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レイン・チョコレート・レイン
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◆春の姫に捧ぐ
放課後が来て、授業を終えた生徒はぞろぞろと教室を出て行く。
藍川 慶介
もそのうちの一人だった。彼は疲れたとばかりに伸びをして、窓の外へ視線を遣る。窓の外では、ラッピングされた箱が雨のように降っていた。なんだろうと思って様子を伺っていると、窓の外からチョコレートの到来に歓喜する生徒の声が聞こえてくる。
「お菓子が降ってくるなんて夢みたいだ」
そう呟いて、慶介は笑った。
その頃、
春姫 いちご
も窓の外の光景に首を傾げている。授業が終わったらすぐ帰宅して、メイドの手伝いをするつもりだったのだが――あまりの異常に、いちごの興味はそちらに向いた。いちごが空いた窓から手を出すと、その手にチョコレートが落ちてくる。それを観察しながら、いちごは呟いた。
「これ、食べられるんでしょうか……?」
いちごと慶介が会ったのは、そんな時である。慶介は前から歩いてきたいちごに軽く手を挙げ、気さくに声をかけた。
「……あ、春姫さん!」
いちごの視線が、慶介に移る。遠足で会った時の記憶を思い出して、いちごは慶介に微笑を向けた。慶介は困ったように笑うと、外に降り積もるチョコレートを見る。
「このままだとチョコで道が埋まりそうだね」
いちごもそれにこくこくと頷き、手の中にあるチョコレートを慶介に見せた。
「そうですねっ! ……このチョコ、食べても大丈夫なものでしょうか?」
「たぶん……?」
慶介がそれに首を傾げていると、窓の外からチョコレートを食べたものたちの美味しい、という声が聞こえる。暫し様子を見ていても、その声に苦しみなどは感じられない。慶介は傾げていた首を戻した。
「食べても平気みたいだし、食べて行こうかな」
いちごはその言葉に手に持った包みを開ける。すると、中から覗いたチョコレートにぱっと華やかな表情となった。
「わ、このチョコレート、とっても美味しそうですっ!」
慶介もそれに倣って、窓から降ってきたチョコレートを取り、開ける。そこには上品なデザインの粒が並んでいた。
「本当だ。このチョコも美味しそうだな……」
慶介はこの可愛らしいチョコレートを前にはしゃいでいるいちごを真っ直ぐ見据えて、言う。
「よかったら教室で食べない?」
いちごはそれを聞いて、目をキラキラとさせたまま手を合わせた。その小さな唇から紡がれた言葉は、色よい物だった。
「はい、ぜひぜひ食べたいですっ!」
慶介といちごが二人並んで廊下を歩く。いちごは外から集めてきたチョコレートを手に、何か考えていた。そうして、何か思いついたのか慶介の方を向く。
「このチョコ、溶かしてホットチョコレートなんか作れるかもしれませんっ」
「それもいいね。となると、家庭科室でがいいかな? 部活で使ってたりしないといいけど……」
ちょうど職員室の前を通りかかったのをいいことに、慶介は中へ入り使用状況を確認しに行った。暫し経ち職員室の戸ががらりと開くと、そこから慶介が出てくる。その表情は明るかった。
「大丈夫だって」
「ありがとうございますっ!」
貰った鍵を見せて、慶介は笑う。いちごも微笑みながら、家庭科室までの道を歩いた。話題は先程のものに戻り、ホットチョコレートのことになる。いちごはんー……と唸ると、口を開いた。
「でもでも、それだとチョコレートばっかりになっちゃいますね……?」
「そうだね……飽きちゃうかも。お茶買って行こうか」
そういう慶介はペットボトルのお茶を考えていたのだろうか、しかしそこを、いちごがぱんと手を合わせて言う。
「ティーバッグとか、買ってきたらとっても素敵だと思いますっ」
「うん、それも途中で買って行こう」
「いいですね! それで、美味しそうなチョコレートがあったら貰っていきましょう!」
そんなこんなで、紅茶とチョコレートを調達した二人は、両手にいっぱい荷物を持った。慶介はいちごの腕にあるチョコレートを見て、遠慮がちに言う。
「荷物は全部俺が持つから、春姫さんは先に行っていいよ」
「いえいえ、いちごにもぜひぜひ運ばせてくださいっ!」
いちごはこう言うが、慶介は引かずにもう一度口を開いた。
「ええっ、いいよ、女の子だし……俺頑張るから!」
「そんな! わたしも頑張りますっ!」
平行線をたどる二人の遣り取りは、慶介の負けで終わる。残された慶介は、女の子に荷物を持たせてしまったという事実にしょんぼりとする。
「……う、ううん」
テレビの中のかっこいいヒーローへの道のりは、まだまだ遠いようだ。
――……もっと頑張らないと!
慶介は気を引き締めて、いちごの後を追う。彼女は家庭科室の前へすたすたと歩くと、鍵を開けて中に入った。
「最初はどのチョコレートにしましょう……」
「たくさんあるから悩むね」
家庭科室の机に、チョコレートの箱が並ぶ。贅沢な悩みに頭を抱えながら、いちごはある一つのチョコを慶介に見せる。
「あ、このいちご柄のチョコレートがとっても美味しそうですっ」
その手にあったのは、いちごの柄がプリントされた箱だった。それを開くと、ベリーとチョコレートのハーモニーが香る。いちごは箱を慶介の方へ寄せた。
「藍川さんも、ぜひぜひ食べてみてくださいっ」
「いいのかな? じゃあ、一つ頂くよ。春姫さんも、俺の食べていいから」
そう言って、慶介も自分の箱をいちごの方へ寄せた。時計の文字盤のようなデザインをした箱の中には、チョコレートの粒が入っている。いちごはそこから一粒取って、食べた。慶介もいちごの箱の中から一粒、口に入れる。とろりと溶けていくチョコレートの中から、苺の味が表に出てきた。
「美味しい! 中にいちごのジュレが入ってる?」
「みたいですよっ! 美味しいですよねっ」
いちごは慶介のチョコレートを味わうと、こうコメントする。
「藍川さんのは少しビターですね」
「ほんとだ。でも、美味しいね」
二人が微笑みながら次の箱を開けると、その中からヴァイオリンが出てきた。いや、それはヴァイオリンを模ったチョコレートだ。彫刻のように精巧なそれは、一見すると本物と間違えそうなほどである。
「すごい、このチョコバイオリンの形だ」
「わっ、とっても素敵ですっ」
小休止。ホットチョコレートの入ったマグカップを手に、二人は落ち着いて話しだした。高校には慣れただとか、授業が大変だとか。高校生にはよくある話だ。そんな中、話題は部活動のことへと移る。
「そういえば、春姫さんは部活決めた?」
「部活ですか?」
「うん。俺は軽音部に入部しようと思って」
慶介の言葉に、いちごは屈託のない顔で言った。
「わたしは華道部に入ろうと思ってますっ。素敵なお花が生けれたら、とっても素敵だと思ったんですっ」
「華道部かぁ……いいね!」
花器を前に花を取るいちごの姿を想像して、慶介は微笑む。
「藍川さんは……何か楽器とか、やられてるんですかっ?」
「ヴァイオリンをやってるよ。ここには先輩が多いから勉強になるな」
「いつか、お聞きしたいですっ」
「こちらこそ、今度遊びに行かせてね」
「はい、素敵な作品が作れるようになったら、ぜひぜひいらっしゃって下さい!」
チョコレートを間に挟む二人の談笑は、まだまだ終わらない。そんな中、午後の時間がゆったりと過ぎて行った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
六原紀伊
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月22日
参加申し込みの期限
2018年03月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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