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並走せよ! 暁の神速ランナー
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「なんだって?」
市橋 奏楽
は義弟――と言っても心の絆は実の兄弟以上である――、
市橋 誉
からのメールを読んで、思わず驚きの言葉を漏らした。
『奏楽は神速ランナーの幽霊の話、聞いたことあるか?』
他愛ないメールでの会話。しかしこれは、奏楽と誉が最近取り戻したばかりのかけがえのない宝である。小さいころから互いをよく知る幼馴染が兄弟となり、共に音楽を愛する青年に育った。だが、奏楽は音楽を愛しながらも自分以上の才能を持つと信じる誉の幸せだけを願い、誉は自分だけでなく義兄の幸せもまた願った。互いを思いやるあまりに衝突し、長い間わだかまりを抱え続けていた二人は、さまざまな経験を経て、ついに互いの真の心を知り和解しあうことができたのだった。二人は携帯電話の番号やメールアドレスを交換し、傷ついた絆を癒すべく少々ぎこちないながらも、以前よりはるかに密なコミュニケーションを取っている。もっぱら奏楽がまめにメールを行い、誉がぽつぽつと返信するというのが常であった。今日のようにたまに誉が長文メールを送ってきた、と思えば、内容は島に昔から残る都市伝説の話題である。奏楽が驚くのも不思議はなかった。
『一緒に並んで走りたい、って相棒をずっと探して走っているんだそうだ。なんだか可哀相というか……気になってさ。それで幽霊が成仏できるなら、俺が並んで走ってやったらどうかなって』
目をしばたたかせ、メールをもう一度読み直す。何度読んでも、弟からの文面に変化はなかった。幽霊に付き合って、納得いくまで走るという。奏楽は携帯から目を離して、はああ、と盛大なため息をついた。予想外の言葉に驚いたからではない。これはいかにも、本当にいかにも、誉らしかったからだ。
(誉はこうなんだ。クールなふりをしているけど、こういうのを放っておけないところがある)
弟、誉が内面に秘めているロマンチストな一面、共感能力の高さが強く発揮されてしまっていた。きっと走り続けることしかできない幽霊のなにかを自分に重ね合わせているのだろう。
「誉のやつ、どこまで知ってるんだか……」
神速ランナーの『後輩』に当たる奏楽は、もちろんこの伝説についていくつか聞いて知っていることがある。並んで走るのに失敗すれば小さな不幸が訪れ、乗り物で追いつこうとすれば転倒してしまうという。おそらく弟は、なんとかしてやりたいという思いだけでいっぱいで、失敗したときどうなるかなんて考えてもいないのだろう。ならば自分は、兄としてどうしようか。
『好きにすればいいんじゃないか?』
奏楽はひとつの決意をして、誉にメールを返した。
「だから! なんで奏楽がついて来てるんだよ!?」
兄の後押しに助けられ、誉は己の信じるとおりに神速ランナーに挑むつもりで、今朝も早くから準備をしていた。だが、寮を一歩出たところで彼は絶句する。そこには自分と同じように走る気まんまんのスポーツウェア姿で彼を待つ兄、ほかならぬ奏楽がいたのだった。
(軽いノリでぽろっと書いてしまったのがまずかったのか!? どういうつもりなんだよ・・・…)
「おはよう」と、驚く誉のことなど気にもしないと言うように声をかけ、当たり前のように奏楽は寝子島街道、299号線までの道を同行してきた。驚き、言葉を失いかけた誉がやっと兄に向かって言えたのが上の文句である。
「俺も走る。いいだろう?」
(どうして奏楽まで!?)
誉には義兄の真意がつかめない。自分にはこうするだけの理由は十分すぎるほどあった。誉が欠かさず続けているジョギング。鍛錬でもあり楽しみでもあるはずのその行為に縛られ、命を失った後もひたすらに走り続ける幽霊の存在がどうにも気にかかってしかたなかった。
(こんな表現はおかしいかもしれないが、他人事とは思えないんだ)
幽霊ランナーがすれ違いざまに残す、『また一緒に並んで走りたい』と言う言葉。それは誉のいちばんの願いである、『奏楽と一緒に音楽の道を進みたい』と重なる気がしたのだ。だが奏楽まで一緒に走る義理はないはずだ。正直に言えば、少しうれしい気もするが……それを素直に認められるような性分ではない。驚きと困惑の方が強いのだ。
「好きにすればいいだろ」
ぶっきらぼうにそう言って、誉は奏楽を見ないようにして走り出した。整理しきれない気持ちをごまかすように、少々無茶にペースを上げる。だが驚いたことに、奏楽はぴったりとついてくる。
「なっ!?」
たちまち奏楽は誉に並び、微笑を弟に向けた。実は音楽の道を一度あきらめた奏楽だが、ジョギングは誉同様、日課として続けていたのだ。そうそう遅れを取るはずがない。二人はぴったりと並んで寝子島街道へ向かって走る形になった。言葉はない。二人は黙ってペースを合わせて走った。
(ああ……。悪くない、かな)
誉は不器用にそう思う。奏楽と一緒に走るなんて、何年ぶりだろう?
おっとりと優しげな風貌に反して、奏楽は運動神経にも優れていた。一緒に走って勝てた記憶などない。喧嘩して逃げ出しても、奏楽の足には決してかなわなかった。たちまち捕まえられて……。
「くくっ」
この『悪くない』思いは『心地よい』と表現するのが正しいのだった。そう気づいて誉は思わず笑う。
「どうした?」
「な、何でもない!」
奏楽に問いかけられて恥ずかしくなり、誉は再びクールの仮面をかぶり直して速度を上げた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
スポーツ
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月18日
参加申し込みの期限
2013年09月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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