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レイン・チョコレート・レイン
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◆甘い時間
「すげー!」
降ってきた箱を見て、
源 竜世
は開口一番そう言った。その隣で、
タイラ・トラントゥール
が口をあんぐり開けて驚いている。竜世は道端に積もった箱の山、そのてっぺんの二つを両手に取ると、キラキラとした目で開けた。その中にはずらりとチョコレートの粒が並んでいる。
「こっちの箱もこっちの箱もチョコレートだ」
「なんだこれは? また何かの撮影の類か!?」
タイラはこの状況に声を荒げ、箱の中のチョコレートを訝しげに見た。タイラが困惑し、悩んでいる間に竜世はチョコレートを口に運ぼうとしている。
「いっただきまーす!」
「おい!」
タイラは咄嗟に竜世の腕を掴んだ。竜世の動きがぴたりと止まる。チョコレートをおあずけにされて、半ば睨むように、竜世はタイラのサファイアの如き瞳を見つめた。じとーっと効果音がつきそうなほどに。
「……何でとめんだよ」
「何かも判らない物をいきなり口にする奴があるか! 危険だろうが! 前にも言ったがお前はもっと警戒心を持てと……」
それからくどくどと説教を始めたタイラに、竜世は口を尖らせる。
「別にいーじゃん。地面にさわってないからセーフだって」
「そういう事じゃな……痛ッ」
タイラの説教は、突如降ってきたチョコレートによって止まった。彼の頭からバウンドしてその手に収まったチョコレートは、タイラには見覚えがあった。彼の故郷フランスにある有名店のものである。
――こ、これは老舗ブランドの期間限定物?
タイラは自らの目を疑った。
――いやまさか……そもそもこれが本物とは限らないだろう。
彼が逡巡している間に、竜世は先程食べかけていたチョコレートを口に放り込んでいる。その事に気付くと、タイラはさっと怒りで震えた。
「すっげー! うめー!」
「お腹壊しても知らないからな!」
竜世は美味い美味いと手に持った箱の中身を食べると、タイラの手にある箱に目を付けて覗き込む。タイラは急に恥ずかしくなって、それを背後へ隠した。そこで竜世はさっと回り込む。
「あれっ、タイラもチョコ持ってんじゃん」
「い、いやこれはだな……」
回り込んだ竜世の動きを察知して、タイラは箱を上下左右に動かした。それを追うように、竜世も動く。
「食べねーのー?」
「お前には関係ない!」
タイラの怒鳴り声に負けずに、竜世は手を差し出して大きな声で言った。
「食べねえならくれよ!」
「なぜお前にやらねばならないんだ! 他にも沢山降っているだろうがっ!」
タイラと竜世の周囲では、今もチョコレートが降り続けている。もっともな理屈をタイラが述べると、竜世も負けずにこう返した。
「そりゃいっぱいあるけど、タイラの持ってんのが特にうまそうなんだよ」
「知るかそんなの!」
そこからお互いの隙を伺い合う攻防戦となるが、瞬発力では竜世の方が上回っていたようだ。あっ、とタイラが声を上げる頃にはもう、竜世の口の中にチョコの粒が入っている。
「うわっ、めちゃくちゃうめえなこのチョコ!」
もぐもぐと口内でチョコレートを味わうと、竜世はタイラにキラキラとした目を向ける。そしてもう一粒奪い取り、ぐいぐいと、タイラの口の中に入れるべく近付いた。
「タイラも食ってみろよ。すっげーヤバい!」
竜世にチョコレートを奪われ唖然としているタイラの口の中にチョコを放り込むのは容易だった。タイラは入ったチョコレートを食べると、呟く。
「う、まい……」
「な!? すっげーうまいだろ!」
その味に本物とわかって、タイラは口にしても大丈夫かと逡巡する。そうするうちに、竜世がまたタイラの持つ箱からチョコレートを奪い取った。
「もう一つちょーだい」
と言いながら。しかし奪い取ったばかりのそれを食べるなり、竜世はうえっと濁った声を出す。
「……なんだこのチョコ……すごい苦い……」
竜世が食べたのは何の変哲もないビターチョコだったのだが、彼にはどうも苦く感じたようだ。顔をくしゃりと歪めてぷるぷると震え出す。そして自由に動いていた両手がその口を塞いだ。
「口直しに別のちょーだい」
「そうか……」
それにタイラは嗜虐心を刺激される。にやりと不敵な笑みを浮かべたタイラは、手の中に在る箱からもう一粒ビターチョコを摘んだ。
「な、なんだよニヤニヤ笑って……」
「食い意地の張った奴だな。そんなに食いたいのならくれてやるぞ」
タイラの手にあるチョコを見た竜世は、わずかに涙目になりながらじりじりと後ずさった。タイラも笑みを崩さず、竜世が後ずさった距離を即座に埋める。
「い、いらない!」
「どうして?」
首を傾げたタイラに、竜世はふるふると首を振り、こう返した。
「だってなんか、なんかタイラ悪い顔してるし!」
「遠慮するな。これが食いたかったんだろう?」
「つーかよくみたらさっきのチョコと同じじゃんか! オレ甘いのがいい!」
「子供だな」
竜世の言葉を鼻で笑ってはねのけ、タイラは固く結ばれた口元にビターチョコを押し付ける。その表情は、とても生き生きとしていた。
「大人になれるぞ」
「やだ」
「カプセルギアも強くなる」
明らかに嘘とわかる言葉に、タイラは叫んだ。
「絶対やだー!」
その隙を逃さず、タイラは竜世の口にビターチョコを放り込んだ。竜世が喋れば喋るほど、時間が経てば経つほど、彼の口内に溶けたカカオの苦みが広がる。
「うえっ」
「ははは! いい気味だ!」
勝ち誇った笑みを浮かべ高笑いするタイラを、竜世はキッと睨みつけた。しかし涙目なせいで、いまいち格好がつかない。
「ひでー! 絶対仕返しするからな!」
「してみろ。……出来るものならな。そら、もう一個やろう」
「また苦いのじゃねーか! やだー!」
見事なまでの形勢逆転。哀れにも竜世はタイラに苛め抜かれてしまった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
六原紀伊
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月22日
参加申し込みの期限
2018年03月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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