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五月病は恋の始まり
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落神神社への長い階段を昇る。永遠に続くような長い石段。
汗ばむ陽気だ。上着は脱いで肩からかけていた。
もうじき雨の季節が始まる。続いて、夏だ。
あっという間だな、と
市橋 誉
はつぶやいた。
春のはじまりを告げたあの日は、遠い昔の話のように思える。
彼女……
詠 寛美
と、ふたりで弁当を食べた日は。
ようやく誉は神社にたどり着いた。無人のベンチを見つめる。もちろん寛美の姿はない。
もしかしたら、という気持ちはないでもなかった。でも、会えないことはわかっていた。
雑草が随分伸びていた。前に来たときは生えていなかった場所にまで、力強く青々としたものが茂っている。
ベンチに腰を下ろすと、誉は一息ついた。
あのときはよかった……と思う自分に自己嫌悪を抱く。
まさにこの場所で、寛美と弁当を食べた。
「余らせてももったいないからなあ。減らすの付き合ってやるよ」
そんな寛美の声が、今でもありありと思い出せる。
憎まれ口を叩きながら、寛美は楽しそうに笑っていた。誉も笑っていた。あとから考えれば、呑気すぎるくらい呑気に。
弁当の日からしばらくして、寛美が明かした事実に誉は動揺した。
彼女はある地方の名家の出であり、地元の生活を厭い寝子島に家出してきたのだという。『詠(うたい)』という姓にしたって、母方の苗字を名乗っているだけだということだ。
ところがその潜伏が実家に露呈した、と寛美は力なく言った。無理矢理帰郷させれるかもしれないということだった。今のところその様子はないものの、今後どうなるかはわからない。
しかも寛美にはすでに、父親が決めた婚約者がいるというのだ。
それを聞いて以来、誉は自分にできることをずっと考えていた。
「俺さ、考えたよ、詠」
いつしか、虚空に向かって誉は話し始めている。
「俺が詠と一緒に詠の実家に行って、こう言うんだ、『お嬢さんと付き合っています』って。『お嬢さんを俺に下さい』、『お嬢さんを連れ戻さないで下さい。寝子島にいさせてあげて下さい』……どれだけ詠が寝子島で活き活きしていたか、話すんだ。で、許可を貰えなかったら、詠を連れて逃げる……」
それがどれだけ青臭い考えか、わからない誉ではない。
そもそも自分は、寛美の気持ちすら確かめていないではないか。好きだ、そう告げた返事を、まだ彼女から受け取っていない。回答は宙に浮いたままだ。
やっぱり俺、子どもなのかな。
そんなことを考える。たとえば兄なら、どんな方法を口にするだろうか。
「だからおめーは駄目なんだよ」
という声が聞こえた。誉の頭の中で。
それは寛美の声だったのだろうか。
それともまだ見ぬ、寛美の父親か。
あるいは……弱い自分か。
やおら誉は立ち上がっていた。腹の底から声を出す。
「俺は詠が好きで、力になりたいんだ、悪いか……!」
大声で叫んでいた。
聞いているのは誉自身と、朽ちかけた神社だけである。
けれども、少しすっきりしたのは事実だった。心に晴れ間がのぞいた気がする。先日校舎の屋上で、
鷹取 洋二
が口にした「五月は恋! これだよ!」という馬鹿馬鹿しくも力強いメッセージがふと心をよぎった。
影響されたのかな……やはり鷹取先輩って、天才なのかもしれない。
変人でもあるけれど――そんなことを思って笑ってしまう。
ならば鷹取先輩にならって、即興で恋の歌でも奏でてみようか。
誉は鞄からスケッチブックを取り出した。ペンを取り、慣れた手つきで鍵盤を描く。『ろっこん』を使うには理想的な環境だし、気分だ。
準備完了。絵に描いた白鍵と黒鍵はたちまち本当のピアノとなる。調律はいらない、いつだってこの鍵盤は、最高にチューニングが合っているから。
軽く指慣らしにバイエルのメロディを歌わせたのち、左手でカノンのコードを刻みながら、誉はマイナーキーで切ない旋律の恋の歌を奏でた。弾きながら作曲していく。イメージは悲恋……。
「じゃないだろ! 俺!」
リフレインに入ったところで強制的に止める。
これじゃまるでロミオとジュリエットだ。こういう曲は寛美には似合わない。
俺が詠にもらった気持ちは……もっと色鮮やかで美しかったはずだ。
メジャーキー、もっと明るくて楽しくて、つられて微笑してしまうような。
ときに熱く、ときに小生意気で、それでいて愛さずにはいられないような。
そんな曲だ。
誉は奏でる。心の赴くまま。
いつか君に届けられたらいい、そう祈りながら。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月18日
参加申し込みの期限
2018年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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