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並走せよ! 暁の神速ランナー
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(加速? 俺じゃない、小山内か? ……よし!)
ぐんと上昇したスピードに、
御剣 刀
は足元を見る。街道にはかすれはじめてはいるものの、いまだ鮮やかなオレンジ色のラインが描かれていた。幽霊の背が一気に近づく。イメージの世界で、力を注ぐ撃鉄ががちりと落ちた。その音を合図に、刀の体はさらに加速する。一陣の風となった刀は、ろっこん『加速』の力を得て、一気にランナーに並び、そして、追い越した。
(やったか?)
ちらりと振り向き、幽霊の顔を初めて確認する。泣いていた。しかしそれは悲しみの表情ではなかった。さらに後ろを確認すると、顔をくしゃくしゃにしながら追いすがる中年男と、その後ろを支えるようにして走る集団がいた。
「このおじさんもお願い!」
「この人が相棒なんだ! 幽霊の!」
「並んで走りたいって!」
(完全に追い抜いた。勝負は俺の勝ちだからな!)
刀はすべてを理解する。手を伸ばす小島を、リレーのバトンを受け取るように伸ばした後ろ手でつかみ、加速の勢いで一気に引き寄せた。
新たな神速の勇者が、幽霊ランナーにぴたりと並ぶ。幽霊は――石田は――人間並みのスピードに戻っていた。おじさんになってしまった小島と、並んで走る。
「石田。遅れてごめんな。ごめんな……」
それ以外の言葉が出てこない。
「待ってたよ。小島。ずっと待ってた」
誰もが初めて聞く、幽霊の言葉だった。二人は本土へ続く橋の手前まで、ゆっくりと走る。
薄野 五月
と
ブリジット・アーチャー
、
新井 すばる
が渡して待っていたテープを切ると、小島と石田は両手を挙げ、勝者のポーズを取った。生身の小島の方が若干速かっただろうか? まるで駅伝のゴールのように、見事な筆致で選手をたたえる言葉が書き入れられた横断幕が飾られている。裏方に徹し続けた文貴が、徹夜で仕上げたものだ。
走り終えると、かつての神速ランナーは立ち止まり、振り向き、微笑んで、消えた。
一人残され、許され、救われた小島が泣き崩れる。
「本当に、ありがとう。疑って、すまなかった……」
年甲斐もなく、小島は泣きはらした目で言った。
薄野 五月
のカクトラノオの花束を持って、手にはジュースを一缶。まるで子供のようだった。この日のために集まってくれたものに、小さなねぎらいを。汗と涙と雨と泥。ひどいことになっている小島に、
逆巻 天野
が静かにタオルをかけてやる。カバンの中からは驚くほどたくさんのタオルや雨具が出てきた。一人ひとりに、「お疲れさま」と声をかけて、タオルを渡していった。「ありがとう」や「君も幽霊が気になったの?」なんて聞かれるのが照れくさくて、渡した後は足早に隅の目立たぬ方に行ってしまう。
「これで事故もなくなる。幽霊もあなたも救われましたし、俺たちも。お越しいただき感謝しています」
そう言って
八神 修
が渡したジュース缶を、小島は大切そうに持っている。一人ひとりに同じ缶飲料が渡された。泣く中年、喜ぶ少年少女。体力を使い果たした
樋野 秀吉
は缶を氷枕代わりにぐったりとしているし、正体を現すことのできない
島野 夏帆
はジュースをひったくるように受け取ると、そそくさとその場を後にしてしまったりと、なかなかカオスな現状が広がっていた。
少し離れたところで見守る
四方堂 真矢
は、小島が得たであろう救いとカタルシスについて、自分の境遇と照らし合わせて考えていた。
(『夢』をかなえて、満足して消えた幽霊。『夢』を取り戻した男性。私の夢って何かしら。父の後を継ぐことこそが夢と思っていたけれど……父自身は、どう思っていたのかしら。『夢』って、ひとりよがりなものであってはいけないのかもしれない)
もはやこの世にいない父が、幽霊になってでてくるとは考えがたい。ならば真矢は、自分自身で夢の形を確かめるしかないのだ。
同じように夢について、五月も考えていた。
(私の将来の夢ってなんだろう? 最初から夢はある、って思っていたけど、実家を継ぐって言うのと、夢はぜんぜん違うものなのかもしれない。ランナーさんの望みはかなってうれしい、けど……私も、自分の夢について考えなくちゃいけないのかな)
夢を自覚することの難しさ。五月は新たな人生の課題を得るのだった。
本土の見える橋からは、二十四年を経て成就した再会を祝福するかのように、朝日が静かに昇り始めていた。
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あとがき
担当マスター:
清水るね
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございます。これにてシナリオ完結です。
無事神速ランナーは成仏できたようです。もはや寝子島街道を走り回ることはないでしょう。みなさんのご活躍のおかげで、小島おじさんもまた救われたのです。怒鳴られてもいい、嫌われてもいい、汚れてもいい、と自分を顧みず、シナリオ全体の成就のために力を注いでくださった方々のアクションはとても尊いものでした。また、予想もつかないユニークなアクションをいただき、これも執筆時の大きなやる気につながりました。いつも驚かせてくださってありがとうございます!
ご意見、ご感想などはコメントページにお寄せください。
それではまた、次のシナリオでお会いいたしましょう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
スポーツ
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月18日
参加申し込みの期限
2013年09月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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