じカテゴリーに映っていたのはおいておくとして。
ぽそぽそと、こうなった事の顛末を美咲紀の口から語られれば、苦笑いを浮かべるしかない。
「つまり、サボった末路ってわけだな?」
「え、サボってたんじゃなくて、息抜きですよ。気持ちのリフレッシュなのです」
一緒に本たちを片付けながらも、そう言ってのける美咲紀の目が泳ぐのを修は見逃さない。けれど、見なかったことにしてやったり。
まぁ、今日は結構根を詰めて頑張っていたみたいだし、な。
肩をすくめながら棚に本たちを差し入れたところで、美咲紀の動きがまたピタリと止まっていることに気付いた。
「どうした?」
「は。この猫の本、探してたです。本屋さんでも品切れしてて」
「ああ。某猫写真家の写真集だね。世界の猫達が沢山写ってる、……借りていくか?」
「良いのですか!? やったー! シュー君ありがとー!」
見慣れている姿といえど、予想以上な喜びようになんだかくすぐったさを感じて、修の頬が綻ぶ。
「鬼に瘤を取らる、だな」
「ほ? どういう意味ですか?」
「災いが転じて福になるってことさ。こぶとりじいさんって民話知らないか? そこからきたって言われてる」
「シュー君ことわざにも詳しいですね」
「さ、粗方片付いたし休憩にしよう。今日は日本茶を用意させたよ。茶菓子は『鬼楽煎』」
「わーい、お煎餅だ!」
もう頭の中が目の前のお煎餅でいっぱいになった美咲紀に、笑いながらテーブルに茶菓子を置いてやりながら。
―― そういえば、これも鬼……か。
醤油、白黒胡麻、ざらめ、唐辛子がまぶしてある煎餅を見やると、本日の鬼づくしな印象を感じればタブレットを取り出す修。
「なにか調べてるんですか?」
「鬼の諺をちょっとね。こういう機会に乗っかっておこうかと」
「物知りシュー君の所以は、こういうところにあるんですね」
「タブレットはいつも持っているからね。知識の道具だ」
修とタブレット。
まさに鬼に金棒である。
どこか不敵に微笑みながらタブレットを叩く修の横で、一瞬鳥肌が立ったのに首を傾げながらお煎餅をバリンッと頬張る美咲紀の姿があるのだった。
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担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月01日
参加申し込みの期限
2018年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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