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寝子島高校
並走せよ! 暁の神速ランナー
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さて、その
桜庭 円
は悲劇の陸上部コンビの片割れを探すために奔走していた。二人仲良く走っていたのに、片方が事故でこの世を去り、片方は失意のうちに島を去った。今も生きているはずの片割れは、心に深い傷を負っているに違いない。事故の調査はブリジットに任せ、円は足で情報を集める。得た情報を共有することで、走り続ける神速ランナーの真実に迫る計画だ。
「四十代の心の傷をわざわざ、えぐりに行くことになるんだよね……」
突然知らない女子学生が現れて、過去の辛い事件の話をし始めたら、いい気分なんてするわけがない。怒られるかもしれない。泣かれるかもしれない。門前払いにされる可能性だってあった。
(罵倒されるのも覚悟の上だよ)
小さな体にいっぱいの決意を秘めて、円は動き出す。
「もしもし。寝子島高校生徒会の桜庭と申します」
円がまず最初にしたのは、木天蓼大学寝子島キャンパスに電話をかけることだった。ブリジットからのメールで、神速ランナーが誕生した――つまり、大学生ランナーが命を落としたのは二十四年前とわかっている。その時期の大学駅伝についての記事を作りたいので、参考にできる資料や、話を聞ける人物を紹介してほしい、と円は電話口で淀みなく言った。実のところ、これはすべてはったりだ。過去の寝子島のスポーツ事情を特集した非公式記事を作りたいという言い分で、なんとか円は情報の糸口をつかもうとする。
「それでしたら……」
大学の窓口が円に紹介したのは、本土の木天蓼大学陸上部OB会だった。代表電話番号にかければ、おそらく現在のOB会顧問が出るだろうとのことだった。
「ありがとうございます。問い合わせてみます!」
円は弾む声で礼を告げ、電話を切った。すぐさま受話器を再び手に取り、教えられた電話にかける。本土の番号だった。何度かのコール音の後、物静かな高齢の男性の声が聞こえた。
「突然のお電話、失礼します」
と無難なあいさつから切り出し、円は老顧問に二十四、五年前の島の大学陸上界や、駅伝にまつわるエピソードを尋ねていく。どんな情報がきっかけになるかわからない。円は慎重に顧問に質問をし、答えを手早く書きとめていった。幸い老顧問は円の質問に、できうる限り答えてくれた。駅伝への陸上部員の当時の取り組みへと話題が移ったとき、
「今思い出しても辛いが、あの年は残念なできごとがあってね……」
と、老顧問は語りだした。
(神速ランナーの二人の話だ!)
と円は直感する。
「何があったんですか? よかったら聞かせてください」
「これは記事にはしないでほしいんだがね」と顧問が電話越しに語ってくれた内容は、おおむね円が知るランナー伝説と同じものだったが、より詳細だった。早朝練習中事故で亡くなった青年は石田。その相棒でありライバルとしていつも一緒に走りこんでいた学生は小島と言った。石田青年が事故に遭った日、小島青年は何があったのかはわからないが、朝のランニングに現れなかった。
(そのおかげで事故に遭わずに済んだともいえるし、そのせいで石田さんだけが亡くなってしまった、とも考えられるよね)
石田青年がどんな気持ちになったかは、想像できる。そして、今どんな気持ちで生きているのかも。「ここで言葉を濁しても、古い新聞を見ればわかってしまうからね」と、事件について話してくれた老顧問の声は少し寂しそうに感じられた。
(今しかない、かな)
円は小さく、しかし息を吸い込み、言葉を吐き出した。
「あの。小島さんに、お話を伺ってみたいのですが」
一度口に出してしまえば、後には引けない。円は正直に電話の向こうで自分の声を聞く主に、真の目的を打ち明けることにした。
「馬鹿げてると思うかもしれません。でも、聞いてください。寝子島には、その人の仲間だった……石田さんがまだいるんです。幽霊になって、ずっと、『また一緒に並んで走りたい』って言いながら……ずっと、走ってるんです!」
電話の向こうから聞こえたのは、息を呑むかすれた音。円は構わず続けた。
「自己満足かもしれない。でも、ボクは伝えたいんです。石田さんはずっと待ってるって!」
「……私はね。彼らが現役だったころのコーチだったんだ……」
しばらくの沈黙の後、声が返ってきた。
「かわいい、有望な後輩を一度に二人も失って辛かったが……本当に辛いのは彼らのはずだ」
老顧問の声は小さく震えている。やっとの思いで搾り出された次の言葉は、「君に託していいだろうか」だった。
「任せてください」
円は瞳に強い光を宿し、うなずいた。
小島青年――今はもう、中年男性になっているはずだが――もまた、本土に戻って暮らしているようだった。円はためらいもせず、老顧問から教えられた番号に電話をかける。
「もしもし」
覇気のない、疲れたような男の声がした。
「小島さんですよね? 木天蓼大学卒業生の」
「ああ……そうですが」
「はじめまして。ボク、寝子高の
桜庭 円
と言います。驚かないで聞いてください。石田さんが、今もあなたを待ってるんで」
がちゃり、という鋭い音。耳がきいんと痛んだ。喪った友の名を聞いた小島は、電話を切ってしまったのだ。円はすぐさまかけ直す。
「小島さん! 聞いてください! ほんとなんです!」
石田の名を聞くたび小島が電話を切り、円が負けじとかける。それが何度か続いた。
「いい加減にしてくれ! 何のつもりだ!」
「ボクはあなたと、石田さんを助けたいんです!」
とうとう大人気なく怒鳴る小島に、円も大きな声で返す。だがその真摯な叫びは、再び電話を切る音で遮られた。かけなおすが、もう石田は出ない。
「ボクは、あきらめないからね」
声の届かぬ相手に円はつぶやいた。
「おい、そこのちっちゃいの。石田と小島って言ってたな?」
黒塗りの車の、後部座席の窓がすっと開く。三十代前半ぐらいの男が円に声をかけた。仕立てのいいスーツに白いシャツ、ダークカラーの無地のネクタイ。銀縁の眼鏡の奥から、切れ長の瞳がこちらをじっと見ている。円はその目を怖いとは感じなかった。
「うん、あ……はい。どうしても話したいことがあって」
「『神速ランナー』の相棒の小島だな?」
「どうしてそれが!?」
ずばりと言い当てられ、円は思わず大きな声を上げる。
「俺は
神無月 文貴
。旧市街の神無組のもんだ。木天蓼大学の卒業生でもある。まあ、要するに、迷える先輩方のために一肌脱ごうとしてるところだ」
大きな目をさらに見開く円に、文貴はこう言った。
「これから小島先輩を迎えに行く。目的が同じなら、乗っけてくぜ? 売り飛ばしゃしねーから安心しろ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
スポーツ
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月18日
参加申し込みの期限
2013年09月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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