携帯戦記カプセルギア　第三話「共闘、カプギアマスターズ！！」｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　第三話「共闘、カプギアマスターズ！！」

【A.I.C.O.とひきこもり少女(5)】

「ふぅ。どや？　綺麗になったやろ……」
「凄い！　奈々美ねーちゃん、掃除得意なんだね！」
　その頃、ぜぇぜぇはぁはぁしながら一仕事終えた奈々美さんが額の汗を拭ったときには、洋子ちゃんの部屋はだいぶスッキリしていました。それでも、洋子ちゃんが頑なに死守したパソコンまわりには手をつけられませんでしたけど。
「……な、な、なんなんだい、きみ達は！　勝手に乗り込んできたあげく、勝手に部屋の掃除までしたりして！」
「全く……引き籠ってるんも理由あるやろうから部屋を出ろなんて言わんけど、もっと健康的な生活せな。しゃーない、時々掃除と食事作りに来たるわ」
「だから、どうしてそこまでする！？　ぼくには、きみ達にそこまで心配されるいわれはないよ！」
　その叫び声は怒りよりも、むしろ戸惑いの方が大きく感じました。
「なんでって……それは、なぁ？」
「うん。おれ達、洋子ちゃんと友達になりたいからだよ」
「は……？」
　そこで、また洋子ちゃんはぴたりと固まり、
「せやで。うちら、洋子ちゃんと友達になりたいねん。だから、友達になってもええやん？」
　と、奈々美さんが訊いたときには、洋子ちゃんはまた完全にフリーズしていました。
「あー、こら、あかんわ。しゃーない。ほな、今日のところは退散しよか？」
「うん。そうだね」
　そうして、二人が部屋を出てから１５分後

「……な、な、な、なんだってぇええええええええ！？」

　再び洋子ちゃんの叫び声が響き渡ったことを、二人はまだ知る由もありませんでした。